宮本さんと海老蔵さんと私〜shiningによせて〜
3月に市川團十郎白猿襲名記念特別企画ドラマ「桶狭間〜織田信長 覇王の誕生〜」主題歌として発表、6月にCDがリリースされた宮本浩次の「shining」。
歴史ものに英語タイトル⁈とか、番組HPでのプロデューサー氏の熱のこもったコメント、海老蔵さんからの絶賛、番宣特番で一部が流れた折の「アモーレって言ってる⁈」などが放送前から話題に。ドラマでもとても大切に扱われていた。
私はとりたてて海老蔵さんのファンというわけではない。歌舞伎についても、演劇ファンとして、世間一般の人よりは観ている、という程度の知識だ。それでもやはり、多少なりとも歌舞伎を観る者にとって、彼は特別な人だ。
初聴きから、私にはこの曲が、織田信長を飛び越えて、襲名に向かう海老蔵さんのうたに聴こえていた。途方もなく大きなものを背負ってたたかい続けているひと。歌舞伎とロック、伝統芸能と大衆芸能、それぞれの世界に咲く大輪の花の邂逅。すごい瞬間に立ち会っている感に震えた。
「尽きない悲しみ振り払いゆけ」
という詞に、海老蔵さんがあのお歳で経験されてきた大きな悲しみたちを思う。偉大なお父様と愛する奥様を亡くされて。
「愛する人よ抱きしめよう 今という永遠を」
今が永遠であればと願いながら愛する人を抱きしめたことがあったかもしれない。
楽曲的にも、美しい日本語の中に繰り返されるshiningと挿しはさまれるamoreがたまらなく印象的。そして文字化した歌詞を見なくてもその素晴らしさが伝わる発声と発音。日本の宝。
いっそこの曲で團十郎襲名記念PVつくってほしいと今も本気で思っている。
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