【実践例②】カナダで学んだ「新出語彙の導入方法」スピーキング教材(やりとり・発信型)紹介
下の表は、以前、私が実際に作っていた「失敗教材」。
別の記事で紹介したようこれではコミュニケーションの機会も生まず、生徒がこの語彙群を使える様になる可能性は極めて低い!
記事詳細はこちら→https://note.com/matsup_english/n/n2ccbca018f4c
そこで、今回はカナダ留学中にESLで僕が実際に受けた授業で使われていた教材を紹介します。
コチラです。
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何か気づかれましたか?
そうです!例文が全て質問なんです!
そのおかげで、生徒だったぼくたち留学生は「この意味なんだ?」の理解だけで終わらずに、答えを考える中でお互いに英語を使いながらコミュニケーションを楽しむことが出来ました!
さて、「これは使える!」とアイデアを丸パクリ!
そして、その考えを現在の勤務校用にアレンジしたのが、、、、
こちらです!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
コミュニケーションを伴う進出語彙の導入実践例
【導入にあたり4つのポイント】
英語は文で定着させるのが大切です。
つまり、「can =できる」といった「英単語と日本語の意味」だけのセットで覚える学習を授業においてもさせないことが大切です。
Why?
単語とその意味だけで覚えると、インプット(ReadingやListening)時の即効性はありますが、文の中で単語を定着させないため、用法が分からずアウトプット(SpeakingやWriting)で、その語を正しく使えない生徒や学習者が続出します。
日本語直訳で英文を作ることもしばしば。
ex) よくある間違いパターン
A) I can't math. (数学ができない。)
B) We can communication.(私たちはコミュニケーションができる。)
正しくは、A) I am not good at math.
B) We are good at communication.
We can communicate with each other.
We have good communication skills など
文で練習させることで、自然なコロケーションや、ターゲット語句の関連する語とともに記憶の定着に結びつき、アウトプットでも使えるようになります。
例文は質問文でやることをおすすめします。
WHY?
例文が質問文であれば、そのメインのゴールは「自分の意見や考えを伝える」こととなり、コミュニケーション活動になるからです!
そして、大切なのは、質問だったら良いわけではありません。
「生徒の考えにバリエーションが生まれ、より考える力を育むような質問を考えることが大切です!(←ここは僕も常に模索中!)
生徒により良い問いかけをすることが教師力の見せ所!
"Good teaching is more a giving of right questions than a giving of right answers." Josef Albers
「よい教えとは正しい答えを与えることよりも、正しい質問を与えることである。」
「みんな違ってみんないい」のマインド形成を強調しよう!
「1つしか解のない答え合わせ」などのように、人の持っている情報が同じであるとコミュニケーションの価値が生まれません。また、「正解」ばかりを求めると、「間違い」や「人と違う」ことを恐れるようになり、いつしか他人の視線を過度に気にしてしまうようになります。やがて、多くの生徒や学習者は「同じであること」や「正解」に安心を示します。
しかしながら、コミュニケーションに「正解」はありません。
持っている考えや情報が異なるからこそコミュニケーションの価値が生まれます。特に国際社会では価値観も異なり、一人ひとりがさまざまな考えを持っています。
クラスにおいても、意見のdiversity(多様性)を尊重することで、より良いコミュニケーション環境が作れ、生徒の活動が積極的になったり、多様性が生まれてきます。
また、自分の「個」が認められれば、他者の「個」を尊重できるようになるので生徒の心の成長にもつながります。
「今から外国人が原宿までの道を英語で尋ねてきます。英語で答えてください。それでは準備時間を2分あげますね。」
.......。
はたして、このような状況が日常で起こりうるでしょうか?
おそらくないでしょう。
英語を話さなければならない状況は突然起こります。トピックもさまざまで、毎回調べたり、メモに書いてスピーキングを行う機会というのは少ないでしょう。
どんな言語であろうと、会話では主に「即興性」が求められます。
「即興力」は「即興性」を求めるコミュニケーションの中で身に付きます。
「間違ってもいい、完璧じゃなくてもいい」という気持ちでまずは話してみましょう。
「単語を知らないから無理」とか「文法間違ってたら変な癖がつくじゃん」と言った声が聞こえてきそうですが、誰しも初めから正しい文法で、正しい言葉を使っていません。私の日本語も完璧ではありません。
現に私には3人の息子がいますが、間違えながらも言葉を使っていき、「補強」「修正」しながら上達してきました。
「意見を言おう!」→「〇〇ってどうやって英語で言う?」
そうなった時が、学習者にとって学びのポイントです。言葉を身につけたいというニーズが言語習得を促進するでしょう。言語習得においては「単語が足りない」「文法力が足りない」「発音を伸ばしたい」と思うこと自体が大切な過程なのです。
【私が実際に行う3つの使い方】
[パターン①] ペア(グループ)ワークで意見を聞き合う。(2min)
・生徒がリストから質問を選び、聞きたい質問をする。
・返答に対して相槌などのReactionを取ったり、
Follow-up Questionをするように促す。
[パターン②] ペアワークでリピートする。
Student A: 先生役
Student B: 生徒役
※生徒役は一切プリントを見ない=実際のコミュニケーションでよく起こりうる状況
→もし、聞き取れない場合、
生徒役にはSorry? Can you say that again?などを使わせる。
先生役も短いまとまりで区切ったり、相手のことを考えるように促す。(=コミュニケーション能力の向上につながる。)
[パターン③] クイックトランスレーション 日本語→英語
Student A: 日本語
Student B: 英語 (英文を見ない)
時間を決めて行うといいでしょう。僕は大体1分でやってます。
授業においては全部一気にやるのではなく、①→②→③と日によってトレーニングのバリエーションを変えると生徒にとっても刺激になります。
私の経験上、③からやると「覚えること」が中心になるので、生徒には苦痛となりがちです。
①の「コミュニケーション」や「考えること」自体に重きをおいた活動からやることをおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
さて、あなたは生徒にどんな「問いかけ」をしますか?
スピーキング教材[1]紹介(別記事はこちら💁♂️)↓↓↓↓↓↓
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