グリーンブック
孤高で孤独な王様が暖かい居場所を見つける旅
ナイトクラブで用心棒をしていたトニーは店の改装工事のため職を失い、
ドンという黒人天才ピアニストの運転手兼ボディーガードとしての
面接を受ける。
トニーはイタリア系で、内心黒人に差別意識を持っているのだが、
それを隠して職に就く。
ドンは、アメリカ最南部を回るコンサートツアーに出るという。
そこは酷い黒人差別が横行する地域でもある。
そうして黒人エリートのドンと粗暴なトニーの長い旅が始まるわけだが、
性格の違いもあり二人の相性は悪い。
ドンは完璧主義で潔癖症の孤高で孤独な存在。
トニーの方はツアーが続くうちにドンのピアノ演奏の素晴らしさに
感銘を受けて尊敬の念を深めていく。
が、ドンの方は常にクールで決して打ち解けようとはしない。
ステージの上では拍手喝采の大歓迎を受けるも、
ステージの外では黒人差別の苦渋を味わう、
そんなアメリカ最南部コンサートツアーもようやく終わり、
トニーとドンは別れる。クリスマスイブである。ドンは孤独の王宮に帰る。
【以下ネタバレ】
ラスト、孤高で孤独な王様だったドンに、
飾る必要の無い、気取る必要も身構える必要も無い、
居心地の良い、あったか~い居場所が見つかる。
バーミングハムのレストランでチェロ奏者が言っていた
「才能だけでは人の心は動かない、勇気こそが鍵なんだ」という言葉。
その勇気は、白人に鞭打たれることに耐えることではなく、
鎧を脱ぎ捨て、友人の家のドアをノックすることだった。
ドンがそれに気づいてくれて本当に良かった。
心があったか~い気持ちになる、そんな素晴らしい映画だった♬
2018年 米国 ヒューマン映画(実話に基づく作品)
監督 : ピーター・ファレリー
脚本 : ニック・ヴァレロンガ / ブライアン・ヘインズ・カリー /
ピーター・ファレリー
出演 : ヴィゴ・モーテンセン / マハーシャラ・アリ
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