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#32 渦中にて

これを書いている8月7日月曜日、奄美大島は台風6号の暴風域の中にある。予報では暴風域を抜けるのは9日水曜日の明け方になりそうだ。船便は1日火曜日から1週間途絶えていて、スーパーやコンビニの棚からは食料品がすっかり無くなってしまっている。台風の今後の進路を見ると、10日木曜日までは港に船は入りそうにない。私が島に越して来た頃、集落のオジイから「風の当たらん所に畑を作っておけよ」と言われたのは、こういった場合の食料確保のためであった。
 
奄美大島は大島というだけあって、デカい。島の中央には背骨のように山の稜線が走っていて、島を東と西に分けている。そのため台風の位置によって、島の東西で被害の受け方が違ってくる。今回の6号では、沖縄の南方を一旦西へ抜けてから東進して奄美へ接近して来た。そのため、台風が島の西側にあるうちは東側の太平洋岸に風が強く当たり、島の東側へ抜けてからは東シナ海側の地域に風が強く当たっている。しかしどうやら今回の台風はそれほどの突風はなく、風による被害よりも降雨による被害が多くなりそうだ。
 
いつもならこれだけ風雨が長引けば2〜3日の停電は覚悟するのだが、今回は4日金曜日に断続的に数分間の停電があったきりである。停電すると洗濯も出来ず温水も出ない。私などは冷水のシャワーでも良いのだが90になる義母を水につけるわけには行かない。心労が募る。今回はそれが無いだけでも非常に助かっている。これも島の暮らし、などと達観した事を言えるのは未だ大きな被害の報告が無いからで、これからどんな被害が出るかもわからない。引き続き注意が必要である。

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