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強制されるとなんだってXXになるよね?という話

「そういえば、最初に通った小学校って宿題無かったかも」

今考えると何かバグってません?という気もしなくもないのですが、そんな記憶があります。

私は親の転勤等で三つの小学校に通いました。
入学した小学校に三年。次は二年間。そして一年間だけ行った、小さな学校。

二つ目三つ目の学校は毎日宿題が出てました。

でも一つ目の小学校は宿題が出なかったんですよね。
なんでだろう?
計算ドリルとか漢字の練習とか、宿題に出すべきものはたくさんあったはずなのに。

そのせいか、一学期の終業式に配られた「夏休みの友」がものすごく新鮮で、「これは宿題だ!!」って感動して?夏休みに入ってすぐ、一週間くらいで終わらせちゃった記憶があります。

「友」に入ってない、絵を描くとか工作とか習字とか読書感想文などは夏休みの終わりに「めんどくせえ」と言いながらやっつけ仕事してた記憶も一緒に。

小三のおそらく初夏の頃、物足りなかった私は担任の先生に尋ねました。
「ノートに何か書いて持ってきたら、先生見てくれる?」と。
先生は「いいよ」と言いました。

そこで一日一ページ、何やかんや書いて、先生に渡してました。
内容は本当に雑多。
定番?の漢字の練習や計算ドリル(採点してくれてたのかな)。
辞書を引けるようになったら知らないコトバを調べて書いてみたり。
家にある図鑑を見て書き写したり、あるときは好きな歌詞を書き写したり、
日記だったり、本当にその日書きたいことを書きなぐる感じ。

先生は何か必ずコメントを入れて、帰る時に渡してくれました。
今日はなんて書いてくれてるかな先生?とワクワクしながらノートを開く瞬間がとても楽しくて。

それを見ていた周りの子たちが、「それ楽しそうね、自分もやりたい!」と言い出しました。

クラスの半分くらいの子たちが、それぞれ自分の好きなノートを用意して、先生に提出するように。
先生は毎日積み重なったノートに目を通して(激務の中だったと思うのですが…)帰りに配ってくれました。

「宿題=やらなきゃいけないもの=強制」

「自由に書いていいノート=やってもやらなくてもOK=やりたい人だけやればいい≠強制」

少なくとも、その時の私たちは「強制」と思っていなかったです。
やりたい子がやってた。
クラスのみんなが何を書いていたか私は知らないけれど、多分それぞれがそれぞれ好きなことを書いていたのではないか?と想像しています。

好きなこと書いてたから、めちゃくちゃ楽しかった。
そして、続きました。その学年が終わるまで。

次の年に私は県外に転校したので、その後みんなと先生とノートがどうなったかは分かりません。

もしかしたら、私が今も
「自分が表現したものを他の人に見てもらってリアクションもらったり、
喜んでもらえるのすっげえ楽しい!」
と思っているのは、ここが原点なのかもしれません。

同時に「自分の知らないことを知る楽しさ」「今までできなかったことができるようになる喜び」などを知ったような気がします。


それから40年以上経った今の私は塾講師をしていて、現役小学生と話をする機会があります(それ以前に我が子も昔は小学生だった)。
今の小学生にも同じように「自由勉強ノート」があるみたいです。
ただ当時の私たちと違うのは、それが「学校からの宿題」であること。

「ノート宿題なんだけど、めんどくさい。何書いて良いのかわからん」
「わからないから、習った漢字書いてる」
「なんで普通の宿題(漢字の練習とか)と両方あるんかねえ?」

と言いながら取り組んでいるようです。
うーん、なんかもったいない気が。

自分がやりたいことをやるから楽しい。

ゲームやるのも動画見るのも、
漫画読むのも好きな小説読むのも、
運動するのも人のやってるスポーツ見て応援するのも、
音楽聴くのも楽器弾くのも、
写真撮るのもお花を丁寧に飾るのも、
縫い物や編み物をするのも、
どんなに美味しくできるかな?ってワクワクしながら料理するのも、
自分が好きでやりたくてやるから楽しいわけであって。

人にやれって言われたら、たぶん楽しくなくなる。

それは多分勉強も同じ(仕事も?)。

親や大人から「宿題やった?」とチェック入れられて。
やってなかったら「早くやりなさい!」と怒られて。
やらずに学校行ったら「やりなさい」と先生にも怒られて。

そりゃ嫌にもなるよなあ。

そんな話を先日オンラインでしました。

その時にご一緒した方も
「子どものとき、ピアノの練習を親に強制されて音楽嫌いになってた」と(高校くらいになってから音楽と和解したそうですが)。

私もそうでした。
ピアノ嫌いでした。
練習しないと弾けなくて、でも練習嫌いでやらずに行くから毎回レッスンで先生に怒られて(今思うと当たり前だし私もたぶん怒る)。

音楽自体は得意だったのに。

それでも中学で吹奏楽部に入り、合奏楽しいじゃん!って思って音楽と仲直りできたから、実は嫌なのはピアノじゃなくて、強制されることだったのかもしれません(ピアノは部活を言い訳にして辞めました)。

実際、今はピアノってすげえなって思うし
(一度に10個も音出せるんですよ!!すごくないですか?)。


そして先月、「やらないとお母さんに怒られるし、もう嫌だ」「やりたくない」「めんどくさい」「もう絶対(塾に)行かない!!」と断言して、
月の半ばから一切来なくなって辞めてしまった生徒さんたち(兄弟)に、
もう少し何かできたんじゃないかな?と思っています。

お母さんも「(塾の宿題を)やってないことを怒るのに疲れました」と言ってたしなあ。

いろいろ申し訳なかった。

半月以上経ったけど、怒るネタ?が減ってお母さんがちょっとでも穏やかになってくれていたら良いな…。

強制せずに学べるようにするには、
「学ぶこと=楽しい」と思ってもらうのが一番良い、ということがわかってきました。

ここからどうするか。

そして自分も「やったほうがいい」と言われているのに後回しにしていることにどう向き合うか(なんか嫌だから後回しにしているんだろうなと薄々思ってる)。

これは誰からの強制でもなくて、自分がやりたくてやっていることだから、
たぶんできるはず。
というか、やるよ。
見ててね、この先の自分。




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