松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-128【衛生】論点:予防接種法
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-128【衛生】論点:予防接種法
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第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問128
問103-128(論点:予防接種法)を
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で解説します。
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苦手意識がある人も、この機会に、予防接種法の基礎を一緒に完全攻略しよう!
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問128
Q. 予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢|
1. 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。
2. 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。
3. 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。
4. 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。
5. 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。
(論点:予防接種法)
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滝沢 幸穂
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前置き|
論点解説 第103回薬剤師国家試験 問128では予防接種法を学びます。
5つの選択肢毎にテーマが異なるので、今回の論点解説も、様々なテーマについて広く効率的に、科学的根拠に基づいて取り上げました。
豊富な内容の解説になっています。
Q1では、自治体の接種勧奨と対象者の努力義務との違いおよびその接種勧奨と努力義務の対象となる疾病分類について理解します。
特にB疾病(インフルエンザ など)の定期接種・臨時接種の自治体の接種勧奨および対象者の努力義務の有無がポイントです。
Q2では、風疹ワクチンの定期の予防接種の対象者と、予防接種法に基づかない予防接種の推奨の対象者について学びます。
Q3では、インフルエンザの定期の予防接種は、誰を対象者とするかを理解します。予防接種法施行令第一条の三に掲げられた各感染症の定期の予防接種の対象者の理解を要求する論点です。
Q4では、弱毒生ワクチンと不活化ワクチンについて学びます。
また、どの疾病に対するワクチンが、生ワクチンなのかも覚えます。
Q5では、MRワクチンの概要を理解します。併せて、MMRワクチンの概要と学術団体の要望書の提出など流行性耳下腺炎(ムンプス|#おたふくかぜ )の現状についても理解を深めます。
ぜひ、最後までしっかり学習して、予防接種法とワクチンの基礎を完全攻略してください。
MMRワクチンに関する最近の話題では、MMRワクチンと自閉症の発症を関連づけた内容であったとして、日本の配給元がドキュメンタリー映画の公開を中止したという一件がありました。RT BuzzFeed Japan Medhical
MMR(麻しん・流行性耳下腺炎・風しん混合)ワクチンは、1989(平成元)年に日本に導入されましたが、比較的高頻度で無菌性髄膜炎が発生したことなどから1993(平成5)年以降、ワクチンの使用が見合されています。
新たなMMRワクチンについては、いまだ開発途上です。
最近のMMRワクチンおよびおたふくかぜワクチンに関する厚生労働省での審議は、下記の厚生労働省のウェブサイトから確認できます。
審議の最近の論点は、
というところにフォーカスしています。
おたふくかぜの自然感染による死亡はまれですが、自然感染後の合併症は、おたふくかぜワクチン接種後の合併症に比べて多く、脳炎、難聴は予後不良です。
おたふくかぜによる難聴の全国調査では、2年間で335例が報告されています。幼児期・学童期と30-40歳代に患者が多く、二峰性の分布を示します。
それに対して、おたふくかぜワクチンの副作用として確認されている無菌性髄膜炎発生頻度は、2社の製薬会社のそれぞれのワクチンにおいて、鳥居株では1,600人接種あたり1人、星野株では2,300人接種あたり1人とされていて、無菌性髄膜炎発生頻度の評価が現在の厚生労働省での審議の論点になっています。
広く接種をするに当たっては、より高い安全性が期待できるワクチンの承認が前提であり、新たなMMRワクチンの開発が望まれていますが、現在は、単味のおたふくかぜワクチンの安全性が審議されているところという事のようです。
予防接種法およびワクチンを論点とした薬剤師国家試験問題への今後の試験対策としては、厚生労働省でどのようなことが今審議されているかも気にしているといいと思います。
話題になっているワクチンや疾病が、試験の論点として取り上げられることがあるからです。
時間にゆとりがある人は厚生科学審議会の資料を見ておくとよいです。
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はじめましょう。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-128【衛生】論点:予防接種法
こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。
薬剤師国家試験の衛生から #予防接種法 および #ワクチン を論点とした問題です。
第103回薬剤師国家試験の問128(問103-128)は、予防接種法から、それぞれ、努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病、先天性風疹症候群、インフルエンザワクチン / 定期の予防接種、ポリオワクチン / 弱毒生ワクチン・不活化ワクチン、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)に関する理解を問われました。
問103-128を、選択肢ごとに解説します。
YouTube|
※論点解説動画で予習・復習ができます。
走る!「衛生」Twitter Ver. 予防接種法/第103回-問128|薬剤師国家試験対策ノート
選択肢1. 論点:努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病
https://youtu.be/IjJivuzvT0E
選択肢2. 論点:先天性風しん症候群
選択肢3. 論点:インフルエンザワクチン / 定期の予防接種
https://youtu.be/XCe8pvickBM
選択肢4. 論点:ポリオワクチン / 弱毒生ワクチン・不活化ワクチン
選択肢5. 論点:MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
https://youtu.be/91hjjM2UFow
YouTube再生リスト|走る!「衛生」論点:感染症
→ https://www.youtube.com/watch?v=R_OfDxCTKfk&list=PLuPATLvMiAKotUdm1-eRhAVnw6iJD9WaN&index=7
目次|
選択肢1. 論点:努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病
選択肢2. 論点:先天性風しん症候群
選択肢3. 論点:インフルエンザワクチン / 定期の予防接種
選択肢4. 論点:ポリオワクチン / 弱毒生ワクチン・不活化ワクチン
選択肢5. 論点:MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
選択肢1. 論点:努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病
Q1. 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。A.【正|誤】|
予防接種法のA類疾病・B類疾病に対する予防接種について、解説します。
予防接種法に関しては、電子政府の総合窓口e-Gov 法令検索のホームページ(HP) https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/ から予防接種法の原文を全文閲覧することができます。
予防接種法第2条(定義)|
予防接種法第2条第1項|
「予防接種」とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射・接種することをいいます。
予防接種法第2条第2項|
予防接種法第2条第2項によれば、「A類疾病」とは、次に掲げる疾病のことです。
一 ジフテリア
二 百日せき
三 急性灰白髄炎
四 麻しん
五 風しん
六 日本脳炎
七 破傷風
八 結核
九 Hib感染症
十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)
十一 ヒトパピローマウイルス感染症
十二 前各号に掲げる疾病のほか、人から人に伝染することによるその発生及びまん延を予防するため、又はかかった場合の病状の程度が重篤になり、若しくは重篤になるおそれがあることからその発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病
予防接種法第2条第3項|
予防接種法第2条第3項によれば、「B類疾病」とは、次に掲げる疾病のことです。
一 インフルエンザ
二 前号に掲げる疾病のほか、個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病
予防接種法第8条(予防接種の勧奨)・
第9条(予防接種を受ける努力義務)|
予防接種の勧奨および予防接種を受ける努力義務に関しては、それぞれ、予防接種法第8条および第9条に規定があります。
A類疾病の定期ならびに臨時の予防接種は、市町村長又は都道府県知事が勧奨し、対象者は、「予防接種を受ける努力義務」があります。
一方、B類疾病の定期の予防接種に関しては、対象者は、「予防接種を受ける努力義務」がありません。
定期接種実施要領 / B疾病|
B類疾病の定期の予防接種を行う際は、接種を受ける法律上の努力義務はなく、かつ、自らの意思で接種を希望する者のみに接種を行うものであることを明示すること、ならびに、B類疾病の定期の予防接種を行う際は、接種を受ける法律上の努力義務がないことから、対象者が自らの意思で接種を希望していることを確認すること、法の趣旨を踏まえ、積極的な接種勧奨とならないよう特に留意すること、との記載があります。また、下記の記載もあるので注意しましょう。
対象者の意思の確認が容易でない場合は、家族又はかかりつけ医の協
力を得てその意思を確認することも差し支えない。ただし、明確に対象者の意思を確認できない場合は、接種してはならない。
ポイント 1|
予防接種法の【A】は、予防接種を受ける【B】があり、積極的な【C】を行うこととされている。一方、【D】の定期接種の実施に際しては、接種を受ける【E】ことから、対象者が自らの意思で【F】していることを【G】すること、法の趣旨を踏まえ、積極的な【C】とならないよう特に留意すること、とされる。
A. A類疾病
B. 努力義務
C. 接種勧奨
D. B類疾病
E. 法律上の義務がない
F. 接種を希望
G. 確認
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選択肢1. 論点:努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病
https://youtu.be/IjJivuzvT0E
選択肢2. 論点:先天性風しん症候群
Q2. 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。A.【正|誤】|
先天性風しん症候群について、解説します。
風しんは予防接種法に規定されたA類疾病のひとつです。
厚生労働省のHP(厚生労働省|予防接種情報 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html 風しんに関する特定感染症予防指針(平成26年3月28日)PDF https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/dl/yobou140529-3.pdf )によれば、風しんは、風しんウイルスによる感染性疾患で、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とします。
一般的に症状は軽症で予後良好ですが、罹患者の5,000-6,000人に1人程度が脳炎や血小板減少性紫斑病を発症します。
また、妊婦が妊娠20週頃までに感染すると、白内障、先天性心疾患、難聴等を特徴とする先天性風しん症候群の児が生まれる可能性があります。
風しんに関する特定感染症予防指針の3.「予防接種法に基づく予防接種の一層の充実」によれば、定期の予防接種は、「生後12月から生後24月」に至るまでの間と「小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日」までの間にある5歳以上7歳未満に対し行います。
また、定期の予防接種の対象者となってからの初めの3月の間に、特に「積極的な勧奨」を行うものとしています。
さらに、風しんに関する特定感染症予防指針の4.「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」によれば、妊娠を希望する女性及び抗体を保有しない妊婦の家族等のうち、罹患歴又は予防接種歴が明らかでない者に対し、風しん抗体検査・予防接種の推奨を行う必要があるとされています。
その他、昭和37年度から平成元年度に出生した男性及び昭和54年度から平成元年度に出生した女性は、幼少期に自然感染しておらず、定期の予防接種を受ける機会がなかったか、接種を受けていなかった割合が他の年齢層に比べて高いことから、さらに、医療関係者、児童福祉施設、学校等の職員等は幼児、児童、体力の弱い者等の風しんに罹患すると重症化しやすい者や妊婦と接する機会が多いこと、および、海外渡航者は、海外の風しん流行地域で罹患者と接する機会があることから、罹患歴又は予防接種歴が明らかでない者に対し、 風しん抗体検査・予防接種の推奨を行う必要があるとされています。
ポイント 2|
風しんは予防接種法に規定された【A】のひとつで、【H】を特徴とする風しんウイルスによる感染性疾患である。一般的に症状は軽症で予後良好だが、妊婦が【I】頃までに感染すると、【J】等を特徴とする【K】の児が生まれる可能性がある。
H. 発熱、発疹、リンパ節腫脹
I. 妊娠20週
J. 白内障、先天性心疾患、難聴
K. 先天性風しん症候群
選択肢3. 論点:インフルエンザワクチン / 定期の予防接種
Q. 3. 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。A.【正|誤】|
インフルエンザワクチンの定期の予防接種について、解説します。
インフルエンザは、予防接種法の規定ではB類疾病に分類されます。
厚生労働省のHP(厚生労働省|予防接種情報 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html 定期接種実施要領 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000191712.pdf )によれば、予防接種法に基づくインフルエンザの定期の予防接種は、次に掲げる者に対し、インフルエンザ HA ワクチンを使用し、毎年度1回行うこと、とされています。
ポイント 3|
インフルエンザは、予防接種法の規定では【D】に分類される。予防接種法に基づくインフルエンザの【L】は、【M】を毎年度【N】、対象は【O】の者、および、【P】の者であって、【Q】の機能に自己の身辺の【R】される程度の障害を有する者及び【S】により【T】の機能に【U】な程度の障害を有する者を対象者とする。
L. 定期の予防接種
M. インフルエンザHAワクチン
N. 1回接種
O. 65歳以上
P. 60歳以上65歳未満
Q. 心臓、腎臓または呼吸器
R. 日常生活活動が極度に制限
S. ヒト免疫不全ウイルス
T. 免疫
U. 日常生活がほとんど不可能
YouTube|
選択肢2. 論点:先天性風しん症候群
選択肢3. 論点:インフルエンザワクチン / 定期の予防接種
https://youtu.be/XCe8pvickBM
実力テスト (1)|
では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問128
Q. 予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢|
1. 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。
2. 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。
3. 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。
4. 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。
5. 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。
(論点:予防接種法)
選択肢4. 論点:ポリオワクチン / 弱毒生ワクチン・不活化ワクチン
Q4. 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。A.【正|誤】|
ポリオワクチンおよび弱毒生ワクチン・不活化ワクチンについて、解説します。
厚生労働省のHP(厚生労働省|ポリオとポリオワクチンの基礎知識 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html )によれば、急性灰白髄炎(ポリオ)はポリオウイルスが引き起こす感染性疾患で、人から人へ感染し、主症状は運動神経麻痺です。
日本では、1960(昭和35)年に、ポリオ患者の数が5千人を超え、かつてない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により、流行はおさまりました。
1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、野生のポリオウイルス(※ワクチンによらない)による新たな患者はみられません。
その後、2012(平成24)年9月1日に、生ポリオワクチンの定期の予防接種が中止され、代わりに、不活化ポリオワクチンの定期の予防接種が導入されました。
生ポリオワクチンは、ポリオウイルスの病原性を弱毒化して製造したもので、免疫をつける力が優れている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがあります。生ワクチンには、その他、麻しん・風しんの弱毒生ワクチン、結核のBCGの弱毒生ワクチンがあります。
他方、不活化ポリオワクチンは、不活化したウイルスから免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。
ただし、発熱など副反応が生じることがあります。不活化ポリオワクチンの他、百日せき・日本脳炎のワクチンが不活化ワクチンです。
不活化ポリオワクチンの標準的な接種年齢および回数・間隔は、次のとおりです。
初回接種3回|「生後3-12か月」に3回|間隔は20-56日間
追加接種1回|初回接種終了後「12-18か月後」に1回
※定期の予防接種の対象者|生後3か月から生後90か月に至るまでの間 出典:予防接種法施行令第1条の3
ポイント 4|
日本では、【A】年に、ポリオ患者数が5千人を超え、かつてない大流行となったが、【B】の導入により、流行はおさまり、【C】年の1例を最後に、現在まで、野生のポリオウイルス(※ワクチンによらない)による新たな患者はみられない。【D】から【B】の【E】は中止され、【F】の【E】が導入された。【B】は、ポリオウイルスの【G】したもので、免疫をつける力が優れている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがある。
A. 1960(昭和35)
B. 生ポリオワクチン
C. 1980(昭和55)
D. 2012(平成24)年9月1日
E. 定期の予防接種
F. 不活化ポリオワクチン
G. 病原性を弱毒化して製造
選択肢5. 論点:MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
Q. 5. 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。A.【正|誤】|
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)について、解説します。
厚生労働省|麻しんについて https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html によれば、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)は、単独ワクチンと同様、麻しんの予防対策において効果が期待されます。また、麻しんワクチンの替わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はなく、風しんの予防につながる利点があります。
ただし、MRワクチンは、生ワクチンであるため、胎児への影響を避ける目的で、妊娠している女性は接種不適当者とされています。
また、妊娠していない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。
麻しん単独ワクチン、風しん単独ワクチンも生ワクチンなので、同様に、妊娠している女性は接種不適当者とされています。
また、妊娠していない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。
一方、MMR(麻しん・流行性耳下腺炎・風しん混合)ワクチンは、1989(平成元)年に日本に導入されましたが、比較的高頻度で無菌性髄膜炎が発生したことなどから1993(平成5)年以降、ワクチンの使用が見合されています。
現在では、単味の流行性耳下腺炎ワクチンが、任意の予防接種の場合のみ使用されています(厚生労働省|予防接種に関する検討会 中間報告書 平成17年3月 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/03/dl/h0331-7a.pdf )。
厚生労働省|おたふくかぜワクチンの定期接種化に関する要望 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000184908_1.pdf によれば、日本小児科学会等の学術団体(17団体)から、2018(平成30)年5月14日、上記要望書が厚生労働省健康局健康課長宛てに提出されました。
要望書によれば、流行性耳下腺炎(ムンプス|おたふくかぜ)が近年、数年ごとに大規模な流行を繰り返しており、この理由には、流行性耳下腺炎(ムンプス|おたふくかぜ)ワクチンが任意の予防接種であるため、予防接種率が30-40%と低迷し、感受性者が多数存在することが大きな要因であるとされています。
ムンプス難聴は重篤な合併症であり、予防接種を行うことにより、減少させることが可能であるため、学術団体は、現在、新規MMRワクチンは開発途上である事情も鑑み、現状のワクチンの持つメリットから、流行性耳下腺炎(ムンプス|おたふくかぜ)の予防接種を定期の予防接種とする制度の確立を検討することを要望しています。
ポイント 5|
【H】は、【I】の予防対策として単独ワクチンと同様の効果が期待される。【I】ワクチンの替わりに【H】を接種しても、健康への影響に問題はなく、【J】の予防につながる利点がある。ただし、【H】は、【K】で、胎児への影響を避けるため、【L】は接種不適当者とされている。妊娠していない場合であっても、接種後【M】が必要である。
一方、【N】は、【O】に日本に導入されたが、比較的高頻度で【P】が発生したことなどから【Q】以降、ワクチンの使用が見合され、現在では、単味の【R】が、【S】の場合のみ使用されている。
H. MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
I. 麻しん
J. 風しん
K. 生ワクチン
L. 妊娠している女性
M. 2カ月程度の避妊
N. MMR(麻しん・流行性耳下腺炎・風しん混合)ワクチン
O. 1989(平成元)年
P. 無菌性髄膜炎
Q. 1993(平成5)年
R. 流行性耳下腺炎ワクチン
S. 任意の予防接種
YouTube|
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選択肢1. 論点:努力義務・勧奨接種 / A類疾病・B類疾病
https://youtu.be/IjJivuzvT0E
選択肢2. 論点:先天性風しん症候群
選択肢3. 論点:インフルエンザワクチン / 定期の予防接種
https://youtu.be/XCe8pvickBM
選択肢4. 論点:ポリオワクチン / 弱毒生ワクチン・不活化ワクチン
選択肢5. 論点:MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
https://youtu.be/91hjjM2UFow
実力テスト (2)|
では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問128
Q. 予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢|
1. 予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。
2. 先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。
3. 小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。
4. 現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。
5. 麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。
(論点:予防接種法)
参考資料|
文献1|
電子政府の総合窓口e-Gov 法令検索のホームページ(HP)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/
予防接種法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000068
文献2|
厚生労働省|予防接種情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
定期接種実施要領
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000191712.pdf
文献3|
厚生労働省|予防接種情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
風しんに関する特定感染症予防指針(平成26年3月28日)PDF
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/dl/yobou140529-3.pdf
文献4|
厚生労働省|予防接種情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
定期接種実施要領
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000191712.pdf
文献5|
厚生労働省|ポリオとポリオワクチンの基礎知識
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html
文献6|
厚生労働省|麻しんについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
文献7|
厚生労働省|予防接種に関する検討会 中間報告書 平成17年3月
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/03/dl/h0331-7a.pdf
文献8|
厚生労働省|おたふくかぜワクチンの定期接種化に関する要望 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000184908_1.pdf
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