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20240813 神戸市の高校生のバス通学定期無料化への不安

※書き終えた後で通学定期の無料化の範囲がバスだけでなく電車も含むことに気づきました。しかし,電車に関しては基本的に「これまで電車を使っていなかった生徒が使うようになる」ということは少なく,かつ市バスのような「均一区間」の問題もありまあせんのでここの不安の原因にはつながりにくいと考えられます。そのため,以下の文章は「通学定期の無料化により神戸市内のバスに起きる混雑に対する不安」についての文章と思って読んでいただけると幸いです。



  神戸市が2024年の9月(2学期)から,市内の高校に通う高校生のバスの定期券代を全額負担するようになります。

【書誌情報】
神戸市 2024 高校生通学定期券の補助制度. 神戸市HP. (2024年8月13日閲覧)

 これは,お隣の明石市が子育てに優しいイメージが高まったり,大阪での高校無償化などが決定したりした中,神戸市としても子育て系で何かイメージアップしないといけないということで決定されたのだと思います。
 バスの定期の無料化というのは,基本的に「神戸市の予算を神戸市バスの儲けにつぎ込める」という視点でなかなかよいものではあるのですよね。医療費を無料にすると全国的な医療法人に吸収されて市に落ちるお金は少なくなるし,高校を無償化した場合県立高校は県のお金になるし私立高校は学校法人のお金になるので市に落ちる比率はより低くなると思います。
 しかし,バスの定期の場合,神戸市には神姫バスや阪急バスや阪神バスなども走ってはいますがやはり神戸市バスのシェアが圧倒的に高く,ほとんどは神戸市バスの定期代を払えば済むと思います。
 ということで,バス定期を無料化することによる市の財政への影響などについてはあまり不安はありません。では何に不安を感じているかというと「朝夕の通学時間の混雑が今よりすごいことになるのでは?」ということになります。
 これまでは「市内通学者で5か月で6万円を超える人にはその超過分の半分を補助」「市街通学者で年額14万4千円を超える場合はその超過分の半分を補助」というもので,それが無料になるとかなり助かる家庭が多いと思います。
 しかし,今回の改訂で「通学定期を全額補助」となった場合に何が起こるかというと「これまで定期を使っていなかった人たちが定期を使うようになる」と思います。
 神戸市の場合,市内の均一区間(現在210円,秋に230円に値上げ決定)のバスの定期は「乗車下車するバス停の名称などを書かない均一区間の定期」になります。神戸市の均一区間内であればどこでも何回でも乗れるので,私のように「自宅と最寄り駅の往復」と「職場と最寄り駅の往復」で1日に4回乗る必要がある人間にとってはそこそこ使いやすい仕様となっています。
 しかし,そのためか定期代はかなり高く,通勤6か月で47630円,通学でも40120円になっています。
 そのためおそらく現状では神戸市内の高校生の多くはバス通学をすることはせず,徒歩や自転車での通学をしていると思います。
 しかし,無償化になるのであれば,例え乗る場所が1停車場間であろうが定期を買ってもかまわないわけで,しかもそれで定期を無料でGETしておけば塾やバイトや遊びでバスに乗る際に無料で乗れるわけですから「神戸市内に住む高校生なら使うか使わないかは別として申請できる最大限のバス定期を確保する」ようになるのは当たり前だと思います。
 このあたり,高校が「あなたは自転車通学範囲ですから定期申請は却下します」とかするのであれば無理だと思いますが,保護者からバス通学を求められた際に断るに足る理由もみあたらないので生徒やその保護者が求めた場合は定期の購入を認めるしかないと思います。
 また,「自転車通学とバス通学のどちらを選ぶか」と言われると機動力や自由度の高い自転車を選ぶ生徒も多いかもしれませんが,「徒歩とバス通学どちらを選ぶか」というと全員「バス通学を選択し歩きたいときは歩く」になると思います。
 神戸の高校は山の上にあることが多く正直バスに乗りたいきつさががある高校は多いのですが「バス乗らないならお小遣いにしてもいいよ」みたいに親に言われたりする感じで歩いて通っている生徒が多いと思います。しかし無料化になるのであればそういう生徒は全員「一応定期は確保しておく」ことになると思います。で,水が低きに流れるようにバス通学の楽さを体験してしまうと歩くことが減ってバス通学ばかりになっていくのだと思います。
 そうなると…多分ですがこの9月から通学の時間のバスの混雑はものすごいことになると思うのですがどうなのかなあと。
 

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