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私に生きる意味を教えてくれた、ある男の子との物語。

「たった1度しか会わなかったとしても
自分にとって忘れられない大切な人がいる」


・・・・・・もしかしたら、この言葉を聞いて、
ふと、誰かの顔が浮かぶことがあるかもしれません。

私には、今の仕事に巡り合うキッカケとなった、ある小学5年生の男の子との特別な出会いがありました。

●1.ある小学生に起きた奇跡の物語

それは、7年前に千葉県のある公立小学校に、
イラスト授業の講師として訪れた時のことです。

「先生!今日の授業すごく楽しみなんです!」
「私にもイラスト描けますか!?」

その日、体育館に集まったのは小学5年生、約130名。集まった子どもたちは、普段とは違う特別な授業に、とてもワクワクしている様子…。

体育館の写真

私たちが用意していたプログラムは、「感情表現をイラストで描く方法」という、90分間の「イラスト授業」でした。 

丸や棒線を使って顔のパーツを描き分けることで
「嬉しい」「悲しい」「怒る」「驚く」など、
いろいろな感情表現を簡単なイラストで描けるスキルを学びながら、子どもたちはもう、大変な盛り上がりでした。

写真 1 (4)のコピー

思い思いのストーリーを作りながら、それぞれの個性が溢れる素敵な作品が出来上がっていきました。

そして、授業の最後に、私が、

「何か質問ありますか?」と聞くと、

いちばん後ろに座っていたある男子生徒が、思いきり手を挙げて、
スクっと立ちあがり、こう言いました。

手をあげている写真


『先生、僕にこんな才能があることを
気がつかせてくれて、ありがとうございました!』

この言葉を聞いて、「しっかりとした発言ができる生徒さんがいるなぁ!」と素直に感心していたのですが、ふと、その男子生徒の斜め後ろを見ると、

授業を見学に来ていた校長先生と学年主任の先生が、涙ぐんでいらっしゃる姿がありました。 

「…えっ!?」

体育館2


●2.男の子の衝撃の過去

そのお二人の光景が、なんとなく目に止まり、心に残ったまま、授業の後の校長室でその涙の理由を尋ねてみることに。

すると…。校長先生が、
何かを思い出すようにしながら伏し目がちにこう仰ったのです。

「実は、あの子はね。2年前にお母さんが急に亡くなって以来、宿題はやってこない、テストは白紙で提出する、授業中はじっと座っていられず、フラフラしてしまう。我々大人がどんなに言っても、誰の言うことも聞かない、そういう子になってしまったのです。

それが、今日は90分、じっと座って、一度も席を立つことが無く、楽しそうに授業(講座)に取り組んでいる。あの子のあんな姿は、久しぶりに見ました。 さらに、最後、自分から手を挙げて、あのような言葉を言うなんて・・・。」

言葉に詰まっておられる校長先生のお話を伺いながら、私たちは、彼が描いた作品を探して見てみました。

「!!??」

その絵を見た瞬間、私は堪えきれずに
涙が溢れてしまいました…。

そこには、彼が今までうまく言葉に出来なかった心の奥底の深い悲しみや、やり場のない怒りなどが、

イラストやセリフ、そして、鮮烈な色彩となって、現れ出ていたのです。

それはもう、凄まじいとも言える、彼の想いの吐露でした。

おそらく、彼の中で、突然お母さんを亡くしてから、これまで
うまく言葉にすることができなかった悲しみや怒りなどの強烈な感情が、絵を描くことでひとつずつ解放されながら、自分自身の「想い」を表現できたのでしょう。 

どうして、自分ばっかり、
大好きなお母さんを
失わねばならなかったのか。

どうして、自分ばっかり、
こんな寂しい想いを
しなければならないのか。

大好きなお母さんに、
甘えることも許されないのか。

大好きなお母さんに、もう
「ただいま!」を言うことも、
できないのか。

大好きなお母さんに、
おやつを用意してもらうことも
できないのか。

お母さんを亡くしてから、彼のなかに渦巻いていた、やり場のない悲しみ、どうしようもない怒り、そして、言い様のない寂しさ…。

その痛ましい気持ちを思うと、彼のイラストを見ながら、私自身も、涙が溢れて止まりませんでした…。 

先程の体育館の授業での、あの言葉。
『先生、僕にこんな才能があることを
気がつかせてくれて、ありがとうございました!』

彼は、あの時、自分からそう言ったのです。 

校長先生の涙の意味が、改めて、私の胸に突き刺さってきました。

彼自身がこれまで、内側に押し込めていた、言葉に出すことができなかったやりきれない感情のエネルギーが、イラストを描くことを通じて、解放することが出来たこと。 

それによって、彼自身が、自分の中の深い悲しみ、怒り、寂しさ、そして、これからの未来に向かう希望と才能を、自分のなかに、明確に見出すことができたこと。 

そして、その瞬間に、私自身が、イラスト授業を通じて、立ち会うことができたこと。

私は、この時、イラストを描く技術そのものが、人の心そのものを解放し、その人の本来の才能や可能性を引き出す力があることに、深く気付かされたのです。

写真 2017-09-28 12 14 26


●3.私の中で目覚めた瞬間


7年経った今でも、その時の彼の表情は、鮮明に思い出すことができます。
イラストを描くことで、自分の心の奥底の想いを見える化して、自分のトラウマや過去を解放し、その人の真の可能性や未来を描き出すことができる。

あの体育館でのイラスト授業。

そして校長室での、校長先生の涙。

男の子の衝撃の真実。

その時の強烈な体験から、私自身の情熱が芽生え、イラストを描く技術を使い、感情を解放し1人ひとりのなかに宿る、素晴らしい可能性や才能を引き出すプログラムを作って伝えていきたい!という、

現在の仕事の原点になりました。

ワークシート


●4.どのようなことにも希望を持つ


「はじめまして」の記事に書かせていただきましたが、実を言うと、私自身も、かつては自分自身の感情と向き合うことができないくらい、辛くて悲しい、身を切られるような経験をしたことがあります。一時は、私の人生を諦めてしまおうかと思うことすら、ありました。 

でも、「その思いから抜け出し、変わりたい!」と、勉強しはじめた時に、私は、自分自身の「生きる意味」を教えてくれる出来事に出会ったのです。

イラストを描きながら自分の感情と向き合い解放すること、脳科学・心理技術・見える化で、自分の心と無意識のパターンを書き換えることを通じて、人生そのものが、大きく変わっていく経験をしました。大切なパートナーと出会い、自分の情熱を注げるライフワークに巡り合うこともできました。

私自身が経験した、女性としての痛みと、壮絶な悲しみ。そして、それを乗り越えた運命的な出会いと経験。やがて、それを伝えるなかで、あの小学校での男の子と出会いました。

人生の物語は、心と心を繋ぎながら、再び巡っていきます。 

絶望することはない。

どのような出来事にも、意味がある。
どのような時にも必ず、希望を持つ。

そして、もし、生きる意味を見失いそうな時には、「自分にとって忘れられない大切な人」のことを思い出してみませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(*子どもたちの写真は許可をいただき掲載させていただいております*)

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●まつだりえ
・イラスト思考シニア講師
・トランス・フォーメショナルコーチ
・イラスト自己分析プログラム開発者

【私のMission(理念)】
*人の情熱を掘り起こし、
自分の人生に情熱を持ち続けて生きる人たちを増やす

【私のVision (ビジョン)】 
*誰もが自分の才能や可能性をひらき、
お互いの価値の循環が響き合う世界をつくる

【最新の「イラスト思考メソッド」】
体験セミナーは、下記からご覧いただけます。
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