19 レイコ姉の話
奄美大島にはユタ神様と呼ばれる霊能者がいて、昔から島では「病気になったらカミサマの所へ行け」と言われている。ユタ神様が行う事は、いわゆる霊視である。ユタ神様は昔は多くいた様だが、今は少なくなってしまった。そのひとりが、実は私の暮らす小湊集落にいる。年齢は80を過ぎたくらいで、特別な人といった雰囲気はなく普段は他の人と変わりのない生活をしている。時折、霊視を依頼する人が家に来ている様子だった。島では年長者を「兄さん、姉さん」とか「アニ・アネ」と呼ぶ習慣があり、私は彼女をレイコ姉