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ちいさなちいさな幸せ

普段から間食なんてほとんどしないのに、最近ふと、コンビニでプリンを買ってみたことがあった。なんてことはない。魔が差すというやつだろう。

ここからは、僕の孤独のグルメでも見ていると思って読んでほしい。

夕飯も食べ終わり、しばらくリラックスタイム。とはいえ、僕の場合は日中も特に何もしていないので、ただただ時間が過ぎていくだけだ。そんな無機質な時間に彩りを添えてくれるのがこのプリンだった。

寝る前にプリンを食べるだけでこんなに幸せだとは思わなかった。プリンTimeは長い。よく学校の先生が「お家につくまでが遠足だからね!」と言うが、それに近いものを感じる。

まず、プリンを食べようと思いたち、部屋を出て冷蔵庫に向かうところからもう始まっている。この、得も言われぬワクワク感。幼い頃、親が寝たあとを見計らって冷蔵庫の中からおかずをつまみ食いするあの感じが頭をよぎる。

付属のスプーンを開けながら、どう食べてやろうかと想像するのも良い。ひとくち目はカラメルを絡めず(渾身のダジャレ)に黄色い部分だけで頂く。寿司屋は卵焼きでその実力がわかるというが、プリンの場合はここだ。奇しくも同じ卵であることは、偶然ではないだろう。

数口食べたら底からカラメルを引っ張り上げる。海で沈没船をサルベージするのは、そこにお宝の気配を感じるからだ。黄色い海に沈んだカラメルも例外ではないはず。プリンとカラメルの比率は9:1だ。これはマイルール。

プリンを食べ終わってもまだ終わりではない。余韻に浸る時間だ。「ああ、プリンってこんなに美味しかったっけ。」「定期的に開催しようかな」などと思いを馳せながら余韻に浸る。シャワー派の人がたまの旅行で旅館の湯船に浸かったときの感覚に似ているだろうか。たまにはお風呂に入るのもいいなあ、なんて思いながら「あ”ぁ~~~」と情けない声を漏らしてしまうような。

・・・

なにもプリンに限った話ではない。こういう小さな幸せは毎日の生活の中に必ずあるのだ。要はあなたがそれに目を向けるかどうか。

いま、「自分は幸せではない。不幸な部類だ」と思い悩んでいる人は、あなただけの”プリン”を見つけることから始めてみてはいかがだろうか?

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