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能登のお祭 「キリコ祭り」の今を調べてみました!

マツリズムインターン生で、秋田大学教育文化学部地域文化学科に所属しています船木楓大です。今回は、能登半島広域に伝わっている伝統的な行事である「キリコ祭り」についてご紹介します。能登の文化に興味のある方やマツリズムの仕事に興味のある方は、ぜひお読みください!


本題の前に…

「そもそもマツリズムって何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単にご説明させていただきます。マツリズムとは「祭りの力で人と町を元気に」をビジョンに掲げて活動している一般社団法人で、後継者不足問題を抱える地方のお祭りと都会の若者や外国人を結ぶことで、祭りの次代への継承と地域活性化を試みるツーリズム ”Ma-tourism” の事業を中心に、祭の楽しさと本質を伝えたり、祭の担い手支援の活動をしています。私も地域活性化活動をしていきたいという思いがあり、4月からインターンさせていただいております! 

マツリズムの代表である大原さんが祭りや地域に対する熱い思いを持っていることもあって、たくさんの刺激を受けており、私も地域に貢献したいという思いが強くなっています。

このような地域に対する熱い思いを持つ者として、能登のお祭りである「キリコ祭り」について調べたのでPRしていきたいと思います!

能登半島のお祭り-キリコ祭り-

「能登」は石川県北部に位置する地域で、輪島塗や珠洲焼などと有名なモノも多い地域です。また、能登は『祭りの国』とされており、「青柏祭の曳山行事(でか山)」や「アマメハギ」、「黒島天領祭」など多くのお祭り・行事がある地域です。

2022年に開催された青柏祭の様子

その中でも目を引くのが「キリコ祭り」という灯篭神事です。

「キリコ祭り」は江戸時代から続く行事とされ、時が経つにつれて能登地域に広く伝播したそうです。その影響か、現在でも200のキリコ祭りがあるとされています。

「キリコ」とは「切子灯篭」の略称で、その名前から推察できるように祭りのメインタイムは「夜」になります。氏子たちが灯りのともったキリコを担いで練りまわる姿は、たいへん勇ましいです!

2023年に開催されたあばれ祭の様子

多くのキリコ祭りが7月から10月の期間に開催されるので、この時期に能登を訪れたらキリコ祭りに出会えるかもしれません!

また、お祭りの魅力はキリコだけではありません。キリコと共に巡行される御神輿や笛・太鼓・鉦によって奏でられるお囃子に独特の掛け声が合わさることで、キリコ祭りは盛り上がりを増していきます!

そして、キリコ祭りの重要なポイントとして「地域コミュニティ発展の役割」があります!キリコ祭りにはたいへん多くの地域住民が参加して、全員でハレの日を祝います。地域の仲間が一体となってキリコ祭りを盛り上げる姿はたいへん感動的であり、観衆の人々もキリコ祭りの魅力に取り込まれていきます…!

キリコ祭りに興味を持った方は、ぜひこちらサイトをご覧ください!
日本遺産「灯り舞う半島 能登 〜熱狂のキリコ祭り〜」能登のキリコ祭り (notokiriko.ishikawa.jp)


能登半島地震の発生

2024年1月1日、1年のはじまりというめでたい日でありましたが、能登に悲劇が見舞われました…。

能登半島地震です。

最大震度は7と大規模な地震であり、能登地方を中心に津波や液状化現象などの被害も発生しました。
元日からこのような甚大な被害が発生したことで、社会にも大きな衝撃が走りました。

そして、地震の被害は「キリコ祭り」にも及びました。

珠洲市の「宝立七夕キリコまつり」では、津波によってキリコが流されてしまいました。

能登町で開催される「あばれ祭」では、キリコの材料を作る製材所と神輿を製作する工務店が地震や津波によって、建物や仕事道具が壊されてしまいました。

能登半島地震は「祭りの国:能登」の方々の誇りを奪ってしまったのでしょうか?いえ、能登の皆さんはそれを失うことはありませんでした!

震災に負けずに…!

能登の皆さんは、震災の影響で祭り用具などにも被害がある状況とはいえ、祭りを開催することを諦めなかったのです。

能登町の「あばれ祭」では、被害を受けたキリコ製作会社の復旧のために、費用をクラウドファンディングで募っており、お祭り開催に向けて活動しています。
350年続く能登町の灯を地震で消さない!おーいわっちゃ、今年もやっぞ、あばれ祭!|マクアケ - アタラシイものや体験の応援購入サービス (makuake.com))

七尾市の「能登島向田の火祭」では、震災からの復興や祭りの継承のためにお祭りを開催することが決定されました。
大松明、復興の灯に  能登島で7月、向田の火祭開催決定  「こんな時だからこそ」望む声(北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ) - Yahoo!ニュース

珠洲市の「宝立七夕キリコまつり」では、地震・津波の影響で流されてしまったり壊滅したキリコを修復させるために、クラウドファンディングを実施しています。
能登半島地震:壊滅した宝立七夕キリコ祭りを復活させたい!(特定非営利活動法人日本リザルツ 2024/02/23 公開) - クラウドファンディング READYFOR

輪島市の「輪島大祭」では、重蔵神社の禰宜の方が生活できる場所の復活だけでなく、地域の伝統文化や地域の結びつきの復活のため、お祭り復興を目指したクラファンを実施しています。
能登半島地震|輪島の心、伝統を守りたい。曳山祭・キリコ祭の復興へ(重蔵神社 2024/04/05 公開) - クラウドファンディング READYFOR

祭の中止を決めた地域も多くありますが、能登の方々は震災の被害に負けることなく、お祭りを開催しようと活動されてます。

※以下のスプレッドシートでは、公開情報を基に主なキリコ祭りの開催状況などをまとめています。ご参考にご覧ください。
【公開】キリコ祭り-2024開催情報_240503更新. - Google スプレッドシート

※5月3日追記
あばれ祭・石崎奉燈祭・寺家キリコ祭りに関して新たなクラウドファンディングが確認されました!
[あばれ祭]
倒木した樹齢の200年の御神木をお分けし、酒垂神社の再建と、能登の復興へ! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)
能登半島地震で鳥居が全壊。神社の鳥居を復活させて、祭りの誇りと絆を取り戻したい。 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)
[石崎奉燈祭]
【石崎町復興CFプロジェクト】(石崎町西2区青壮年会 2024/05/02 公開) - クラウドファンディング READYFOR
[寺家キリコ祭り]
「須須(すず)神社の再建」と、それを核とした奥能登の「地域づくり」に支援を - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)


最後に

今回は、能登のお祭り「キリコ祭り」についてご紹介しました。
キリコ祭りは能登の夏を彩り、地元の人々も熱く燃え上がるお祭りです!

確かに、震災後にお祭りを開催するのは「不謹慎だ」、「自粛すべきだ」と感じる方もいるかと思います。しかし、キリコ祭りは能登の地域のつながりを強くしてきました。キリコ祭りがあるからこそ、少しでも早く復興しようと活動している面もあるかもしれません。

東日本大震災後の復興を願ったお祭りの開催を経て、震災前よりも結びつきが強くなった地域もあります。このような時にお祭りに向けて力を合わせて動くことで、地域の絆や愛情を醸成することが出来るのではないでしょうか。

2023年に開催された石崎奉燈祭の様子

キリコ祭りは能登の誇り。そして心の復興にも貢献してくれると思います!祭の力で、能登を、日本を元気にしていきましょう!

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