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「いい上司」ってなんだ。

当然ながら、管理職と一般職では給与が違う。違って当然だ。個人の成果さえ追えばよい一般職と違い、管理職はチームの数字を見なければならない。部下を育てなければならない。

先日、隣の部署(私の部署とは業務内容が違う)のマネージャーと、2人で少し話す機会があった。

隣の部署は全国的に見て成績が良い。たいてい平均より上を走っている。しかし、かつての黄金期・・・前マネージャー(今は退職)の頃の、全国トップを争っていた頃を知っているので、その頃に比べると物足りなさは、ある。隣で見ていて思うに、行動数が少なかった。マネージャーが「〇〇していきましょう!」と指示しても、やらない子もいたし、また、マネージャーはそれを見逃してもいた。もっと動けばもっと数字が取れるのになぁ、と私は密かに思っていた。

「辞めずに気持ちよく仕事をしてもらえればそれで良いんです。昔の上司(前マネージャー)みたいに厳しくやっても、引かれるだけですし、幸い成績もまあまあ良いので。今の若い子は、叱って育てる時代ではないですし、辞められるのが一番怖い」

ーーそうですよね。一緒に働くメンバーが退職していくのは辛いですよね。

「本当は、もっとモチベーションを上げてくれたらとは思うんです。でもモチベーションってお金でしょ?メンバーの多くが、今の給与に不満があるのは知っています。じゃあ給与を上げましょう、としたいのですが、権限は自分にはないので。管理職の椅子も限られていますから、せめて働きやすく、気持ちよく仕事をしてもらいたくて」

何か結論を出す訳でもなく、そこで会話は終わった。

管理職として、気持ちよく部下に働いてもらうように努める。最初に聞いたときは、メンバーを大事にしているいいマネージャーだな、と思った。しかし、段々「それって本当に『いい上司』だろうか」と疑問がもたげてきた。

穿った見方をすれば、このマネージャーの部下は、今後ずっとそこそこのモチベーションでしか働かない。給与もそこそこしか上がっていかない。しかし、居心地がよく退職はしない。転職をしようとしても職務経歴書に「全国トップ」とか華やかな事が書けないだけではなく、面接でアツイ話が出来ない。しかし、既に管理職のポジションにいるマネージャーは、そこそこ評価され続ける・・・そこそこ評価さえされ続けば、自分のポジションは安泰。これが果たして本当に「いい上司」なのだろうか。部下を都合よく飼い殺しているのではないか、と。

とはいえ、マネージャーに悪気は一切ないだろう。「飼い殺し説」はあくまでひねくれた私の一考でしかない。しかしながら、本気で部下を思うなら、部下が上のポジションを目指せるように、それこそ給与不満だというのなら、多くの報酬を得られるように育てるべきではないか、と思った。

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