本当に大切なのは200万円か2年間か
ぼくには、看護学科の大学生である数年来の友人がいる。ここでは仮にAさんとしよう。
つい最近、久しぶりにAさんに会った。しばらく見ないうちにAさんはヘビースモーカー兼パチスロジャンキーになってしまっていた。
Aさんは大学3年生。大学生活は残すところ約2年だ。ぼくはAさんの大学受験を見てきているので、「ついに看護師への道も折り返し地点か…」と感慨深く思うのだが、雑談をしているとAさんの口から驚きの言葉を耳にする。
「看護師になるか分かんないけどね~。お金がもったいないから卒業はするけど。」
驚きである。看護学科を目指して勉強する様子を見てきたぼくだからこその衝撃かもしれないけど。看護師にならないこともそうだけど、この記事で考えたいのは後半の「お金がもったいないから」の部分。
はたして、本当にもったいないのはお金だろうか?
一般的な私立大学の学費は年間約100万円。Aさんの場合は残りの大学生活が2年なので合計200万円。(医療系なのでもうちょっと高いかもしれない)
ぼくだったら、看護師になりたくないと思った時点で大学を辞めて200万円を浮かせつつ2年間の時間を手に入れる。みんなの価値観はどうなんだろう?
現時点から追加で200万円を払って、「大学を卒業しました」と言うだけの権利を手に入れる価値が今の時代にあるかなあ?大企業信仰の終身雇用時代だったら価値があったのかもしれないけれど。
とりあえずAさんの行く末がどうなるかを見届けようと思う。
・・・
ちなみに、Aさんが看護師を目指さなくなったのは、パチスロで勝てるようになったからというのも理由の一端を担っていると思われた。聞くところによると、パチスロ界隈の人たちとつながってうまいこと立ち回っているらしい。安月給の新卒社会人よりよっぽど稼げているようだ。
半分懺悔も込めて白状すると、そもそもAさんがギャンブルに興味を持つきっかけを与えたのは、多分ぼく。
ぼくは学生時代パチンコで、時給換算にして2,000円程度、年間約80万円の利益を得ていた。その当時、「普通にバイトするより割がいいし勝ち方が分かったから」と言って得意げにAさんに話をしていた節を否定できない。
Aさんにギャンブルの選択肢を与えてしまったのは紛れもないぼくなのだ。
久しぶりに会ったAさんは、人生の大事なものを見失ってギャンブルに没頭していた当時の自分を見ているような感じがした。
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