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「綺麗な字」と「プログラミング」は、どちらの方が大切なスキルか?

ここ数日、現役のSEの方のこんなツイートがバズっています。

このツイート、多分日本の大企業に勤めているのなら確かにそうだろうな、と思うのです。僕自身もかつて日本企業に勤めていましたが、コードを書くのは下請けと新人の仕事という感じで、ちょっと立場が上な人の仕事は外注コントロールってしかやっていなかったからです。確かにコードが書けるよりも、声がでかくて字が綺麗なほうが出世する印象でした。字が綺麗というくらいしか特技がなく、パソコンを立ち上げてはソリティアをやっている人が部長なのが本当に解せなかったのを今でもよく覚えています。

プログラマの給与が異常に安い日本
しかしこれ、ちょっと海外に目を向けてみると事情は一変します。稼いでいるのは技術力のある人で、新卒のプログラマでさえ新卒で年棒1200万円とか貰っています。つまり、日本だったら少なくとも部長くらいにならないともらえない給与が、新卒の給与なわけです。

なお、これと同じことは日本国内で外資系に就職しても起こります。初任給で1200万円はなかなか行かないかもしれませんが、中堅のプログラマで1000万円くらい貰っている人、外資系ならザラにいます。余計なことをいうとやっかみを買うのでみんな黙っているだけです。

でもこれ、外国がどうこうってより、日本企業内でのプログラマの待遇が異常に悪いだけです。技術がある人は外資系や海外での就職、あるいはフリーランスといった道を模索したほうが賢明な選択でしょう。おそらく、生涯年収が1億円以上違ってくるはずです。

日本企業はどうなってきたか?
この「コードなんか書けなくてもいい。それより字が綺麗なほうが特」というかなり独特な企業文化が、一体どんな結果を生んできたか.... それはここ20年間の日の丸電機メーカーの凋落が何よりも雄弁に物語っています。シャープなどは3000億円以上もの赤字を抱え、かつて下請けだった台湾の鴻海精密工業に買収されてしまいました。シャープはまた最近息を吹き返していますが、これって、シャープのマネージメントが「字が綺麗な人々」から、生え抜きの台湾人に入れ替わったからじゃないでしょうか?

東芝も身売り話が続いていますし、サンヨーはだいぶ前に買収されてしまいました。リストラを敢行してなんとか生き延びている企業も少なくありません。これらがすべて「コードを書ける人」を大切にしてこなかったせいとは言いませんが、伸びている海外メーカーが「コードを書ける人」を大切にしているのはまぎれも紛れもない事実です。日本の大卒の初任給はおよそ20万円ですが、昨年、中国の電子機器メーカーのファーウェイ(Huawei)の日本支社が、新卒のエンジニアを初任給40万円で募集して大きな話題になりました。でもこれ、ファーウェイが中国でエンジニアに払っている給与の半分程度らしいです。怒涛のような勢いでIT革命が進む中、エンジニアを大切にしないというのは、自殺行為にしか見えないのですがどうでしょうか?

個人の生き残り戦略として、「字が綺麗な人」は正しいか?
では、次は企業の戦略ではなく、個人の生き残り策として「字が綺麗な人」を目指すのが正しい戦略なのか考えてみましょう。

字が綺麗なのは確かに特です。いまだに手書きの履歴書を望むような会社を就職先として考えているなら、圧倒的に大切なスキルと言っても良いでしょう。ペン字などを習っておくことをオススメします。得することはあっても損することはありません。

そういう企業に就職しない場合にでも、字が綺麗なのに越したことはありません。僕はとても字が下手なので、人前に字を書くのがどうにも苦手です。結婚式に行った時に記入する奉加帳とか、本当に嫌いです。せめて自分の名前と住所くらいは上手に書けたほうが、肩身が狭い思いをする回数が減ります。

しかし、もしも勤めている会社が外資に買収されたら、綺麗な字はあなたの職を保証してくれるのでしょうか? 転職をしたいとしたら、可能性を広げてくれるのは綺麗な字でしょうか? それともプログラミングのスキルでしょうか? 

私は中小企業を経営していますが、ぶちゃけ雇いたいのはコードが書ける人であって、字が綺麗な人ではありません、また、綺麗な字よりも、簡潔なメールが書けるとか、エクセルが使えるとか、中身のある提案書や仕様書やバグレポートが書ける人のほうがよほど重宝します。字が綺麗なのに越したことはありませんが、転職の選択肢を広げてくれたり、給与アップに繋げてくれるスキルではありません。

また、フリーランスに転身しやすいのも字が綺麗な人よりコードが書ける人です。取引先を連れてきてくれるのは綺麗な字ではなく、それまでに書いてきたコードです。

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個人の生き残り戦略に有効なスキルとは?
僕が経営している語学学校、Brighture English Aademy には転職の狭間にいる社会人の方がたくさんやってきます。色々な業種の人がきますが、特に多いのがITエンジニア、金融、コンサルティングの3業種です。また弁護士、医師、看護師といった専門的な職業に就いている方も少なくありません。金融系の方の中には、CPRを持っている人なども少なからず含まれています。

結局、手に職がある人は転職に困りません。そして英語を磨くことで、さらにチャンスを広げていくのです。最近も卒業生が一人、イギリスの金融機関の本社勤務となってロンドンへ越して行きました。今までだってかなりの高収入ですが、さらに年俸をあげるでしょう。最近ではすでに中国語ができるという方もたくさん来るようになってきました。

生き残り戦略に欠かせないのは「美しい手書き」ではなく、どう考えても「専門性+語学力」です。字を習うのもいいですが、語学力と専門性をしっかりと磨いておくことを強くオススメします。激動の時代を生き延びさせてくれるのはそういう力です。

なお、英語が学びたい方は、Brightureにぜひどうぞ。セブ島でビジネス英語をしっかり教えているのはうちだけです。身につけるべき英語力の目安としては、下記の記事を参考にしてください。これ、中国語とかに置き換えても同じことです。

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