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この10年間の「恋愛市場」を”軽く”振り返る

コロナ禍の中、世の恋人たちはどう過ごしているのでしょうか。

オンラインで二人の時間を楽しむ「ZOOMデート」や「オンラインゲーム」などが人気だそうで、なんだかんだ楽しく過ごしているカップルも多そうですね。

最近お仕事の中で、結婚相談所を運営されている企業の方とお話する機会があるのですが、今後は「オンラインで完結する仕組み」を整備していきたいとおっしゃっていました。

今後はますます「恋愛・婚活市場のオンライン化」が進むかもしれませんね。

そこで本稿ではとくに恋愛・婚活市場にめちゃ詳しいというわけではない私が一般ユーザーとして概況を俯瞰した時、「10年間でここが変わった気がする2大トピック」に思い当たったので紹介します。

以下の2つが大きなトピックではないでしょうか。

1.マッチングアプリ・街コン等の増加による恋愛のインスタント化
2.恋愛リアリティーショーの流行・過度なエンタメ化

1つずつ見ていきます。

1.マッチングアプリによる恋愛のインスタント化

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この10年間で大きく変わったことの1つにスマホの普及とそれに伴う通信技術の向上が挙げられるのではないでしょうか?

このIT革新の影響は「マッチングアプリの誕生」という形で恋愛市場にも波及しました。

このマッチングアプリの台頭で数千年の間、お節介おばさんが行なっていたマッチング機能の多くを代替することに成功しました。

今ではビッグデータの活用や傾向分析等を用いることで、シンプルなUIを持ったプラットフォームが効率的で快適な恋愛のお手伝いをしてくれています。

「右にスワイプしたり、左にスワイプしたり」の動作で数分の間に何百人という人間を評価する仕組みはSF小説の世界とあまり変わらないため少し怖いような気もしますが、自分の人生で決して出会うはずのなかった人間と出会えるというのは少なからずポジティブなポイントではないでしょうか。

少なくともこのポイントだけで言えばお節介おばさんを超えています。

ですがこの便利な仕組みが若者に浸透してくることによって、かえって恋愛当事者達を不幸にしている側面もあると思います。

その例の1つこそが「恋愛のインスタント化」です。

「出会う」という今まで一番時間のかかっていた行程が全て片手で、なおかつ隙間時間に行えるようになってしまったために出会いは「質を上げる」ものから「量をこなす」ものになっている気がします。

まさに恋愛というある種手間になっていた多くの部分、たとえば「相手に恋人や思いびとはいるのか」や「自分に脈があるのか」を考えることが、「恋活」という言葉とともにお手軽なものへと変化したのです。

このインスタント化が進んだことで、男も女も1つの恋愛試行回数が増えたものの、感情的な繋がりは希薄なものになってしまい時には当事者に不幸な結果をもたらします。

「悪者になりたくない男」も増えましたね。

【マッチングアプリで出会った男の別れる直前の態度】
・LINEの返信が素っ気なくなる。
・突然「距離を置こう」と言って一方的に閉ざされる。
・デートの誘いにのらない上に代替案も出さない。
・トラブルが起きても自分の責任があるようには言わない。
・何かと謝ってくる。
(※周りの女の子たちの言葉より引用)

随分と適当な男が増えたのではないでしょうか。

この行動の根源は「面倒臭い」「責任から逃れたい」と訳しても問題ないかもしれませんね。彼女側から別れ話を切り出されるのを待っているような気もします。

無論このような男の存在は今に始まったわけではないですが、恋愛のインスタント化が図られた現代では1恋愛の質が落ちているためにこのようなことも多く発生しているのではないでしょうか。

2.恋愛リアリティーショーの流行・エンタメ化

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「恋愛」と「興行」は昔から切っても切り離せない関係です。

おとぎ話にも恋愛の創作は数々ありますし、歌舞伎や演劇、映画にいたるまで恋愛というコンテンツは誰もが共感できる便利な題材ですので無理もありません。

そしてこの恋愛を題材にした興行作品は現代でも変わらず愛されてますよね。

とりわけこの10年は恋愛リアリティーショーが多く作れられました。

この潮流自体は00年代から「あいのり」や「テラスハウス」に代表される作品に始まったわけですが、

それらの2大作品の登場をきっかけとして、今では「恋んとす」「バチェラー」「狼くんには騙されない」のような恋愛模様を描きつつ、ゲーム性を付加することでさらにエンタメ性を高めたものが増えました。

このことは若い男女を恋愛に駆り立てる1つのトリガーを果たしている一方で、このような作品が支持されている状況が、現代の若い男女たちに「必ず幸せな恋愛をしなければならない」といったような強迫観念じみたものを迫っているような気がするのは私だけでしょうか。

もちろん幸せな恋愛のためにお互いに努力はする必要があるのは昔から変わらないのですが、現代にはそれがよりシビアになり、なんなら付き合う前の段階から、「こうあるべき」といったような気持ちに雁字搦めにされているとさえ思えます。

かえって若者の「恋愛離れ」を加速させている要因になってはいないでしょうか?

まとめ:「質」の時代

以上10年間で変わった恋愛市場の概況の2大トピックを簡単に考えてみました。

まとめたものが以下になります。

「恋愛のインスタント化」によって恋愛の数は増やすことには成功しているが、まだまだ「質」を高められていないということ。

それから「恋愛の過度なエンタメ化」によって、理想的とされるステレオタイプな恋愛の「質」が際限なく高まっているということ。

この2つを踏まえると今後恋愛市場を取り巻くキーワードとなってくるのは「」です。

恋愛 の究極的な目標は「一人のときよりも二人の時の方が多くの場面で幸せであり価値を最大化する状況を作り出す」ということにあるわけです。

そのために今後市場では現実に即した量と質のバランスを考えた恋愛をするための仕組みが構築されていくのないでしょうか?

※以前別の「織田倫太郎アカウント(削除済)」で投稿した記事をリライトしております。

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