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#アイコンとしての腕時計

腕時計はその人を象徴するツールとなり得る。タレントのケンドーコバヤシは腕時計通として知られるが、テレビ出演時にはほぼハミルトンのベンチュラを着用している。三角のおにぎり型のモデルだ。
報道ステーションの大越健介はグランドセイコーのクォーツモデルを着用している。磁気や電磁波に囲まれているテレビ局では腕時計に電磁波や磁気からの強固な遮蔽性が求められ、報道の現場ではなおかつ正確さも必要である。グランドセイコーのクォーツならこれらの条件を備えている。
長嶋一茂も腕時計好きで知られるが、最近はオーデマピゲのロイヤルオーク オフショア クロノグラフの着用シーンが多い。腕時計はその人のキャラクターを象徴するアイコンとなり得る。
 
さて、腕時計は映画の中でもアイコニックに使用されている。ケンドーコバヤシ愛用のハミルトン・ベンチュラは、映画『メン・イン・ブラック』でトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのキャラクターを強調するツールとして使用されていた。映画と腕時計と言えば、同じくハミルトンのカーキフィールド・マーフは外せない。クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』でメインキャラクターであるマーフが着用し、映画の中でキーとなる役割を果たした時計を、ハミルトン社が忠実に再現した。
『アポロ13』では地球へ帰還するための重要なツールとしてオメガのスピードマスターが使用された。オメガと言えば『007』でジェームズボンドが着用しているのがシーマスターだ。オメガ・シーマスターはボンド・ウォッチとも呼ばれて『007』のアイコンになっている。
ジェームズ・マンゴールド監督の『フォードvsフェラーリ』ではマット・デイモンがタグホイヤー(当時はまだ「ホイヤー社」)のカレラを着用している。時代考証に難があるとの声もある設定だが、ここでも時計が映画のアイコン的な役割を果たしている。並べ立てればキリがないほど、映画の中で象徴的に使われている時計は多い。自分の好きな映画で使われていたモデルを選んでみるのも、腕時計のひとつの楽しみ方かも知れない。
 
腕時計は、クロノグラフや3針、ダイバーズなどのタイプ別、そしてサイズや色、ベルトの種類などによって見る人に与える印象が変わる。自分の印象が腕時計によって左右されてしまう事は十分にあり得るのだ。基準となるのはあくまでも自らの「暮らし」だ。高価だから良いというものではない。暮らしにマッチする中で、人に与える印象も考慮するセンスが、よい腕時計選びへと繋がる。

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