Matsumoto Takuya/理学療法士

埼玉で理学療法士(運動器認定理学療法士)をしています。 総合病院で8年勤務し現在は整形…

Matsumoto Takuya/理学療法士

埼玉で理学療法士(運動器認定理学療法士)をしています。 総合病院で8年勤務し現在は整形クリニックの立ち上げに携わり臨床をメインで行っています。 音楽家やダンサー向けなど芸術分野に関わる記事を中心に上げていこうと思います。

最近の記事

バイオリン奏者の神経障害

はじめに本記事はバイオリンの熟練者による奏法やパフォーマンス向上を目的とした記事ではなく、あくまで身体構造から診たバイオリニストに生じやすいトラブルについて解説する記事です。 痛みやトラブルを改善するためには理論上必要なものかと思いますが、演奏家にとって慣れたフォームを変えることはパフォーマンスの変化に直結します。 ここでの記事の内容を参考にする場合は、指導者へ相談していただくなど慎重に取り入れるようお願い申し上げます。 バイオリンの特徴バイオリン奏者は非常に特徴的な演奏姿

    • 肩の痛みは放置厳禁

      音楽家の方で肩〜腕に痛みを抱えている方はどのくらいいるでしょうか? 今回は肩関節周囲炎について書いていきたいと思います。 特に外傷の既往なく発症する肩関節周囲炎は、いわゆる加齢性変化によるものです。これを聞くと10代や20代の方は自分には関係ないと思われるかもしれませんが、加齢性変化というのは年齢を重ねたから発症するものではなく、平均的に年齢を重ねると身体の機能が低下してくるため発症します。つまり、若い方でも不良姿勢や運動不足により身体の機能が低下すればどなたでも発症する可能

      • 腱鞘炎を正しく知る

        ピアニストをはじめ、音楽家の方でしばしば目にする腱鞘炎。 ですが、中には腱鞘炎と思い込んでいたものが全く別の疾患だったということも少なくありません。 今回は腱鞘炎とはどういうものかを再度確認し、正しい知識で適切な治療、対応をしていただけるようになればという思いで書いていきたいと思います。また腱鞘炎と類似している疾患についても触れておこうかと思います。 腱鞘炎とは指の筋肉が働く際、筋肉から骨の間に位置し、関節を動かす働きを担うヒモ状の部分を「腱」といい、腱が通るトンネル状の鞘

        • 音楽家の腕の痺れ〜胸郭出口症候群〜

          今回は音楽家においてしばしば症状訴えが聞かれる腕の痺れについて書いていきたいと思います。 腕の痺れで病院に行くと「首から来てますね」と言われ「頸椎症性神経根症」のような難しい診断名がつくことがよくあります。医師が診断するのは画像所見であり、神経の通り道が画像上狭くなっていればそれは確定事実となり診断名がつきます。 それに対して今回お話しする「胸郭出口症候群」というのはあくまで“症候群”であり画像に写ることはないため確定診断することが難しく、所見から診断するしかありません。

        バイオリン奏者の神経障害