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私を食べ尽くした彼は満足そうに眠る。彼の腹の中は温かで、恋する彼に抱かれる幸福の中、私…
お隣さんは幼稚園に通う女の子がいるご家族だ。女の子は毎朝ゴミ出しをする。 雨の日でも…
鳥の羽が落ちていると思い拾ってみると、それは天使の羽だった。白くてふわふわとしたそれは…
弟のブタの貯金箱を割った。漫画を買う金が足りなかったから。そして悪事はすぐにばれた。 …
私のママは綺麗。みんなもそう言ってくれる。 最近のママは鏡を見ることが増えた。そろそ…
ばあちゃんちの居間の鴨居には、先祖の遺影がずらりと並ぶ。昨年そこにじいちゃんも仲間入り…
少しだけ開けたカーテンの隙間から外を見る。かれこれ八時間。電柱に身を隠すようにしてあの男はずっといる。 今日に限ったことではない。二年ほどあの男はこの家を見てるだけ。 「モテるのも考えものだな」 家主である女に声をかけるが、返事はない。愛しの女はただの肉塊となり、床に転がるだけ。もちろん、そうしたのは僕。 もう一度隙間からあの男を見る。お前がそこから見るしかできなかったこの場所に、僕はいるよ。
発熱、頭痛、喉の痛み、鼻水、倦怠感。まぎれもなく俺は病人だ。 スマホを掴むが、両親は…
みんな考えすぎよ。彼に裏なんてない。彼は私のことを深く愛してくれるとってもいい人なの。…
深夜。あなたの右手にはアイスが入ったコンビニの袋。あなたの左手には私の右手。 「こっち…
私は呪いの人形。あなたを呪うためにやってきた。見て、私のこの美しい黒髪。この髪に念を込…
深夜の公園。この公園を抜けると自宅。風もないのに、ブランコだけが揺れている。こんなこと…
外野がうるさい。勉強しろだとか将来はどうするだとか、毎日毎日うるさい。大人になっても続…
数えきれないぐらいの扉がずらり。自分の人生は自分で切り拓かなくちゃ。扉にはそれぞれ別の言葉が書かれている。もちろん私は「幸せ」の扉を開ける。その先には再び扉がずらり。私は迷うことなく幸せに向かって進む。 いよいよ最後の扉だ。音もなく開いた扉の向こうには、やっぱりあなた。あなたは微笑む。あなたは私の幸せの鍵。 そう、あなたさえいなければ私は幸せになれる。私はナイフを握り、迷うことなくあなたに進む。