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複数の時間でチャートの「強気?」or「慎重?」を判断する〜MTF分析〜

この記事では、チャートを見ながら
今の相場を「強気」と捉えるか「慎重」にみるのかを客観的に判断するための
誰でも使えるノウハウを紹介します😉

その内容は2つのノウハウの合体技という、ちょっとした応用編です。

まだ未読の方は、先に
波動理論によるトレンドの確認方法と、

それが時間軸の上位と下位とでマトリョーシカ人形のような入子構造になっているフラクタルのお話を
先に読んでいただいた方がわかりやすいかと思います。

その波動理論とフラクタルな環境認識の合わせ技が、
今回のマルチ・タイム・フレーム分析となります。

具体的な売買ポイントや、
大負けしないためのロット操作によるリスクマネジメントなど
実践的な内容にも触れながら進めたいと思います😊


1:マルチ・タイム・フレーム(MTF:Multi Time Frame)分析への応用

1−1:チャートの実例〜上位足と下位足のトレンドの一致を見極める〜

まずは、
ナスダック100のチャートを実際にみながら、
MTF分析の初歩を体感してみましょう。

ナスダック100・週足


ナスダック100・日足


ナスダック100・4時間足


このように見ると、
「N」字の大きな流れに沿って
・ロング(買い)で儲けたいところ
・ショート(売り)で儲けたいところ
があります。

特に、
日足や4時間足だと、真ん中の下落が大きく見えます。

そこではアクティブ運用をする人は
「ショートでも一発、儲けてやろう!!」
という判断に誘われてしまいがちです。

しかし、週足で見ると、
真ん中の下落は、かなり限定的な印象に変わり
上昇トレンドの中の単なる一時的な調整に過ぎない事が明確に分かります。
ここでショートを狙うのは、「逆張り」と言われるものです。

では、この一時的な調整段階にて、
逆張りショートで利益を得ようとした時に、
どのくらいのリスクを冒す価値があるでしょうか?

ここで大きなロットで勝負に出てしまう人は、
相場で長く生き残ってはいけません。

特に本職が別にあってトレードに十分な時間を割けない兼業投資家の方々は、
上位足が上昇トレンドの時に下位足でショート(売り)を仕掛けるくらいなら、
他に上位足と下位足のトレンドが一致している他の指数や銘柄を探すか、
少し休んで情報集めや頭をクールダウンする期間にする方が、
着実な資産形成につながるでしょう。

基本的には、
上位足のトレンドが上昇か下落かを確認して、
下位足のトレンドがそれに一致しているときに、
トレードを行うことが高い勝率に結びつきます。

トレンドのなかの一つの波の値幅は、
調整より順向の波の方が必ず長くなるので、
利益を伸ばしやすいからです。

もし一致していないトレードを行う時は、
ロットを少なくするなどしてリスクを最小化する工夫
が必要です。

ちなみに私は、週足と日足の一致を重視しています。


1−2:複数の足から環境を認識するMTF分析

このように、
複数の足がフラクタルな関係にあると理解して、
それら複数の足を照らし合わせながら相場を分析する手法を、
マルチ・タイム・フレーム(MTF:Multi Time Frame)分析と言います。

私は、
①波動理論をベースとしてトレンドを認識し、
②MTF分析を併用しつつ相場の状況を把握しています。

他の分析手法も色々とありますが、
これが一番大切な基本中の基本だと考えています。

*MTF分析には、波動理論以外にも、移動平均線や一目均衡表、オシレーターなどを複数足の間で組み合わせる方法もあります。

しかし、それらは
波動理論とフラクタルな環境認識をあわせたMTF分析を前提
とした後に取り入れる、
という順番が効果的だと私は考えています。


2:具体的なトレード実践例

2−1:ナスダック100での短中期トレード実践例①

波動理論とフラクタルな環境認識の合体技であるMTF分析について
ナスダック100の実践的なトレードをもとに考えてみましょう。

先程に見た期間のナスダック100のチャートを
週足と日足で重ね合わせて見てみると、
次のようになります。

この時、次のように日足の波動を引き、
上昇トレンド発生の高値更新のポイント
下落トレンド発生の安値更新のポイント
を確定する事ができます。

単純にトレードで実践するなら
Point①でロング(買い)ポジションを購入
Point②でロング利確、ショート(売り)ポジション購入
Pont③でショート利確、ロングポジション購入
となります。

これを基本とすることで、
トレンドに乗りつつ高い確度により
今後のチャートの値動きを予測して
確実に利益を得られます。

この時、MTF分析を取り入れると
週足のトレンドと日足のトレンドを一致させることで
リスク管理ができるようになります。

例えば、
逆張りの場面ではロット数設定を低くします。

具体的には、
Point②でのショートポジション購入を、
Point①③でのロングポジション購入の、
30%〜60%くらいの資金で行うこと。

上のチャートだと、
Point②よりもPoint③の方が下にあるため
たまたまショートで利益が出ています。

しかし、Point②よりもPoint③の方が上にくることもよくあります。
そのため、損切りのリスクを考えると、ロット数を少なくすることは合理的です。

具体例を、次に紹介します。


2−2:ナスダック100での短中期トレード実践例②

先程の実践例①と同様に
綺麗な「N」字を描いた週足のチャートです。

この調整部分をショートで取りに行こうとした場合、
日足で見ると次のようになります。

このように、
週足の第2波動・調整⬇︎(下落)の一つの波の中では
日足だと下落トレンドの第3波動までしか伸びませんでした。

その後に
週足は第3波動・順向⬆︎(上昇)に向けて動き出し、
日足も上昇トレンドに転換しています。

その結果、
Point②よりもPoint③の方が上にくることになり、
相場に張り付いて小さな値幅の利確をするか、
損切りをせざるをえなくなります。

上位足で発生したトレンドの調整局面で、
下位足で逆のトレンドでポジションを取る「逆張り」には、
逆張りトレンドが長続きしづらく値幅も伸びにくいことからも、
リスクがつきまとう非効率なトレードになりがちなのです。


3:まとめ

前回までと今回の記事をもとに、
環境認識の基本的な方法を簡単にまとめると
次のようになります。

上位足と下位足のトレンド方向が一致=強気OK
上位足と下位足のトレンド方向が違う=警戒・慎重


上位足と下位足をもとにした波動理論による基本的な環境認識

投資を始めた頃の私は
ドラゴンクエストでいう「ガンガンいこうぜ」しか
作戦が使えない冒険者でした😞

そのため、多くの損失を出してきました。

現在では、
「波動理論」と「フラクタルな環境認識」を組み合わせた「MTF分析」によって
そういった【リスク管理ができていないゆえの損失】はほぼ無くなりました

「いのちをだいじに」を選ばねばならないタイミングが、
相場には必ずあるのです

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊

*免責事項
本記事は、資産運用に関する「テクニカル上の情報提供」を目的としています。取り扱っている内容については万全を期していますが、内容の完全性、信憑性を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害につきましても、本情報の発信者はその責を負うものではありません。本記事が提供する情報をどのように選択、判断、活用されるかは、視聴者様の自己責任によります。

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