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【ミニ紀行】東海道五十三次 530km 徒歩の旅


はじめに

1989年、大学1年生の夏、僕は東海道五十三次を踏破する計画を立てて、広島の実家から京都に向かった。計画といってもあいまいなもので、国道一号線をひたすら歩くというもので、国道ならば道に迷うこともないだろうと、安易に考えていた。持ち物はと言えば、野宿のための寝袋と傘を一本持っていたに過ぎなかった。

自宅を出るときに父と

(出発地)京都三条大橋〜(53)大津

出発時の写真を見ると、なんかもうその辺に遠足に行くような格好だ。とてもこれから530kmを歩いて東京まで行こうという感じじゃない。京都から大津へと入る峠に石碑のようなものがあったので、写真をパチリ。

スタート地点で
大津市へ入る

僕たちは(そう僕は友人と二人で歩いている)、53ある最初の「宿場町」へ差し掛かっていた。夜は、琵琶湖へと流れ出る瀬田川の橋の下で野宿することにした。見ると堤防のコンクリートに「コジキハウス」と大きく書かれている。寝袋に入った途端に、体のまわりがむずむずしてきた。地面に直接寝ていたから、いろんな虫が這い上がってきていた。結局、ほとんど一睡もできなかった。

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