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「いいね!」の向こう側にある世界

ソーシャルメディアは、今や社会のインフラです。ツイッターのアクティブユーザ数は全世界で3億3億3500万人、日本国内だけで4,500万人と言われていますが、こうなるともう完全に言論のプラットフォームです。トランプ大統領を始めとする世界中の政治家はもちろんのこと、芸能人も著名な企業人もみんなこぞってツイッターで自分の意見を振りまいています。

同じことはFacebookやInstagram にも当てはまります。もはやソーシャルメディアなしでは世の中が回らないレベルになっています。僕も東日本の震災をキッカケにTwitterを使い始め、気がつくともう7年も使っています。

アカウント凍結
さて、ツイッターを眺めていると「アカウントが凍結された!」というツイートが時折流れてきます。どうも特定の言葉を使うとダメなようです。この間も魚の捌き方を解説したツイートが原因となってアカウントを凍結された人が話題になっていました。

おそらく「切り方」「包丁」といった単語がボットの検索に引っかかったのではないかと思います。なんだか気の毒ですね。

自分がツイッターだったらどうするか?
では、もしも自分がツイッターの側だったらどうするでしょうか?

まず、言論の自由があるからといってどんな投稿でも許すわけにはいきません。普通に考えて犯罪の予告などをそのまま放置しとくわけにもいかないからです。また、子供が見るかもしれませんから、セックスや暴力的なシーンなども制限なしに載せるわけにはいかないでしょう。

また、基本的なスクリーニングは人間でなくボットにやらせるでしょう。3億人以上ものアクティブユーザがいるのですから、全てのツイートを人力でスクリーニングすることなどできません。「この言葉を含んでいたらダメ」みたいなルールを定めて、ある程度機械的に、基本的にはAIにやらせるしかないでしょうね。

さて、ここでふと疑問が湧いてきます。

一体だれが何の権限で、「SNSに載せていいもの」を決めているのでしょうか? それぞれの企業が勝手に決めてるのでしょうか?

そうだとしたら、例えば芸術とエロの境界線はどうやって引いているのでしょうか? 仮にヌード写真は一律に弾くとします。では、ヌードのイラストだったらどうするべきなのでしょうか? あるいは全裸写真だけれども、露出している範囲がビキニを着ている写真よりも狭いとします。それでもその写真はわいせつと判断するべきなのでしょうか?

あるいは人種差別発言はどうでしょう? 「〇〇人種はバカだ」はダメだとします。では「〇〇人種はゴリラそっくりだ。そう言えばゴリラってバカだよな。ってことは〇〇人種は?」という文章はどうでしょう?

もっと言ってしまうと、言論の自由は一体どうなるのでしょうか? アカウントを凍結されるかもしれないと考えて言いたいことを制限するのは、果たして健全な言論のプラットフォームと呼べるのでしょうか? それとも、どのSNSもそれぞれの私企業が勝手に作ったプラットフォームなのですから、彼らが勝手にルールを作るのに任せておけばよいのでしょうか? いまや現職の米国の大統領が様々なポリシーをアナウンスするのに使っているプラットフォームで、私企業にルールを決めさせておいてよいのでしょうか?

ルールづくりに苦しむ各企業
では次に、実際にこれらの企業がどのようにルール作りをし、スクリーニングしているかを見てみましょう。


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