見出し画像

11 手帳ジプシーが辿り着いたスケジュール管理法

毎年9月も過ぎると文具店の店頭に来年のスケジュール帳や手帳が並び始める。次の手帳はどうしようかと迷う人も多いだろう。私も若い頃からずいぶんと手帳・スケジュール帳に迷い、様々な種類を試した。スケジュール帳は普通のカレンダーのような月間マンスリータイプのもの、1日ごとのスケジュールが組みやすい週間バーチカルタイプのものなど、カレンダーのフォーマットで区別されている場合が多い。どれを選ぶかは自分の好みで決めるのが良いのだろう。もちろんスマホで十分という人はそれで良いのかと思う。
 
それでも手帳選びには迷う。それは全体量が変化するデータと、変化しないデータが全体量を変更させる事のできない1冊の手帳に纏められてしまっている事も一因だ。12ヶ月のスケジュール帳のボリュームは変化しないが、自由に書き込むノート部分はデータ量がどんどん増えていく。そのまま使えば1年が終わらない内にノート部分が不足してしまう。その場合、同じものをもう1冊書い直すのだろうか?そんな事をする人は少ないだろう。ノートが一杯にならないように書きたい事を我慢するのも本末顛倒だ。ノート部分の多いものを選ぼうとすると種類が限られて来たりする。

手帳やスケジュール帳を買う時の気分として、「これさえあれば生活や仕事が何もかもうまく行きそうな気がする」感がある。もちろんGTDの稿でも述べた通り、良いスケジュール帳を買ったからと言って自分のタスク管理が上達するわけでもない。明るい未来が待っている訳でもない。生活や仕事をうまく回すものはツールではなく自分自身の習慣でありルーティーンだからだ。これもGTDの稿で述べた。つまりこの「要らぬ期待」と「ソリューション不全」が手帳選びを困難にしている。

なので私は5年ほど前からスケジュール帳をスプレッドシートで手作りしている。上記の理由で市販のものは殆ど使い物にならないし、自分の好みのカレンダータイプも既製品の中に探す事は出来なかったからだ。
まず基本は、スケジュール帳、ノート、日々のタスク管理は別々のノートでおこなうと言う事だ。1冊ですべてを賄おうとするのは間違いだ。システム手帳を使えば良いではないか、との意見もあろうが、システム手帳はスペースが狭くリングが邪魔で、そもそも最終的に団子のような得体のしれないリフィルの塊になってしまうあれを手帳と呼ぶべきかどうかも迷ってしまう。(10年前までは使っていた)

画像1


 
私がどうしているかと言うと、まず先のGTDで期日を決めた項目や予定は、自作のスケジュール帳に記載する。日々のアイデアやミーティングの内容はどこでも買える大学ノートに書く。タスクごとに翌日の時間割を書き込むのは気軽に持ち歩けるA5サイズ以下のノートやポケットに入るメモ帳に書き込む。
ノートやメモ帳は100円程度のものなので、使い切ればまた買えば良い。だから贅沢にどんどん使う。器に合わせて自分を小さくするなどと言う本末転倒を演じずに済む。
 
マルチな1冊を望んでしまう事が、手帳ジプシーに陥る要因のひとつだ。手帳メーカーは、そんな人間心理につけ込んでいるのでは無いかと深読みしたくなってしまう。本当に人の生活の役に立ちたいのであれば、タスク管理のスキームの一般化を進める事こそ大切なのではないかと常々思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?