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近所の駄菓子屋さんの話。

最近これまでの自分の人生の振り返りをしていますが、なんとなくの記憶はあってもそれがいつだったのかが曖昧な部分が多くて、なんとも難しい。

なので、今回はトピック別で書いてみます。

私の家の近くには駄菓子屋さんがあります。いや、今思ったけど、駄菓子屋さんだと思っているのは、そこに行く目的が駄菓子だからなのであって、大人になった今冷静に考えると、普通に小売店です。地元のローカルコンビニ。

子供の頃はしょっちゅうそこに行って駄菓子や飲み物を買っていました。お兄ちゃんのパシリで行くことも多々。「お前の分の駄菓子も買っていいから行ってきて」「やったー!」みたいな。(笑)まあそれだけ私も駄菓子が大好きだったわけです。

そんな風にお世話になっていたお店ですが、いつだったか私はある日悪いことをしてしまいました。悪いことといえば、もう見当がつくとは思うのですが……。突然の悪事の告白、ご容赦ください。

今あるかはわかりませんが、当時ピンキーというお菓子がありました。小さいプラスチックの容器にラムネのような小さいタブレットが入っているお菓子。あのプラスチックに入っている感じがなんとも高級感があって、200円くらいしたのかな?自分のお小遣いで買うには勇気のいる商品でした。

欲しいけど、高い。となったらポッケに入れちゃおう、とそこまで短絡的に考えていたわけではないですが、一度でいいから手に入れてみたい、という思い、そして状況的にも地元のおじさんおばさんがやってるだけあって、レジには基本誰もいないし、他のお客さんはだれもいないし、防犯カメラもあるけど、果たして本物なのか、うーん、と当時小学生だったか中学生だったかわからないけれど、そんなことを考えて、バレないだろうと、結果的にやってしまったのです。

立派な犯罪です。こんなこと書くなんて間違ってるかもしれませんし、今でも決して許されないことだと思っています。

美談にするつもりはさらさらありませんが、どうしても罪悪感が拭えず、どうにか自分の過ちを清算したいという身勝手な思いから、高校生の時にお店に行って正直に謝りました。

「すいません、ちょっとお話ししたいことがあります。昔よくこのお店にお菓子を買いに来ていたのですが、1回だけお菓子を盗んでしまったことがあります。本当にすみません。許してもらえないとは思うのですが、商品の代金を払ってもいいですか?」そのようなことを伝えたと思います。

そのおじさんは、なんとも言えない表情をしていたような気がします。そして「その気持ちが素晴らしいから、代金はいらないよ。」と言いました。私はただ謝ることしかできませんでした。「またおいで」と言われたけど、それ以降行くことはありませんでした。

嬉しいような、憂しくないような、悔しいような、情けないような、苦しいような、もどかしい気持ち。

大人になった今もその痛みを思い出します。事実から逃げることができない。一度過ちを犯してしまったら、そこから解放されることはやっぱり出来ないのでしょうか。

あれから10年以上。いまだにそのお店は営業中。
おじさんおばさんは今でも元気なのか。
これをきっかけに、勇気を出して、寄ってみようかなと思いました。

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