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オンライン連続イベント【『福祉ナッ辞苑』編集会議】はじめます!

【ナッ辞苑】とは

行動経済学用語の【ナッジ】と広辞苑を掛け合わせた造語。
介護・医療・子育てなどの福祉分野において、利用者が前向きな行動選択をとれるようなちょっとした仕掛け。その知恵をみんなで集積し、みんなが暮らしやすい社会をみんなが自発的につくっていくきっかけづくりをめざすイベントです。

そもそも【ナッジ】って何?

 元々の意味は「ヒジで背中を軽くつつく」というニュアンス。「人々が自分自身にとってより良い選択を(強制ではなく)自発的に取れるような手助けする」をいう意味で広く使われています。
 コンビニのトイレで良く見る【きれいに使っていただいてありがとうございます(写真①)】の張り紙とか、レジで並ぶ時に、ソーシャルディスタンスを取るための足跡マーク(写真②)のようなものが一例です。
私自身も事業所(薬局)でも、手洗いを自発的に行うようなポスターをお手洗いに掲示しています(写真③)。また、私の勤務する薬局で行う高齢者向けフレイル予防教室では、メンバーズカードスタンプを完成させると[いつまでもおげんきで]という文字が浮かんでくる(写真④)…なんて猪口才な?!「ナッジ」を意識して、継続を促す仕掛けとしています。

 更に言うと、「間食を控えてみようかな」なんて発言した糖尿病患者さんに対して「やってみて血糖値がどのくらい下がったか、今度教えてください:ぽっ:楽しみにしてます(^▽^)/」なんて声をかけるのもひとつの「ナッジ」だと思っています

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写真①トイレをきれいに使ってもらうための仕掛け
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写真②ソーシャルディスタンスをとる仕掛け
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写真③手洗いを丁寧に行ってもらうための仕掛け
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写真④イベントへの継続参加を促す仕掛け

私自身が職場で問題に感じていること

 私自身、現在の職場では特に介護が必要な高齢者やその家族と応対することの多い現場で働いております。介護が必要な方に「自分自身にとってより良い選択を(強制ではなく)自発的に取れるような手助けする」ことが、生活の自立した方と比べても難しいな…というのが率直な感想。

例えば、睡眠薬を飲んでも昼夜逆転が改善しない高齢者に…
私「できるだけ、朝決まった時間に起きて、お日様の光を浴びることがひとつ、ポイントになるんですよ」
患者家族「本人、ずっと布団に居っぱなしで、外に出る気なんて全然ないんです」
私「………(苦笑い)」


 私自身は薬剤師をしており、介護職ではないのですが、多分介護の現場では私が遭遇している事例以上に、利用者さんへの「ナッジ」に苦闘していることが多いのではないでしょうか(想像ですけど)
 レクに参加してくれない、食事・水分を摂ろうとしない、服薬拒否、オムツの使用に抵抗する、通所サービスに行きたがらないetc…
(もちろん「No」の気持ちを尊重することは大切ですが、「No」が利用者さんや家族の不利益に直結するケースも多いと思います)


 そんな利用者さんに、自発的によりよい選択を摂れるような仕掛けづくりや言葉がけを、皆さんと一緒に考えたい。それがこのイベントを考えたきっかけのひとつです。

問題は介護だけじゃない

 そしてこういった問題、本質的に同じことが、福祉にかかわる世界ではあちこちで起きているのでは、と思うのです。

 私は子供がいないので実感があまりないのですが、子育てなんかその最たるものでしょう。教育、医療、障碍者福祉…様々な分野で同じことがきっと起こっている。

 そして、もうひとつの問題が無関心。介護や子育ての応援者がいなくて孤立してしまっている家族。そういったケアを必要としている人困っている人たちに市民に関心を持ってもらう。これも【ナッジ】なのです。そのための仕掛けをみんなで考えるのって結構面白いんじゃないかな。私はそう思っています。

イベントではどんなことを行うの?

オンラインで関心のある人たちが集まって、ひとつのテーマに関心を持ってもらう、あるいは行動を変えるきっかけになるような【仕掛け】をみんなで考えます。その内容をそれぞれの現場で実践してみた感想共有会も別途実施をする予定です。

第1回は2021年1月16日 テーマは【介護サービスに関心を持ってもらう仕掛け】

 第1回の詳しい案内と、参加方法については別の記事で後日まとめます。支援職の方でしたら翌日から現場で使えるような【仕掛け】。家族介護に従事時ている方でしたらその介護が楽になるような【気づき】。そして、今は直接介護に関わることのない人には介護に関心をもつ【きっかけ】。そうしたものをみんなで考えたいと目論んでおります。

あなたのアイディアが街の人を動かすきっかけになります!
(あ、この表現も【ナッジ】を意識してます)


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