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仕事の情報がうまく伝わらない、本当の理由

昨日は久しぶりの土曜出勤。いつも通りの時間に出勤するとオフィスはガランとしていた。いつもは50人が働くオフィスに出勤してくるのは土曜日は5人くらい。勝手にオフィスのBGMをクラシックのベートーベンチャンネルに変えてのんびりと仕事をする。

私以外の管理職がいないので若手たちもいつもよりのんびりとしていて、平日はあまり話かけてこないメンバーも雑談にやって来る。大体が仕事上の悩み、と言うより愚痴だ。そんな風に愚痴を言ってくれる若いメンバーがいることは素直にうれしい。相談も愚痴も言ってくれなくなったら私がこの職場にいる意味はなくなるだろうと思っている。

スタッフが50名いて、いくつかのグループに分かれて仕事をしていると、一番大きな課題はタイムリーな情報共有となる。昨日の相談も、「自分に必要な情報がタイムリーに入ってこない、何が最新で正しい情報かわからない、一部の担当者が情報をもっていてそれを共有してくれない」そんな話だった。その前の日も、別の若手からほとんどおなじような相談をうけていて、どうにかしないといけないなと思っていたところだ。

テクニカルな意味での情報共有の仕組み化はできているはずで、決められたルールでのドキュメント担当者からのメール配信や社内のアプリ共有、クラウドでの情報共有などツールは一式そろっている。私が若手だったころの全部自分でメールの発信から資料を出力しての押印回覧、関係者を集めての説明などのやり方から比べればずっと情報共有しやすくなっているはずなのだけれど、その頃以上に情報共有がうまくいっていないと今の職場を見ていると強く感じる。

ツールとルールがあっても伝わらない、それが情報だ。


結局のところ人は知りたい情報しか受取ろうとしない。私は、必要な情報がタイムリーに来ないと嘆く人は、本当はその情報を受け取りたくないのだと思っている。自分に関係ない理由で必要な情報が来ない、そのせいで物事がうまくいかない。それは自分のせいではないのだと。厳しいようだけれど、私には彼らの愚痴がそういう風に聞こえる。

情報が集まれば集まるほど、仕事が増える。だから、仕事ができる人に情報が集まってくる。そして仕事ができる人にどんどん仕事が集まる。仕事と情報とはほとんど同じで、情報がなければ仕事ができない。その人がその情報を受けとろうとし、実際に受け取るから情報が集まり、その結果仕事が増える。

芸能人の話や社内の噂はよく知っているのに、もっと大切な自分の仕事の情報が集められない、という人は仕事の情報を真剣に受け取ろうとしていないのだと思う。もっと厳しい言い方をすると、その人たちはその仕事に興味がないのだ。

情報を遠ざけることで、仕事を遠ざける人たち。情報を受け取るというのは、その仕事に一歩踏み込み、その仕事の当事者になるということだ。仕事の当事者になった瞬間から、その仕事の成否についての責任を負うことになる、実際の責任者が誰であろうと。

情報共有のためには、知ろうとする努力と知らせようとする努力の両方が必要だといつも実感しているけれど、どちらが重要かといえば、明らかに知ろうとする努力だろう。知ろうとしない人にはどのように仕組化して情報共有してもその情報は伝わらない。

仕事の情報を知ろうとする人は仕事に一歩踏み込む人。
一歩踏み込む人と踏み込まない理由をつくって、愚痴を言ったり、自分が当事者になるべき仕事を遠巻きに見る人。

どちらの仕事の仕方を選んでもよいと私は思う。それはその人の働き方、生き方のスタイルだから。今は自分から仕事を増やして働くほど残業もできないという現実もある。

それでも私は思う。

一歩踏み込むことでしか得られない仕事の経験こそが自分を成長されてくれると。せっかく自分の人生をかけて仕事をするのであれば、それを自分の成長につなげたい。そう思って私は仕事をしてきたし、今もそうだ。


時間と人生は同じものだ。
せっかく人生をかけて働くのなら、その仕事から少しでも多くの成長をしてほしいと、私は思う。




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