忘却の彼方から舞い戻ってきた『鳴いたキジ』と語らう、ノスタルジックな夜
4年振りに再登板
白シャツ着ては袖をまくると、
殺風景な手首周りに色気がない。
こういうとき、腕時計やブレスレットなどの小道具使いにセンスを問われるわけですが、セレブなイケオジ・戸賀 敬城氏クラスなら、
“オーデマ ピゲ”のロイヤルオークだとか、
“エルメス”のシェーヌダンクルなんかを着用するのでしょうけど…
そこら辺の一般ピーポーに、そんなものを買うゼニはない(金あるやつは、これ買っとけ)。
さすれば、金ないやつは代替品で乗り切るしかないのです。
いくらか知識のある腕時計に目を向けると、この季節の白シャツに理想的な『お伴時計』なら、ベルトはメタルブレスの一択(ここに来て、わざわざナイロンやラバーベルトでハズしにいく理由がない)で、その本体もタフネスさが売りのアウトドア派とかだと、「チョットチガウ…」展開に。
ドレッシーな『顔つき』がマストです。
「そんなの、あったっけ?」と、引き出しをまさぐると…出てきたのは、“オメコ”の初代シオフキマスター プロフェッショナル。
お久しぶりでございます♡
忘れていたあいだに、当方の予想通り“オメガ”の逆鱗に触れて撃ち落とされていた、あの『鳴いてしまったキジ』。
現在は“オメガ”だけでなく、あちこちのブランドを模倣しては完全に方向性を見失ってます。
(やけになって乱発した、強引なエロネーミングが痛々しい)
近所のホームセンターでことごとくコマ詰めを断られ、
ベルトを社外品に交換して着けておりましたが、それにも飽きると『お蔵入り』していました。
ラウンド型腕時計のメタルブレスは、弓カンあっての隙のない姿が完ぺきなフォルム。
(ベルトのエンド形状がストレートだと、換装したときラグ周りに隙間ができて間抜けに…)
やはり、純正ブレスが1番サマになる。
そういや…
GIFアニメの得意な『パラパラニキ』が、
『街の時計屋さん』でクォーツ式時計の電池交換をしてきた話があったな。
時計店か…
言っときますけど、ニキは瀕死の機械式時計を生き返らせることができる、『シャクティパット』の使い手ですよ。
シャクティパット・グルです。
定説によると、そんなニキなら腕時計のボタン電池を替えるとか朝飯前のはず(目を瞑っててもやれると思う)なのに、あえてプロに依頼をしたのは?
…
…
「迷わず行けよ、行けばわかるさ」って、『天の声』が聞こえた気がする。
潮マスを握りしめると、すぐさま家を飛び出すのです。
時が止まった時計店
商店街によくあった、むかしながらの『3点セット』(時計・宝石・眼鏡)を取り扱っている個人商店。
この田舎町に商店街はないけれど、そういった店が徒歩圏内にある。
行ってみると、定休日じゃないのにシャッターが閉まってる…
その雰囲気から、店を畳んでしまったのかもしれません。
ほかに心当たりがないのでグーグルで探すと、1級時計修理技能士が在籍している創業70年の時計店がヒット。
(ニキの行きつけも、たぶんこんなカンジ↑)
「到着!」
緊張しているのを悟られぬよう、おもむろに用件を告げるのです。
店の主は快く出迎えてくれましたが、いかんせん初対面の2人。
もちろん、時計の裏ブタに前回の電池交換日付が書いてあるわけもなければ、一見客相手に昔話などをするはずはなく…
無言のまま、小気味よいハンマー音を店内にひびかせながらのベルト調整は、ものの10分ほどで終了(さすがは職人、仕事がはやい)しました。
潮マスは、2コマ抜かれてベストフィット。
せっかくだから、このまま着けて家まで帰ろう。
「おいくらですか?」
「千円です(▶昔話に付き合うのミッションをクリアしていないので定価)」
と言われ、財布から現金を取り出して支払う。
こういう昭和レトロな店で、「じゃあ、◯◯Payで」だとか今どきのキャッシュレス決済(コード決済には対応してたけれど)を指定するのは、なんだか無粋な気がするのです。
潮マスのベルト調整をしてもらうことはもうないけれど、電池が切れたら(購入から4年経っても、まだ動いている)またお世話になろう。
そう思いながら店を出たあと西の空を見上げると、暮れなずんでいたのでした。
noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰