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睡眠の要素や疲労の客観的指標を調査しつつ良い睡眠を考察する

睡眠の種類

睡眠は、以下に分類される。

  1. レム睡眠

  2. コア睡眠

  3. 深い睡眠

レム睡眠

レム睡眠は、Rapid Eye Movementの略で、眼球が高速で動くことが特徴。この睡眠は、夢を見るときに発生し、脳が活発に働く状態になる。通常、1日の睡眠時間の20〜25%がレム睡眠だ。
研究によると、レム睡眠は、記憶の定着や学習能力の向上に関連していることが示唆されている。また、ストレスや不安に対する調整も行われる。レム睡眠の割合が減少すると、うつ病や不安障害などの精神障害のリスクが高まることが知られている。

コア睡眠

コア睡眠は、深い睡眠の一種で、体が修復されるときに発生する。この睡眠は、筋肉の回復、免疫機能の強化、成長ホルモンの分泌など、身体機能の回復に関連する多くのプロセスに必要だ。通常、1日の睡眠時間の15〜20%がコア睡眠である。

深い睡眠

深い睡眠は、体が修復されるときに発生する。この睡眠は、筋肉の回復、免疫機能の強化、成長ホルモンの分泌など、身体機能の回復に関連する多くのプロセスに必要。通常、1日の睡眠時間の10〜15%が深い睡眠である。

コア睡眠と深い睡眠の違い

コア睡眠も深い睡眠も、身体機能の回復に関連するプロセスに必要だが、深い睡眠は主に脳が休息し、エネルギーを回復するといった脳機能の回復に関与する。

レム、コア、深い睡眠の最適バランス

レム睡眠が脳の情報整理、コア睡眠が肉体の回復、深い睡眠が脳の回復の機会となるならば、これら睡眠の最適バランスは、脳・肉体の疲労度合いによって采配されると考える。
また、脳・肉体の疲労度の合計に応じて最適睡眠時間が伸長したり、普段より少量に抑えられるのではないか?
さらに、睡眠に必要な材料をサプリメントのように追加で補うことができれば、睡眠による脳・肉体の回復効率を向上させ、睡眠のパフォーマンスを向上させることができるのではないか?
脳の疲労度合いは、一般的には「脳波のアルファ波の強さ」や「脳活動の測定値」などで表される。アルファ波とは、神経細胞が細胞膜のイオンチャネルという穴からイオンを出し入れすることで細胞内外に発生させた電位差を観測した脳波の一つ。(脳波は周波数に応じて分類される) また、最適睡眠時間については、個人差があるが、一般的には成人の場合は7〜9時間程度が推奨されている。疲労度合いに応じて、睡眠時間を調整することで、睡眠のパフォーマンスを向上させることができるかもしれません。
さらに、睡眠に必要な材料を補うことができるサプリメントもある。ただし、これらの効果については科学的に証明されていない場合が多く、健康的な食事やライフスタイルを維持することが最も重要である。

学習量とレム睡眠について

レム睡眠は脳の情報整理を行うということは前章で述べた。学習と関係している。では学習の変化によって、レム睡眠の理想状態は変化するのだろうか?
まずは基本的なところから。基本的にレム睡眠の時間は全体睡眠時間の20%だといわれている。学習量が多い場合、この割合が増加するのか?というのが問いである。しかし、ここには考慮しなければならないことが他にもある。睡眠時間の使い方を決めるであろう学習量、肉体疲労度、脳疲労度の割合であったり、学習が多いか少ないかを判断できる学習量の数値化である。
学習量の数値化については、まだ存在しないという答えが適切に感じられる。ニュースリリースを見るに、現段階では「様々な認知タスクが人間にどれくらいの負荷を与えるか、精神的疲労などを定量的に評価することができるようになる可能性」が示されている段階であるからだ。可能性の段階であって、現実段階まで到達していない。
学習量、肉体疲労度、脳疲労度の割合と睡眠のバランスについてはさらなる調査の余地がある。

脳の回復のための睡眠について

睡眠によって脳が回復する。疲労していた脳を修復するのだ。脳の疲労の状態は脳波によって観測できる。脳波は次のいくつかの分類を持つ。

  • ベータ波(β波):14~30Hzの高周波。意識が清明で集中しているときに見られる。

  • アルファ波(α波):8~13Hzの中周波。安静閉眼時やリラックスしているときに見られる。

  • シータ波(θ波):4~7Hzの低周波。睡眠初期や深い瞑想状態などに見られる。

  • デルタ波(δ波):0.5~3Hzの超低周波。深い睡眠時や昏睡状態などに見られる。

脳の活動状態と脳波が関連することは分かったが、脳の疲労状態と脳波の関連は掴めない。これに関するものとして自律神経の状態の分析がある。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つからなり、体の機能を調節する。交感神経は活動時や緊張時に働き、副交感神経は休息やリラックス時に働く。この自律神経が疲労やストレスによって影響を受ける。疲労、特に脳の疲労は、脳の働きが低下し酸化ストレスが増えた状態のこと。
脳の疲労によって自律神経が乱れると、以下のようなことが起こる。

  • 交感神経が過剰に活性化することで心拍数が上昇し、不安やイライラを感じる。

  • 交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、睡眠障害を引き起こす。

以上のように、脳疲労によって自律神経は不安定で不調な状態になると言える。不安定で不調な状態というのは、心拍変動が全体的に低下する状態である。
心拍変動とは、心臓の拍動間隔の変化のことで、これを測定することで自律神経の活動度やバランスがわかる。
ここ一週間の心拍変動の最小値は18ms、最大値は149ms。心拍変動は心拍間の変動。

心拍変動のイメージ

起床後から就寝前までの心拍変動の平均値の大小に応じて、睡眠時間は定まるのではないだろうか。

睡眠に関するコンテンツ
https://wired.jp/video/watch/tech-support-sleep-expert

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