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#手帳の魔力と道具の道

手帳には魔力がある。年末年始に「来年こそは」「今年こそは」との思いを込めて新しい手帳を購入した人はきっと多いはずだ。手帳には人に希望を抱かせる力がある。いや、「希望を抱かせてしまう」魔力があるのだ。SNSで文房具愛好家のグループに入っているので、手帳の魔力に魅入られてしまった人をたくさん見ている。手帳を愛好する人は大きく3つにタイプ分けすることが出来る。
 
ひとつめは自己表現型。毎日思いのままにページをデコレーションして、SNSなどで公開して楽しむタイプ。ふたつめは実務型。あくまでも実務の道具として、仕事や生活にマッチする手帳を探し続けるタイプ。モノにこだわらずに会社から支給されたものを坦々と使い続けたりするのも、このタイプの人たちだ。そしてみっつめは、思い込み型。手帳は続けなければいけないもので、続けられない私はダメな人間であると思い込んでいる。
 
自己表現型の人は思い思いに楽しめばよろしい。実務型の人にも問題は無い。問題は、思い込み型の人だ。このタイプの人のSNS投稿は決まっている。「今年こそは手帳を続ける」「手帳が続けられない」等、謎の義務感に取り憑かれてしまっているのが特徴だ。手帳に何かを記入することが目的化してしまっている。思わずこの人の生活が心配になってしまう。だからこそ依存的に手帳に何かを期待しすぎてしまったのだろうとも想像する。このタイプの人に必要なのは、手帳の使い方のノウハウではなく、依存的な思考パターンの修正なのだ。依存の対象が、たまたま手帳であったという事だ。
 
さて、そんな思い込み型の人にも手帳は役に立つかもしれない。バレットジャーナルをおこなうのだ。バレットジャーナルで日々のタスク管理をし、日々のタスクを見出すために月間予定を組み、月間予定を組むために1年、3年、5年先の自分を思い描く。今日できた事を確認して達成感を味わい、出来なかったことは、なぜ出来なかったのかを振り返り、本当にやるべき事であるならば明日へ繰り越す。日々の小さな達成感が自信となり自律的な思考パターンへ移行する手助けになるだろう。
 
私は文房具をはじめ、パソコンやスマホなどのガジェット好きでもある。道具を使う際にいつも心掛けている事は、「使われるな、使いこなせ」という事だ。道具は使い込んでナンボだ。もちろん手入れもするし大切にもする。しかし、キズが付き汚れてクシャクシャになっても、それは自分の道具である証しだ。海外のある高名なギタリストは、新しいギターを購入したときには、わざとベルトのバックルにギターを打ち付けてキズを付けるのだそうだ。「これで思いっきりプレイ出来る」と彼は言う。もう一度言っておこう。「使われるな、使いこなせ」。

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