見出し画像

地球温暖化による思いがけない影響

僕は2日前の5月21日の大雨の中、日本にやってきました。飛行機が日本に近づくと、最後の30分くらいは低気圧の影響で揺れっぱなしでした。僕は頻繁に飛行機に乗っているので割と慣れっこですが、大抵の人はかなり怖かったではないかと思います。なおこの日の雨、静岡県では特にひどかったようで避難勧告が出されていました。

ここ10年くらいであまりにも天災が日常化してきており、徐々に感覚が麻痺しつつあります。今年もまた夏が近づいてきましたが、再びあの猛暑が繰り返されるのかと思うとかなりゲンナリします。去年の夏、僕はやっぱりちょうど帰国していたのですが、想像を絶する暑さにかなりビビりました。滞在中に大阪で講演をやったのですが、その前日には台風が大阪を直撃し、大変な被害をもたらしました。新大阪駅の新幹線の切符売り場は関空から帰国できなくなった外国人観光客でごったかえしていました。

その後カリフォルニアに帰ると、今度は史上最悪の山火事が待っていました。日本でも散々報道されましたが、本当に凄まじいものでした。僕もこの最中に一度山火事について記事を書きましたが、あまりに想像を超える規模で、全くなすすべがないような状態だったのです。ちなみにこの火災で、東京都全体の38パーセント相当する849km²(東京ドーム18,063個分)が消失しました。本当に地獄絵図としか言いようがありません。

またこの火災の影響により、カリフォルニア北部を中心とする一帯が、北京よりもひどい大気汚染に見舞われたのです。防塵マスクが即座に売り切れ、小中学校が休校となりました。もうカリフォルニアに20年近く住んでいますが、後にも先にもこんなことは体験したことがありません。

そして火災がようやく収まると、今度は打って変わって記録的な豪雨に見舞われたのです。焼け落ちた山は土壌を支える樹木がなくなったため、土砂崩れなども起きたようです。そしてこの雨はなんと4月下旬になるまでずっと断続的に続いたのです。

同じ頃、息子が住むニューヨークは大寒波に見舞われていました。かつては百年に一度しか起きなかったような規模の災害が、普通に毎年、しかも、下手すると年に数回起こるようになってきています。しかも、それが世界規模で起きているのです。それでもまだ二酸化炭素を出しまくってるんですから、人間の愚かさって本当につける薬がないな、としみじみ思います。

心理的な不安を残す大災害

山火事が鎮火した時には心底ホッとしましたが、間髪をおかず長い豪雨に見舞われたことで、「ああ、今後はこれが日常になるのだな」という拭いきれない不安が心に残りました。そう。人間は自然を征服したかのようなつもりでしたが、全ては再びお天道様任せの時代に戻ったのです。この心理的不安は僕だけのものではなく、多くの人を捉えたはずです。

先進国で生活していてもこれなんですから、大規模災害に恒常的に見舞われる発展途上国での不安は一体どのようなものでしょう? インフラも救援体制もあまり整っていませんから、一度被害に襲われるとなかなか収拾がつきません。例えば2013年にフィリピンに上陸したヨランダは死者6,201人、負傷者28,626人、行方不明者1,785人、被災者数1,600万人以上という未曾有の被害をもたらしました。復旧には年単位を要し、未だに元の通りには戻っていないようです。

それでもフィリピンは政権が安定していますが、もしもこのような被害が政権の安定してない途上国を何度も襲ったら、一体その先には何か起きるのでしょうか? 人々の心理状態はどのように変わっていくのでしょうか? 先進国への影響はどのようなものでしょうか? 今日はその辺りについて考察してみたいと思います。

※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月20本くらい読めるので1本50円です。

ここから先は

1,963字

¥ 100

もしこの記事を気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです!