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23 ペンオタクのこだわり

今はタブレット端末だけで保険の加入や更新手続きが出来る時代だが、複写式の用紙にサインをする機会もたまにある。書類によっては黒の油性ボールペンを指定される場合もある。だから油性ボールペンは必ず持ち歩いている。
 
こう言っちゃ何だが私はペンオタクである。万年筆や鉛筆、そしてボールペンから製図用の芯ホルダーまで、とりあえずこだわりがある。書けりゃ良いじゃないかと言われればそれまでだが、特に仕事で客先へ行ったり会議の席などで、筆記具の良し悪しで相手の態度に影響を与える事だって出来るのだ。
 
NPOの活動で役所で打ち合わせをする機会が多いが、一度など私がクルクルと万年筆のキャップを外してメモを取り始めた瞬間にスッと場の空気が変わったのを感じた。契約の場などでサインを求めて差し出されたペンが重厚であれば、こちらの気持ちも変わる。ミーティングの相手がペリカンの万年筆などを使っていれば信用の出来る人だな、と思う。要所にしっかりとお金を使うことの出来る人である可能性が高いからだ。
 
さて、油性ボールペンの話だ。普通に事務作業や工場などの現場で使うならパイロットのアクロボールか三菱のジェットストリームの150円クラスのものが良い。低粘度インクでストレスが少ない。
ノック式は手軽で良いが、構造上、芯と軸の間に隙間が出来てカチャカチャ音がする場合がある。それが気になる人にはゼブラのブレンが良い。こちらは「エマルジョンインク」(油中水滴型インク)と言って油性と水性の混合インクだが、公式文書でも使える。ノック式のほかに回転繰り出し式というのがあるが、とっさのメモに対応するためにはノック式の方が良い。
 
性能だけで言えば日本製のペンが世界一である。ただ、デザインがイマイチなのだ。1,000円〜3,000円クラスでも、なぜか日本製はデザインがイケてない。そこで手段がある。
 
ボールペンのインクの規格の中に、G2規格というのがある。別名パーカータイプとも呼ばれる。世界共通規格である。このタイプのペンを使えば、海外製の優れたデザインの軸に精度の高い日本製のインクを入れる事が出来る。
 
日本製のG2規格インクでは、三菱のジェットストリームのものを使えば間違いは無い。銀座伊東屋からロメオと言うのも出ているが、使ってみたところ書き出しがダマになりやすい上に細字の設定がない。もともと書きやすさで名を馳せたジェットストリームであれば、0.38mm芯もありスケジュール帳への記入なども楽である。購入の際は「ジェットストリーム・プライム用のインク」と言わなければわからない文具店もあるので注意したい。
 
私の愛用ペンもパーカーのジョッターXLというスリムで軽快な印象の軸で、中身はジェットストリームの芯を入れて使っている。やはり精度の低い海外品なので、書けばカチャカチャと音がする。その場合は芯にセロハンテープをひと巻きしてやると音を防ぐことが出来る。

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