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日本人は言葉で表現をする訓練が足りていない

日本で普通に暮らしていると、自分の存在そのものをガン無視されることってあまりありません。でもこれ、海外に住み始めた頃って割と普通に体験します。誰も日本人にたいした関心を持っていない上に、こっちもその国の言葉が喋れないとなると、この時点でほぼ空気同様の存在となるからです。

この、「自分の存在をほとんど認識されない状態」ってどうしてなかなか苦しいものです。理不尽な思いをしても、なんかおかしいと思っても何も言えません。たまに何か主張しようとしても言語能力が3歳児くらいしかないので、せいぜい「お腹がすいた」とか「頭きた」とかその程度しか言えないのです。そして、何度も屈辱的な体験をすることになります。

「言葉で表現できる」ということは、そのまま「力」なのです。アメリカに住む日本人の子弟を見ていても、英語がうまくなるにつれてクラス内でのステータスが上がり、周囲から見下されなくなります。外資系企業に勤務していても同じことです。ネイティブと対等に渡り合えるようになると必然的にバトルの回数も増えますが、その一方で簡単には侮られなくなります。

ですから、自分のモヤモヤした感情や、理不尽だと思うことを正確に言語化して主張できる能力は非常に重要です。普通に市民生活を送る上でも、ビジネスで成功する上でも、社内での立場を揺るぎないものにする上でも絶対に欠かせない能力と言っても過言ではありません。

言葉による表現能力を磨かない日本

そこで、「英語で表現できることを増やしましょう!」と言いたいところなのですが、その前に壁が二つ存在します。まず一つ目は、大半の日本人がそもそも日本語を用いての表現の訓練をほとんどしてきていないことです。

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