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二十歳のころ

今日は成人の日。
私が20歳の時の成人の日は1/15だったけれど、今はハッピーマンデーで1月の第2月曜日が成人の日になった。

今はどうかわからないけれど、私のふるさとの北国の田舎では、1/15ではなく、8/15が成人式だった。雪に埋もれて成人式をやるのも大変だし、私もそうだったけれど、田舎では少なからぬ若者が就職や進学で故郷を離れているから、1/15の成人式では参加できない。だから夏の帰省に合わせて8/15に開催していたのだろう。

真夏の成人式も悪くない。女性にとっては振袖を着ることができないのは残念かもしれないけれど。

久しぶりに集まった友人たちと成人式の後に何台かの車に分乗して近くの海に行き、夕日を見ながらビールを飲んで意味もなくみんなで騒いでいた、そんな成人の日。自分のやりたいことも見つからず、将来に展望もなく、漠然とした不安をかかえながら、お酒を飲んで友人たちと大騒ぎしていればなんとなくいい気持ちになって、そんな不安を一時的に紛らわすことができた。

何にでもなれるような気もしていたし、何にもなれないような気もしていたあのころ。夢も現実も、希望も絶望も全部まぜこぜで、自分が何をしているのか、何をすればいいのかもさっぱりわからなかったあのころ。誰もがそんな人生の期間を通りすぎていくのだろうと、今になればそう思えるけれど。

あれから20年以上が経った。田舎に帰ることもほとんどなくなって、あの頃の友人と会う機会もめっきり減ってしまったけれど、成人の日が来るたび、20歳のころの、友人たちの顔やあの頃の気持ちを今でも思い出す。

あれからいろいろあって、色々な場所を経由して今はふるさとから遠く離れて暮らしているけれど、あの日の自分と今の自分は確かにつながっていて、確かに今日を生きている。


日本海の夕焼けと20歳の友人たち。
夕日できらめく砂浜に山のように積み上げられたビールの空き缶。
あの時あの場所に、確かにいた20歳の自分。

あの日の自分、あの日の友人たち。

思い出すだけで心が温かくなる、
そんな二十歳のころのふるさとの記憶。




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