見出し画像

はじめに

介護に興味を持つ若い人に、その魅力を届けたい。そんな想いで僕はこのマガジンを企画しています。

 僕自身は薬剤師。介護が必要な高齢者のお宅に伺うことも少なくなく、そこでは介護職員とタッグを組み働いています。介護が必要な高齢者が、その人らしく幸せに生活できるように。介護職の人たちはそんな想いで、日々高齢者の生活を支えています。その人生の最終章に寄り添って。隣から見える介護職の仕事は、エモくて温かくて、そしてカッコイイものです。

それなのに、中学生や高校生が介護の仕事に興味を持つと、反対をする大人がいる…そんな話も時折耳にします。一部の大人だと信じたいのですが、「さみしいな」って正直思います。

「介護の仕事ってすげーんだぞ!」僕は声を大にしてそう叫びたい。その声は介護に携わる当事者たちよりも、その周辺で働いている僕たちの方が発しやすいんじゃないか。そう思ってます。介護の“隣”で働いている僕だから見えている景色。それを皆さんにお伝えできたらと思っています。

「介護福祉士国家試験」を題材にして

 試験っていうのは、その世界で活躍するため、こんな知識や技能を身に着けて欲しい。そんな想いが凝縮されています。高校入試や大学入試だってそうです。介護の世界で活躍するために必要な知識やスキルを問う試験。それが「介護福祉士国家試験」と言えます。
この試験の問題を紐解くことで、介護の世界の魅力や価値を若い人たちと一緒に考えていく。それがこのマガジンを作った目的でもあります。

 実際に試験を受けようと考えている子、勉強に取り組んでいる子であれば、そのまま試験対策として読み進めていくと良いでしょう(ちょっと効率という面では良くないかもしれないけど)。

 介護に興味を持つ中学生が「介護福祉士国家試験」の問題を覗いてみるのもきっと面白いと思う。すぐに何かの役に立つわけじゃないけど、刺激的なんじゃないかな。大人がやってることに触れるのって、なんかイイよね。僕も中学時代はそうだった。

僕自身の想い

 最後に僕自身のことをちょっとだけ。僕の祖父は、僕の中学生時代の頃から認知症に近い状態になって、だんだん困ったことが増えてきた。子供じみたことで激しく怒り出す、でもその声にはどこか悲しみの感情が混じっていた祖父の声が今も忘れられません。でも、そんな衰えていく祖父の姿を僕は認めたくなかった。だから祖父とは少し距離を置いて生活し、会話するのも意識して避けていた。本当は祖父のことをとても気にかけていたのに。

 君たちにはそんな想いをしてほしくない。身近にいる高齢者と素直な気持ちで関係性を築いてほしい。介護の世界で大切にしていること、それは君たち自身が身近な高齢者との関係づくりにもきっと役立ちます。

さあ、前置きはこのくらいにして介護の世界の大海原へ出航しよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?