コンサルタントに求められる基礎力

みなさま、おはようございます。

今日は、橋本徹さんの“実行力”を拝読して学んだことを紹介したいと思います。

政治には疎いのですが、ネットやメディアで見る橋本徹さんの“軸がブレない”姿に対して、カッコいいなと以前から感じていました。

本書ではコンサルタントについてあまり良く書かれておらず、コンサルタントを目指して“中小企業診断士”の2次試験の結果を待つ私にとっては、著書に出てくるコンサルタントを反面教師として読むことができたので、学びの多い1冊でした。

その中で3点に絞って紹介します。

【その1】課題発見、問題解決能力の鍛え方とは?
コンサルタントに限らず、社会人にとって、課題発見、問題解決能力は鍛えたいものですよね。その鍛え方について、本書ではこう書かれていました。

例えば新聞を読むときに、情報収集や知識を増やすことだけを目的とするだけでなく、

 ーこの記事の論点は?
 ー課題は?
 ー問題解決のプロセスは?

といったことを考えることを通して“持論”を頭の中で構築する。こうした頭の体操を継続することで、人が気付かない物事が見えてくる。

まさに私がネットニュースを見るときは、“情報収集”が目的となっていたなと気が付かされました。
ちなみに、今でも橋本徹さんは、新聞5紙を毎日読んで、上記のことを行っているようです。

【その2】トップ(経営者)が欲しい資料とは?
トップ(経営者)は、解決しなくてはならない課題を多く抱えており、一つ一つの案件に使うことができる時間は限られています。そんな中、部下やコンサルタントが膨大な資料をもって説明に来たらどう思うでしょうか。それをしっかり読みこんで判断していたら、いくら時間があっても足りませんし、他の課題に手を付けることができません。
経営者は“パッとみて判断できる”、つまり“経営の意思決定”が下しやすい資料が欲しいのです。


そのためには、

① 原則A3用紙1枚で資料を作る
場合によっては、どうしても資料の枚数が増えることはあるでしょうが、時間が限られている経営者にとって、“ぜい肉”をそぎ落とした資料を見てもらうべきと考えます。
例えば、経緯や背景など口頭で完結に説明できるものは資料から省いてしまう等です。

② 最低3つの案を立案し、それぞれを定量・定性評価したうえで“比較優位”で示す
1つの案のメリットデメリットだけ示されても、その案を採用するかどうか、経営者は判断できません。意思決定するためには比較対象が必要です。
そのために、
・自分で考える案
・その真逆の案
・それらの中間の案
について定量・定性評価で示す必要があります。

③ 立案にあたって、“部分最適”ではなく“全体最適”という視点で検討する。
トップ(経営者)は会社全体を見ています。一部の部署の利益をとって、他部署へ悪影響となり、会社全体として不利益になるようなことは当然行いません。

思い返せば、私も自部門や関係者の目線だけで考えた企画書を作って、その後他部門との調整に苦労したこともありました…。
自部門だけでなく、経営者目線になって、会社全体や他部門のことを考慮した視点が大切です。


【その3】ビジョンと実行プランはワンセット
本書で一番、橋本徹さんが熱をこめて伝えたかったのは、この部分だと感じました。
本書では、
「コンサルタントが役所や企業に対して戦略を提言してもほとんど役に立たないのは、組織を動かすための実行プランや実行プロセスがまったく考えられていないため」

「コンサルタントが提言しているようなレベルのことは、役所の中ではとっくに十分議論している」

と書かれていました。つまり、コンサルタントに求められている力の一つは、“実行プランやプロセス”を組み立てて実行に移す力ということです。
ビジョンと実行プランを家の建築に例えると、


ビジョン =完成予想図
実行プラン=詳細設計図面

といった感じです。どんなに素敵な完成予想図があったとしても、設計図面がないと家を建てることができません。
実行プランについて、本書では一例として橋本さんがM&Aを経験されたときのことを踏まえて、

M&Aにおいて、実行プランは「組織体制」であり、それは単なる組織図ではなく、各部署の権限、人事、財務など組織が動くためのあらゆる事項について協議し文書化すること。

と書かれていました。


【おわりに】

コンサルタントに求められる力は他にも多々あると思いますが、本書に書かれているものはすべて、コンサルタントにおける基礎体力の部分だと思います。

大阪府知事や市長を経験された橋本さんの、”推進力の源”や”テクニック”を存分に学ぶことができる一冊でした。
ご興味のある方はぜひ読んでみてください!

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