グラン・トリノ
クリント・イーストウッド監督、第31作目(78才)
朝鮮戦争の退役軍人で、
自動車工として勤め上げたウォルト・コワルスキーには、
引退後の日常も近所の変わり様も、すべてが面白くない。
中でも気に食わないのが、
東南アジアからの移民であるモン族の隣人たちだ。
しかしある事件が起こり、ウォルトは図らずも暴力と脅しを生業とする
地元のギャングから彼らを守ることになる。
【amazonプライムビデオの紹介文より】
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偏屈爺さんウォルトは何にでも苛つき、
そこら中に唾を吐き、そこら中に暴言を吐きまくる。
彼は朝鮮戦争で何人もの朝鮮人を殺した。降参する少年兵をも殺した。
その罪の記憶が、彼の苛つきの正体である。
信心深い妻に伴って毎週のようにキリスト教の教会を訪れたが、
彼に信仰心は無かった。
彼は一度も懺悔室で懺悔をしたことはなかった。
犯した罪を告白したくらいで簡単に罪が取り消される
キリスト教の教義を否定していたのだ。
そして彼は気づいた。
全ての民の犠牲となって磔にされたイエス・キリストのように、
罪は、一切の災いを一身に引き受けることでしか贖えないことを。
グラン・トリノとは、そういう物語だ。
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2008年 米国映画
監督 : クリント・イーストウッド
脚本 : ニック・シェンク
原案 : デヴィッド・ジョハンソン / ニック・シェンク
出演 : クリント・イーストウッド
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