今日は 7つの海を越えて。Queen - Seven Seas of Rhye
今日は 7つの海を越えて。Queen - Seven Seas of Rhye
今日は、フレディ・マーキュリーが作詞作曲した Seven Seas of Rhye です。
(何を語り始めているんだ、わたしは…。。)
煌びやかなアルベジオで始まります。伸びやかで勢いのある歌曲。
「我、ここに降りたちたり。」といった感じ。
なんとなく、日本の古代神話のイザナギ、イザナミの物語も彷彿とさせます。
たぶん、イメージとしては、古代ギリシャ神話やローマ神話、アラビアンナイト(千夜一夜物語)、もっとさかのぼると古代のヘブライと呼ばれている中近東当たりの太古の物語を出典に歌詞の世界観が形づくられている。
この地域は文明と宗教の交差点であり坩堝です。
いまでは、残念ながら、最も紛争が絶えない対立が絶えない地域になっています。
その世界がもしも平和で文明を謳歌していたら、こんな感じ、ああ、平和っていいなー、豊かさっていいなー、と説得力をもって納得させてくれる、平和で前向きな世界観を、フレディ・マーキュリーが若者に向かって歌い上げる。
曲の冒頭は、印象的な美しいピアノのアルペジオ。
大きな帆船が7つの海を股にかけ、冒険の旅に出航し、大海原に向かって疾走し始める。
流線型の船に押しのけられ、海面の海水が流動的にうねり、波しぶきの飛沫が飛ぶ、その風景が目に浮かぶような美しいピアノのアルペジオです。
まさしく、出航のとき。At the time of departure です。
わたしも、小学校低学年の頃は、学校の本棚の隅に置かれた中世の世界のドラゴンの物語など、休み時間に読んで夢中になったクチですので、何となくその思い描くイメージとか、高揚感あふれる冒険気分が、わからないでは、ない。
まぁ、・・・わたしの場合、小学校低学年で終わってますけどね、
その「成りきる」やつ。
今の若い年代の人たちにとっては、ファンタジー小説やファンタジー映画、ファンタジーゲームが、この曲の歌詞のイメージと重なるかもしれない。
ただ、今、ファンタジー云々は、二次資料の複写のしかも解像度の悪いやつを、雑にトレーシングペーパーでなぞって、ワタシ流の下手クソな絵でデッサンして仕上げている雰囲気が大で、いったい、なにを真にあらわしているのか伝わらない。
下手な伝言ゲームの残念な仕上がりの絵みたいになっていて、トレースが切れて、たどり着くべき場所からはかけ離れて意味のない空疎な表現になっている。
しかし、フレディ・マーキュリーが歌う Seven Seas of Rhye は、言ってみれば、その50年後、残念な仕上がりで伝播しつつあり続ける「ファンタジー・パンデミック」の最上流の源泉に近い位置にあるということができるかもしれない。
わたしがイメージする Seven Seas of Rhyeの 世界観は、時代的には、
サムソンとデリラ(Samson et Dalila)
あるいは
トゥーランドット(Turandot)
かなあ。ストーリーは違うけれど。
すごく小さい頃、オペラのストーリーを絵本にしたのを読んで、ほとんど忘れているその頃の空想の世界の記憶がかすかにある。
何となくそれっぽい雰囲気を感じてわくわくします。
フレディが引用している原著は概念として正統なので、また、クイーン自体が音楽的技術と創造性あふれる才能の部分で限界がないので、さすがにちゃんと正しい楽曲になっている。
神話的な世界観と冒険へと出発する高揚感を見事に音楽へと創りこんでいるので、純粋に品質の高い芸術表現として楽しい。
若いクイーンが自分たち自身を表現するものへと昇華させ、唯一無二のパフォーマンスになっている。
フレディ・マーキュリーのアイデンティティと世界観がのびのびと表現されている美しく楽しい楽曲です。
クイーンという、イギリスにとっては異世界の人であるフレディ・マーキュリーのアイデンティティと音楽的才能のオリジナリティを前面に出した、多様性を包摂した世界観を感じさせるバンドが、初めて出会う観客の前で、「自分たちってこういうバンドです」って自己紹介して共通の価値観への気づきとムーブメントを観客の中に巻き起こすのに、当時、この野心的で若いバンドにとっては最適なアイテムだったに違いない。
YouTubeのQueen Officialの映像は、動画に付随された解説によれば、BBCのテレビ番組Top Of The Popsの1番目、2番目、3番目のクイーンのパフォーマンス/出演で構成されています。
1974年2月21日、3月14日、3月28日に記録された録画の一部で、ほとんどは2月21日の録画からだそうです。
1975年にBBCの番組録画が削除されたため、完全なクリップをカラーで完成させるためビデオを再構成し、2つの他のライブプレゼンテーションのシーンで、最初の録画の白黒衣装のシーンを補完して編集してあります。
若いって、いいですね。
Queen - Seven Seas Of Rhye (Official Video)
https://youtu.be/u7e4Tr9IH5U via @YouTube
フレディ・マーキュリーが、本当に若い。
彼が、首を振って長い髪がバサッって顔にかかった状態で、
“
Fear me, you lords and lady preachers
I descend upon your earth from the skies
”
って歌いながら髪を後ろにかきあげるシーンなど、
日本の(一見すごく個性的で独特な)ロックンローラーが、絶対、そのまま真似してますね。あれ。
しかし・・・、オリジナルは貴い。
手に持ったマイクのスチールポールが、まるで中世の騎士の剣のようで、凛々しい。
ロックンロールなのに、ファンタジー感満載で、型にはまらず自由すぎる雰囲気がいい。
ローマ帝国を描いた古い映画を見るような楽しさと冒険心あふれる楽曲です。
フレディ・マーキュリーは、まさに、ロックンロール界の絵本作家だなー、まったくもって。
ファンタジー。。
YouTube の Queen Official には、これ以外に、歌詞のついたQueen - Seven Seas Of Rhye (Official Lyric Video)があって、こちらの動画では、1980年代のライブの、黒い稲妻が走った白タイツに、黒い稲妻の走った白いランニング、赤いスカーフを帯代わりにした、すっかりたくましい体格になった、こちらも素敵なフレディ・マーキュリーを見ることができます。
Queen - Seven Seas Of Rhye (Official Lyric Video)
https://youtu.be/FxIo57WURRE via @YouTube
フレディ・マーキュリーが
“
Storm the master marathon and I’ll fly through
By flash and thunder-fire I’ll survive (I’ll survive, I’ll survive)
Then I’ll defy the laws of nature and come out alive
Then I’ll get you
”
って、歌ってます(*’▽’)
思わず、フレディ ロスになりそうです。
Queen II [12 inch Analog] Universal via @amazonJP
詩の最後のキメ台詞で、フレディが
”
And with a smile
I’ll take you to the seven seas of Rhye
”
と歌った後に、曲の最期に、まるで日本の童謡の手毬歌ようなメロディの、イギリスの古い大衆歌が、複数の素朴な女性の歌声で挿入され終わります。
おしゃれです。
"
I do like to be beside the seaside.
I do like to be beside the seaside.
"
正直、あんまり使わないんですけど、YouTube。
すごいプラットフォームです。
YouTube で Queen というロックバンドの変遷を、特に、フレディ・マーキュリーの天才性とその努力の成果や、彼の目指すものとそれに向かっていく彼の変化、結果的に行きついてしまった彼の死までを、そのYouTube に残るステージパフォーマンスを見ることによって追っていると、なんだか、移植用の心臓をヘリで運んでいる医療チームのスタッフみたいな気持ちになる。
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