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「カレンちゃんのお花畑」第一章 可憐にて

ある町に「カレンちゃん」という女の子が住んでいた。

歳は10歳くらい。

カレンちゃんはおばあちゃんの影響で「花」が好きだった。

だから「普通」の人と違って「花」を見る目が違う。

普通なら通り過ぎてしまう「道端のたんぽぽ」とかにも興味があって

それを学校の先生とか親とか友人とかに見せるのが好きだった。

誕生日の日にお母さんが「植木鉢」を買ってくれた。

それを嬉しそうに近所の人に見せて歩いているとその中のひとりが

「花の種」をくれた。

早速カレンちゃんは植木鉢に「庭の土」を入れて種を植えて水をあげた。

するとその夏には見事な「ナデシコ」の花が咲いた。

「やったー!咲いたよ!きれいだなぁ」

そんな様子をおばあちゃんは見ていた。

すると、おばあちゃんが言った。

「じゃあ、今度の休みにとっておきの場所に行こうか、お花も沢山あってきれいな場所だからね」

そういうとカレンちゃんは

「うん!」

と嬉しそうにうなずいた。

休みになると居ても立っても居られなくなって

「おばあちゃん!早く行こうよ!」

とせがむカレンちゃん。

「はいはい。カレンは花のことになると夢中なのね」

おばあちゃんはそんなことをいいながらカレンちゃんと手をつないであげた。

「どこにいくの?」

カレンちゃんは興味津々に聞いてきた。

おばあちゃんは優しい声で答えた。

「おばあちゃんが育てた花畑さ。カレンが生まれた時に作ったんだよ」

「そうなんだ!楽しみ!」

そういうとおばあちゃんは自分の花畑へカレンを連れて行った。

その花畑をみたカレンちゃんは「衝撃」を受けることになる。

その「おばあちゃん」の花畑に咲いている花は

「素晴らしく力強く、そして素晴らしく美しかった」

自分の植木鉢の出来に興奮していたカレンちゃんは「すごいもの」を見せられて少しショックを受けていた。

「・・・私の花よりもすごいね」

少ししょげるカレンちゃん

するとその様子をみていたばあちゃんが言った。

「すごいでしょう!・・・でもねカレン。あなたが育てたようにおばあちゃんも最初そうやって花に触れたの。

いいのよ、最初はそれで。

「自分」で何かを「育てる」っていうことを実感したんだから。

あの「ナデシコ」の花は決して失敗じゃないの」

とても優しい顔をしていた。

するとカレンちゃんは落としてた顔を上げておばあちゃんを見上げた。

「私にもできるかな?こういうお花畑」

おばあちゃんは答えた。

「ああ、できるともさ。そうさせるためにここに連れてきたんだから」

おばあちゃんは付け加えた。

「今日はいーっぱい「見つける」ことをしようか」

「みつけること?」

そうだよ、それが「このキレイな花畑を作るために必要なことだからね」

「わかった!」

カレンちゃんは「素直」におばあちゃんに言われたとおり

「みること」をはじめた。

すると面白いことが見えてきた。

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