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20230903 コミュ障が学会大会発表をのりきる方法

 タイトルで「コミュ障が学会大会発表をのりきる方法」なんて書いておきながらいきなりちゃぶ台をひっくり返しますが、基本的に学会の大会は専門家の集まりなので、意義のあるちゃんとした価値ある研究ができてさえいれば、どれだけコミュ障で「おふっ…ぐふっ…」とか言えない発表であってもスライドかポスターがまともであれば伝わると思います。
 というか、私の身近な知り合いで「人と接するのに興味ないけど研究はすごい人」は大会発表などはほぼせず論文投稿だけして業績積み上げている人が多いので、極論を言えば「コミュ障なら大会で発表せずに論文投稿だけしておけばよい」のだと思います。
 このあたり、業績としての価値が「論文掲載>>>>>大会発表」である心理学系ならではの事情である可能性もあって、大会発表にかなりの価値があったり、大会発表したものしか論文投稿できない学会に私も所属していたこともあるので、これは分野によるとも思いますが。

 ただまあこうした「論文さえ書いておけばOK」というのは強者の論理というか勝者の論理というか、現在精力的に活動されていて「ちゃんとした価値ある研究ができている人」だからいえることであり、それができていない人にとっては「でも…でもだって」と言いたくなる面もあるのですよね。

 そのうち、私のようにもともとなかった研究能力が老化によりつるべ落とし的に劣化してまともな研究ができなくなってこうしてNOTEで昔語りしかできなくなった老害に対しては「Publish or Perish砲」で焼き尽くしてくださって結構なのですが、研究を始めたばかりのM生などで、「いきなり論文投稿は無理」「審査結果出るまでにMの期間終わってしまう…。」「しかし奨学金の関係などで何かしらの業績などは欲しい。」という人の場合、「大会発表で少しでも業績的なものを確保しておきたい。」という要求は確かにあるのではと思います。
 そういう状況で、「将来はちゃんとした価値ある研究ができるようになる人だけど、今はまだ不十分な研究結果を携えるしかないまま人生初の大会に参加することになりどきどきしている人」などもいると思いますので、そういう人が「大けがをせず大会発表を無難に逃げ切る術」について書いてみようと思います。

【ポスター発表編】

 心理系の学会のポスター発表の場合、発表時間10~12時(前半10~11時、後半11時~12時)みたいな感じで2~3時間の発表時間の前半後半のどちらかに割り振られており、割り振られた時間にポスターの前にいることを会場係に確認してもらうことで発表したと認められます。
 基本的に価値のある研究をしていると、関心を持ってくれた人が次々質問に来てくれて、しかも質問も有意義なものを時間をかけてしてくださるのであっという間に時間は過ぎ去ります。そして受け取ったいっぱいのお名刺が報酬となってさらなる研究にまい進することができると思います。
 しかし、①M生とかでまだ無名、②研究内容が不十分、③研究内容と大会参加者の関心がずれている、などの場合、だれも質問に来てもらえずぽつねんとポスターの前で孤独に立っている姿をいっぱいの参加者の前でさらし続ける公開処刑の時間が2~3時間続くことになります…何たる拷問!ではどうすればそのような孤独に耐えられるかを書いてみたいと思います。

【在籍責任時間が後半の場合】
 この場合、前半は在籍する必要がないので、さっさとポスターを貼り終えて、空きスペースにA4用紙1枚物のハンドアウト入れを用意して貼り付けましょう。
 この「A4用紙1枚物のハンドアウト」って大会HPみればPDFダウンロードできるからいらないだろうと思われがちですが、「出張して会場にちゃんといた証拠になる」などの理由もあり、おそらく現代でも意外なほどもらってもらえると思います(最近実践したことないのでわかりませんが)。作成される場合はメールアドレスやSNSアカウントなども入れた方がよいと思います。
 それが終われば隣で発表される方に軽く挨拶をして顔や所属を確認しあい、不在時に荷物を見あえるような関係を作っておきます。
 隣の人が自分同様「あまりお客さんこなそう…」に思えて、かつ会場全体が閑散としている場合は、「隣り合ったよしみで少し研究について教えてくれませんか?」とか言って話しかけてしまうのが良いと思います。こうしておけば、後半自分が孤独に立っているときにその人が声をかけてくれる可能性も増えると思います。
 ただ、だいたいの場合お隣さんの研究はすごく、自分が話しかける必要もないほど輝いているので、軽い挨拶のみすませば「お水買いに行かねば。」とかいってその場を去ることになります。
 その後、休憩所で「お、大会だというのに返事しなきゃいけないメールがある。」と少し小芝居してパソコン作業に逃げてもよいのですが、やはり開始して少しすると、遠目に自分のポスターが確認できる場所にたたずみながらしばらくの間「自分のポスターに関心を示している人がいるか」を探ることにします。
 ここでしばらくみていて全然誰も関心を示してくれず、荷物を確認しに来たていでハンドアウトの減り具合をみても全然減っていなない場合、「私と関心が近い人がいなかったな。」と外的に帰属してあとはもう休憩室にこもってもよいような気がします。
 それでも無慈悲に後半がきて在籍しないといけなくなってからですが、基本的にはポスターの前で耐え忍んで立っていると、誰かしらが横切るので、たとえそれが横のポスターに関心のある人でも「説明しましょうか?」と言って話しかければまあ話は聞いてくれて何かしら反応をしてくれるので「なんとか1人ゲット」と思えばいい気がします。
 特に最近は「学部生は無料!1000円!」とかで安価で参加できるようにしてくれている学会も多く、その場合「ポスター全部聞いてみよう!」みたいな感じで参加している学部生もいるので、そのような若者に話しかけるとだいたい丁寧に相手してもらえることが多いです。

【在籍責任時間が前半の場合】

 私が一番苦手なのがこれですね~特に午前の前半などは、「1日目:その日に来る人が多いので客少ない」「2日目:前日の飲み会でつぶれている人が多くい人少ない」「3日目:最終日でチェックアウトした人が来るので意外と人はいるがそれも後半で前半は人少ない」状態で参加者自体が少ないので。後半なら「お昼を誰かと食べるために午前の遅めにポスター会場に来て知り合いとくっちゃべっている人」が増えてきて、その人たちが話しかけてくれることも多いですが。
 そのため、あまりに閑散としている場合、プログラムで後半に発表があたっている知己がいないかを探し、その人のポスター貼りを手伝いに行った際に「客がこないのでうちにきてね」と声をかけておいてサクラを依頼しておきます。
 そうしてサクラとして来てくれた場合、その人自身に説明すれば何かしらご意見いただけますし、またそうしてサクラと話していると結構興味を持ってのぞき込んでくれることもあるので、その場合はサクラをけちらしてその人に説明するのが一番だと思います。
 まあでもそんな感じでいろんな努力をしてもお客さんゼロで終わることもあり、その場合は「これはもう今回の発表内容がだめだったのだから仕方ない。反省するために学んで帰るぞ」と思うしかないと思います。あと、別に誰からも質問されていない人を見ても他の人は何も思わないので、変に気にしないのが一番ではないかと。

【番外編:人気のある共同研究の横になった場合】

 10名以上の共同研究者での発表だけどポスターは1枚だけという場合、まれにそこにすごい人数集まって自分のポスター前に立っていられない状況になることがあります。そこに次々とあいさつに共同研究者が現れ、その先輩後輩師匠弟子などの関係筋が現れて活発に議論がなされる様をみていると、いつもは壁に配置されるのにたまたま島に配置された人気サークルの横で全然売れない同人誌の上に荷物おかれてみじめさをかみしめるサークルみたいな気分を味わうかもしれませんが、って、同人誌文化は好きですがコミケなど参加したことのない人間が想像で例えてみましたがまあ外れていないのではと。
 でもまあそういう時はだいたいその反対側の横の方が同情してくれるものなので、その人とお話すればだいたい結果として楽しめるものになるのではと思います。

 って、口頭発表編を書かずにポスターについて駄文を書き連ねていたらすでにA4用紙3枚分になってしまいました!!!こんな駄文を書くのに時間を費やして研究自体に時間を取らないから大会で恥をかくのだと反省して、今から少しでも恥をかく可能性を減少させるためにポスター原稿のブラッシュアップをすることにします!

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