"Under pressure" - フレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイのラストダンス
久々にフレディ・マーキュリーのことを書いてみようかなと思い…。
...良い詩だなぁ~。
YouTube の Queen オフィシャルアカウントにある “Under pressure” のいくつかの演奏の曲のリンクを貼っておく。だって、リンクが貼ってあったらすぐ聴けるし。便利だから。
皆さん、聴いたこと、ありますか?
Here: https://note.com/matsunoya_note/n/n124771d27242
Wikipedia によれば「Under Pressure」は、イギリスのロックバンド、クイーンと歌手のデヴィッド・ボウイによってつくられた曲です。
1981年10月にシングルとしてリリースされ、後にクイーンの1982年のアルバム「Hot Space」に収納されます。
この曲はUKシングルチャートで1位になり、クイーンの2番目のヒット(1975年の「ボヘミアンラプソディ」以来)となりました。また、1982年1月のUS Billboard Hot 100で29位になっています。
1981年から1986年まで、すべてのクイーンのコンサートで生演奏された曲です。
この曲の詞からは、フレディがデヴィッド・ボウイに影響を受けながら、迷いなく自分らしさ、吟遊詩人としての自分を抑制なく(つまり周りからのプレッシャーをあえて逸脱して)表現し、しかも彼らにとっての最大の購買層である大衆に大うけにウケるという離れ業を、ヒットを連続して飛ばしているデヴィッド・ボウイのアーティストとしての才能を借りながら、その慈愛と恩恵の中、「やったぁー」って感じで抑制を外して成し遂げていく様子が何となく思い浮かびます。
Queen の 4人は、この時期、将来に向けての自分たちの方向性について迷いに迷っていた。
でも、この曲にはフレディがフレディらしさを捨てていない「らしさ」が存分に入っている。
その後、Qeen は、フレディの吟遊詩人であり自分探しの旅人であるフレディらしさを捨てて、既存のロックミュージックやヒットソングの模倣をしながら、そのすでに大衆受けすることが明らかな曲想の中に彼ら独自の特徴をQueenの私小説的な個性として盛り込むスタイルに変化していくのだけれど、この曲においては、フレディはフレディらしさをプレッシャーに打ちのめされた形ではなく、プレッシャーをあえてはずした表現で表すことができた。
しかも、大衆に大いに受けて少なくともイギリスではシングルが1位になった。そこのイレギュラーさがとても興味深いのです。
歌詞はこちらに掲載されています。和訳も表示されますよ。
Google ( queen under pressure lyrics 🔍)
示唆に富んだ美しい詩。そしてその詩を彩る美しいメロディとギターとドラムによるインストゥルメント。
YouTube Queen Official に、Queen とデヴィッド・ボウイの(合成画像)コラボのmusic video が掲載されています。
YouTube |
Queen - Under Pressure (Rah Mix 1999) (Official Video)
https://youtu.be/FUU67fcSKOU
冒頭、フレディとデヴィッド・ボウイはこう歌い出します。
You say New York, New York is dangerous
'Cause you read that, well you may.
Even the blind man could see that's not so.
Love, love, love, love, love, love, love
Rave.
クールですね❕
こちらは、Queen のアルバム “Hot space” に収録された “Under presure” です。
YouTube |
Queen - Under Pressure (Official Video)
https://youtu.be/a01QQZyl-_I
結局、個性と才能が際立つ別々のアーティストの(特にフレディは、Queen のメンバーとして 4人での楽曲の創作という形態の中にいたから)、この奇跡のコラボレーションは、「フレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイのラストダンス」になった。
会った途端に一仕事終わったら、お別れなのね。
もしかしたら、このことをきっかけに、フレディは Queen という縛りを外して、1人で様々なアーティストとコラボする可能性について、真剣に考え始めたかもしれない。
そこが、グループで活動するミュージシャンのバランスのとり方の難しいところですよね。
なんか、フレディの人との付き合い方の不器用さとか、全ての人に気を遣う思いやりの深さとか、その周囲で渦巻く陰惨な嫉妬や独占欲とか、そんなきな臭さも、(あまりに美しく完成された曲だから、曲だけからは美しい詩とその周りにちりばめられたメロディや伴奏を楽しめばそれですべてはうまくいくのだけれど)ところどころに示唆されるフレディの感じている限界を超えそうなプレッシャーと Queen の中での彼の立場への彼の自覚と純粋な全ての人々への彼の慈悲深い思いやりとか、音楽へのそして美の追求への彼の激しいリビドーとか、デヴィッド・ボウイの天才的で非常にポップな音楽的才能とか、様々な絢爛豪華なまるで中世の絵巻物を見るような華やかさと物語性を垣間見ることができる素敵にポップな曲です。
素敵、なんだなー。
イギリスの当時のロックンロールのミュージックシーンが香り立つ。
Queen の私小説的な楽曲のひとつであり、フレディのもがきにもがいた人生の若き一ページであり、そこに一瞬降りたった大天使ミカエルのような、あるいは堕天使ルシファーのような、デヴィッド・ボウイの美しい天才性の感じられる一瞬のときのきらめき。
一期一会のコラボを完成形でそして永遠の別れで終わらせる、まさにフレディとデヴィッド・ボウイのラストダンス。
ドラマティコ。
”Why don't we give love that one more chance?”
日本の時代もので言うと、宮本武蔵と佐々木小次郎の果し合いの場面のようなものでしょうか。(全然違いますねー。。)
これを聴く大衆は何を思って熱狂し、何をもって共感するのか。
YouTube |
Queen ft. David Bowie - Under Pressure (Official Lyric Video)
https://youtu.be/ZyT8mVwf_40
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YouTube |
Queen - Under Pressure (Live At Wembley Stadium, Saturday 12 July 1986) https://youtu.be/SJCTgtDU-74
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Live at Wembley '86 は、1986年7月12日にイギリス・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたライブで、フレディ・マーキュリーと共に行われた最後の Queen ライブです。
YouTube に Playlist があります。
これを素晴らしいライブだというファンは多いらしいです。私が最初に見たのは、今年になってからで、様々なフレディと Queen の演奏の映像を YouTube で見た後だったので、最初に見たときは、音楽の質として完成度はどうだろうかと思った。どちらかといえば、フレディ・マーキュリーの限界を超えてしまいそうな痛々しさしか感じられなかった。
ただ、何度かライブ映像を見ながら、これは、映像の細部に引っ張られなければ、純粋に音として音楽として聴けば、これは時間芸術であるがゆえに、その場で繰り広げられた広大なオペラの劇場での舞台は、その一期一会の一瞬の時間芸術(音楽)として歴史に残るレガシー、最高の出来映えのライブだったのではないかと察し始めました。
大勢のファンが言っていることが、正しい。フレディがその場の雰囲気を全ての情報としてまるでAIのようにその全ての情報を頭の中に放り込みながら、時間芸術である音楽の最適解をもとめていく様子から、その彼の舞台での表現者としてのパフォーマンスから逆算しながら彼の感じていたライブの空気感を追体験することは、それは素晴らしいギフトだから。
その日の舞台上の気温と熱風の中で大衆が熱狂し謳う声を聴いているフレディの耳に聞こえている音、空気の熱量、そんなものが伝わってくる Queen の演奏です。
大衆を元気にさせる熱狂させるという、音楽を通じてできる最高のイベントなんだなー。このライブは。
わたしは、これが、ロックコンサートという一瞬の儚いイリュージョンでできることに意味はあると思う。けれど、もっと、実質的で実際的にできることがあって、それが、今、必要とされているのではないかな、とこの曲を聴きながら思うのです。難しいことで、誰にでもできるわけではないから、なおさら貴重であって、やらねばならないことなのだと思うのです。
YouTube Playlist |
Queen - Live At Wembley - Saturday 12th July 1986 https://www.youtube.com/playlist?list=PL2tMgWgIvcWmwK7mTABtrkA1AJFFtBsQg
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Queen - Live At Wembley - Friday 11th July 1986 https://youtube.com/playlist?list=PL2tMgWgIvcWm9v3XuOtWq4p0cKzuG70lF
まだ、秋の夜長というには蒸し暑すぎる宵ですが、フレディ・マーキュリーのお誕生日と、何らかの記念日に思いを寄せながら、彼の全力投球の音楽を聴いています。
まだ、聴いたことがない方は、ぜひ。。
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それでは、また
お会いしましょう。
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