●200字小説「歩道橋」

 深夜。あなたの右手にはアイスが入ったコンビニの袋。あなたの左手には私の右手。
「こっちから行こうよ」
 あなたに連れられて歩道橋をのぼる。歩道橋の下には、タクシーのライトに照らされたアスファルト。
「歩道橋って怖くない?」
 私の呟きにあなたは笑う。
「可愛いな。高い所苦手なんだ?」
 私は首を横に振る。
「うっかり落としてしまわないか怖いの」

 アスファルトにはあなたとコンビニの袋。アイス、食べ損ねちゃった。

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