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もしもさくっと退職できる社会になったら、

人材会社に勤めています。相談に来られる方は、迷いながらもある程度、転職する心づもりでいらっしゃいますが、ネットなどでの仕事の愚痴についての書き込みでは「今の仕事を辞めたいけど辞められない」方をよくお見掛けします。理由としてよく挙げられるのが、お金の問題です。しかしながら、それは本質ではありません。辞めて次の就職先が見つかるのか、そして、その場合の生活費をどうしよう・・・というのが心配の本質です。

確かに、今の日本の就職は新卒採用至上主義で、転職するにも、年齢は若い方が、転職回数が少ない方が好まれます。若手を自社の色に染めて育てたがるところがあるようです。

理由の1つは間違いなく労働基準法でしょう。今の法律では労働者を守るため、簡単に辞めさせられないようになっています。「お前はクビだー!!」なんて、そんな簡単に出来ないのです。

そこで、極論かもしれませんが、もしもさくっと退職がさせられる・退職できる社会になったらどうなのだろう、と夢想してみます。一見、ヤバそうな話ですが、「経験がない人は入れるのが怖い」と嫌煙されがちな、本気の業界・業種未経験者へチャンスが増えるかもしれません。「本当に病気は治っているの?またすぐ休職になるんじゃないの?」と懸念されがちな、病気療養で休んでいた方の社会復帰のハードルが低くなるかもしれません。「旦那さんが転勤族で、30代で転職回数5回か。うちは30代では3回が限度でね。そもそもまた異動するかもしれないし・・・」と足切りルールを設けている会社も「まぁ、退職は今時当たり前ですからね。そこは気にしていません」となるかもしれません。「この仕事、自分には合わないかも。なんか毎日が鬱・・・」とモチベーションが悪くなっている会社員は「まぁ、よくある話だし、辞めちゃえ☆」とライトに退職を決意し、仕事を変えてモチベーション高く仕事ができるようになり、人生が楽しくかもしれません。逆に経営者側は、辞められたら困る社員へ待遇を手厚くするかもしれません。会社にぶら下がっている生産性のない社員にはさくっと御退職を願えるかもしれません。

そんな風になると、「新卒は即戦力人材ではないから、職を転々としてキャリアを積めなくなるのでは」説を唱える人も出てくるかもしれませんが、経験が必要な医療系人材であったり、職人といった仕事については、やはりイチから人を育てるでしょう。そもそも日本は人口減少の一途で、人手不足なのですから。高度な専門職まではなくても「本当は〇〇のスキルを持つ即戦力人材が欲しいけれど、そんな人はいないから、経験がない人でも意欲があれば育てよう」となれば良いですよね。

私の夢想は夢想であっても、近い将来、単純業務だけに限らず、多くの仕事がAIに奪われると言われている事実はあります。望まざると自分の仕事がなくなる日がくるかもしれません。そんな時に、年齢や転職回数がハードルになるのではなく、ジョブチェンジできる柔軟な社会であって欲しいと思うのです。



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