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面白いと思った戦略①

2022年センバツ
大阪桐蔭×鳴門
8回大阪桐蔭がスクイズをしたシーン

〈状況〉
2ー1で迎えた8回裏大阪桐蔭の攻撃。
激しい投手戦でもつれ込んだロースコアのゲーム。
ここでダメ押し1点を取れば大きな追加点、
ほぼ勝利が決まるような場面。

〈展開〉
大阪桐蔭は、
6番田井がエラーで出塁し
1アウトランナー1・3塁とすると、
ここで"わざと"足の速い代走を出した。
その後2B1Sからスクイズを決め、
決定的な1点追加。
そのまま3ー1で勝利した。

〈解説〉
8回1アウトランナー1・3塁で、
ピッチャーは
「スクイズする!」とまず最初に考えません。
どちらかと言うと、守備がエラーしたので、
「ストライク取ってテンポを悪くしないように!」
と意識するのが一般的。

そこで大阪桐蔭西谷監督は、
一塁にわざわざ代走を出すことで、
「盗塁するかも??」と意識させた。
ケースから言うと
1点リードしているしここで盗塁するメリットは
ゲッツー防ぐ以外なく、
むしろリスクの方が多い。
にも関わらず、
足の速い大前を代走で出した事で
"盗塁するかも??"を強調。

それを意識したバッテリー(投手・捕手)は、
まず慎重に。
盗塁がもし成功してしまったら
流れが完全に大阪桐蔭のものになり、
なかなか面倒くさい展開になる為、
走られるなら確実に落としたい場面。

1球目真っ直ぐボール
→初球エンドランも防げるし、
まずは初球で打者と走者の様子見という理想的な入り方

2球目ウエスト(わざと外す事)
→1B0Sはスチールカウント(盗塁決まりやすいカウント)
である為、ここで警戒しウエスト

ここまでで既に成功しているわけです。
2B0Sになったらもう残り1球しか外せない為、
スクイズ絞りやすいですよね。

3球目スライダーストライク
→ここは3ボールにしたくないので
1球自信のある球でストライクを入れる。
(もしかしたらこの星子の避け方もわざとかも?
打てなさそうに見せる事で次も同じ球誘うという。)

4球目スライダースクイズ
→2B1S。
できれば3ボールにはしたくないこのカウントで、
3球目星子の弱点に見えたスライダーを放り
確実にストライク入れてくるだろうという読み。
そこでスクイズ。
球種・コース明確になってしまったカウントに
整えてスクイズをするという
かなりハイレベルな面白い采配。
さすが名将・西谷監督(大阪桐蔭)


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