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開封タイムカプセル

タイムカプセルが届いた。
そんな話があるのかと思ったが、
本当に届いたのだ。


2005年に、ボーイスカウトで林に埋めたものだった。

それを2020年冬に掘り起こしたらしい。
15年間土に埋まっていたものが、今届いた。

すごく不思議な感覚だ。
これを土に埋めてから、
小学校へ通い、
中学校へ通い、
高校へ通い、
今は大学3年生である。

部活をして、
先生と喧嘩をして、
受験をして、
縄跳びが飛べなくて、
演劇に出会って、
生徒会長をやって、
別れて、
持久走でドベになって、
志望校に落ちて、
お笑いにハマって、
恋をして、
挨拶ロボットに入って、
初めて、
一人暮らしを始めて、
バイトを始めて、
先生の後ろでふざけて呼び出しを喰らって、
バイトを辞めて、
劇団に入って、
HIPHOPにハマって、
受験して、
漫画を読んで、
インターンを受けて、
小説を読んで、
カラオケでオールして、
合唱の指揮をして、
お酒を飲んで痙攣して、
サンリオにハマって。

時系列はバラバラだけど、
ハイライトを述べたらキリがない。

そんな人生だった自分に、
6歳の自分が何を贈るのか。

無論当時の自分が今の自分を予想できるわけもない。描くのは理想や希望だろう。今の自分に向けてどんな理想や希望を描いているだろうか。

「素敵な大人になっていますか。」
なんて書かれていたらどうしよう。

胸をはって「はい」と答えられない自分に
切なさすら感じる。
やり場のない虚しさに、
今日は眠れないかもしれない。

それでなくても、例えば、
当時の自分の本当の夢、
「僕は宇宙飛行士になりたいです。」
なんて書かれていたら。

しがない文系大学生(専攻は近世文学)なんて、彼に聞かせられるだろうか。
世界の誰かが悲しんでいることを本気で憂い、
それで胸がいっぱいになってしまって動けない1日があるなんて、当時の彼に語れるだろうか。

15年間林の土に埋まっていたこの封筒には、
希望いっぱいの彼から送られたこの手紙には、純粋な残酷さが満ち満ちている。

かといって、
開けずに放って置けないのが人間の性。
恐る恐るセロハンを剥がすのである。


不器用に斜めに封をされた封筒の中からは、
角が不揃いに折られた四つ折りの紙と、
綺麗に折られた縦長の紙、
そして小物と当時の写真が入っていた。

すぐに目に入った、小物から開ける。

タツベイのスタンプだ。
当時何かの付録だったのだろうか。
これと同じ、ポケモンのスタンプをたくさん持っていた記憶がある。
タイムカプセルをするということを聞いた上で、これを埋めたのには、訳があったのだろうか。宝物だったのだろうか。何気なく持ってきたのだろうか。
ポケモンは、今でも子供から大人までを魅了し続ける一大コンテンツである。15年間廃れてないない、ポケモンの凄さをも感じる。

同封されていた、当時の写真。
証明写真のBOXに入るのも初めてだっただろう。目をいっぱいに広げて写っている。
慣れてなかったんだろうな。
黄色い服は幼稚園の園服だ。
黄色い服に紺色のベレー帽で通っていたことを思い出す。


残るは紙2枚である。
ここには何が書かれているのだろう。
先ほども述べた通り、純粋な残酷さに満ち溢れているこの紙。
開くのにも勇気が必要だ。

どちらから開けよう。
不器用に折られた紙と、綺麗に折られた紙。
なんとなく、不器用な方から開けてみることにした。

いろんな言葉が頭を過ぎる。
どうか、当時の彼の理想の自分であれますように。もしくは、当時の彼が今の自分に期待していませんように。

恐る恐る開けると、
そこにはクレヨンでさまざまなものが書かれていた。


「まつむらたくや
ビ・バーたいのみんなみんななかよし」
と、顔がついた星の数々。

思い出した。すごくおぼつかない記憶ではあるが、この星に顔がついたのをそこらじゅうに書くのにハマっていた時期があったような気がする。これにもお気に入りだから書いたのだろう。その他は、自画像と太陽だろうか。大きさが同じと言うことは太陽系で1、2を争う大きさの顔面だ。

ビ・バーたいとは、当時所属していたボーイスカウトの、幼い子で構成された隊名、ビーバー隊のことである。
「ビ・バー隊みんなみんななかよし」

そうか、ビーバー隊のみんなは仲良しか。
よかった。本当によかった。
不安症の自分があらぬ妄想を繰り広げたおかげで、紙を広げるのが遅れてしまったが、そうか、仲良しか。
20歳の自分に向けて書くよう大人に言われた当時の自分は、今みんなが仲良しだと書いたか。そうか。

君が21歳の今は、みんなは仲良しどころか、疑いに溢れてる。
ビーバー隊どころか、世界が分断へと向かってしまっている。
でもみんなみんな仲良しがいいよね。
改めて、仲良しで居ようと思うよ。ありがとう。

勝手に内容へのハードルをあげてしまったせいか、未来に向けてではない、当時の彼の現状の言葉が、異常に胸に刺さる。仲良しで居よう。そう思う。

残るは綺麗に折られた一枚だ。
こっちはなんだろう。
こちらの紙に自分は書きたいことは書いたはずだ。余白もある。まだ書きたいことがあるなら、余白に書くだろう。

こちらはすんなりと開いた。

名前は伏せてあるが、父からの手紙だった。
「大きくなっているなあ。」
成長の速さを実感したのだろうか。
父よ。俺はもう21です。大きくなっています。
まだ何も人生の実感を手に入れてませんが、
今もなお大きくなっているところです。

「悪い奴はいないと思うが、、、。」
父特有の、冗談がうまくいかなくて微妙な空気になるあれだ。基本はうまく冗談をいう父も、たまに微妙になる。それがタイムカプセルで出てしまうとは。不運な父である。

「心も大きくなれよ」
それっぽいことを書いている。父親として、キメに来たのだろうか。いいかっこしいな父親が目に浮かぶ。そのいいかっこしいは、ものの見事に息子に受け継がれてるよ。


総じて、変に不安を抱いてしまったが、
開けてみればいあたたかい気持ちになるタイムカプセルだった。

意外といいもんだな。
時間と場所を超えて、あの頃と今が繋がる。
それによって生まれる感情は、暖かい場合も有れば、冷たい場合もあるだろうが、何にせよ、当時の自分を思い出すきっかけになる。
当時の通りに生きていれば暖かい気持ちになれるし、納得行っていないのであれば、ここから変えていけばいい。

そんなスイッチになってくれる、
タイムカプセル。
これからも、どんどん開けていこう。


埋めてればだけど。
—————————

11:30起床。
昼夜逆転をさらに逆転させられてきた。
いい感じだ。もう朝に起きられそう。
最近散歩も陽の光も浴びてない。
寒すぎて散歩行けないのどうにかしたいなあ。
ちゃんと外の空気を吸って、
陽の光を浴びて、
スッキリしたい。

朝から小説を読む。
韓国の同性愛の小説だ。
これが面白い。夢中で読んでしまう。
どんな恋愛にも、軽い気持ちと重い気持ちや、
遊びや本気や、合う合わないがあって、
その性別によって決定的なものがあるないは決まらないことを知る。
恋愛って、難しいけど面白いな。

昼ごはん。
ご飯をたいていないので、おもち。
おもち美味い。たくさん食べちゃう。
何個食った?なんてしょうもない話題で盛り上がりたい。
お吸い物に乾燥わかめと乾燥野菜も入れた。
あったかいのは美味い。

そろそろnoteを動かそう。
と、新年分のノートを書く。
そして下書きに溜まっている分も、
下書きのまま出すことにした。

その後、桃鉄をした。
お金を稼ぐために一番効率の良い方法は何か。
探りながら協力しながら裏切る。
超楽しい。
が、負けた。
ラスト一年まで調子良かったのに。
なんかミカエルとかいうやつが毎月13億置いてって負けた。
悔しい。

夜ご飯は、あまりもの突っ込んだカレー。
これが美味い。うますぎる。
余り物という余り物を入れたので、
大根やスパム、ゆで卵が入っている。
大根のカレー。意外に美味い。
最高。めちゃうまい。ほろほろ。

株を買った。
VTIを一株。
なんかよくわかってないけど、
とりあえず買ってみた。
長期的にみていこう。

そして洗濯。三ヶ日はもう洗濯をしないと決めていたので、再開。
干すのも一苦労。だけど店舗が出てきたら良い感じ。

この後はnote書いて、小説読んで、寝るやろな。

20210105

〈食事〉
朝:なし
昼:みたらしもち、お吸い物
夜:余り物カレー

〈エンタメ〉
ロンドンハーツ
霜降りチューブ
気まぐれクック
KOK ファイナリスト紹介
桃鉄


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