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巨人ウォルマートの仕掛けるDXを学ぶ

おはようございます。ドドルあおけんです。

DXの木曜日。今日は、流通の巨人ウォルマートがどのようにデジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組んでいるのか、を海外の記事をもとに探ってみたいと思います。

ウォルマートとは?

いつものようにWikiからです。

創業者サム・ウォルトンが、1962年7月2日に最初のウォルマート・ディスカウント・シティーを、アーカンソー州ロジャーズに開いた。その後様々なフォーマットを展開している。EDLPを掲げ、低価格、物流管理、コスト削減などを推し進め急速に成長し、世界最大の売上げを誇る企業となった。現在、世界15か国に進出し、日本では西友を子会社化して事業展開している。

グローバルの売上で5000億ドル(55兆円)従業員数230万人というアンビリーバブルな規模の会社です。230万人というと名古屋に住む人の数とほぼ同じなので、名古屋に住んでる人全員が同じ会社に勤めている規模感です。

国別の展開では、アメリカの次はメキシコ、イギリス、ブラジル、日本(西友)といったところが出店トップ5(2015年の数字)です。日本では出店数431です。2018年に楽天と提携を初めていて、先週のロジスティクスのところでやりましたが、ネットスーパー事業に積極的な投資を行っています。

ウォルマート_-_Wikipedia

※アフリカはパラパラ他にもあります。

ということで大枠をおさえたところで、本題に入っていきます。

ウォルマートのDX

今日は以下のコンサル(?)の会社が記事にしているレポートをもとにウォルマートのDXを見ていきたいと思います。

とにかく規模感がすごいウォルマート。2018年のテクノロジーとイノベーションエリアに対する投資額は117億ドル(約1兆3000億円)。世界でもアマゾンとアルファベット(Google)に次ぐ3番目の規模。

とにかくビジネスのDXを加速すべく、在庫管理、陳列棚、サプライチェーンマネジメント、配送からオンラインに至るまで顧客体験(CX)全体の最適化を図るために広範な投資を行っています。

このDX実現のため、2018年に1700名、2019年に2000名の技術者の採用を決めています。ウォルマートがテック化したきっかけは、2015年に”一号店”という中国のオンラインスーパーを買収したことからはじまっているようです。その後ものすごいスピードでテック系を買いあさりjet.com、 shoes.com、Moosejaw、Bonobos、Eloquii、Bare Necessities、Parcel、Cornerstone、 Flipkartなどを傘下におさめています。

それでは具体的にどんなDXを実現しようとしているのでしょうか?いくつか事例をみていきたいと思います。

店頭在庫チェック

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アメリカの売り場はバカでかい。それを限られた人数でメンテナスするのは大変です。これまで在庫切れの補充は人の手に頼っていたのですが、お客さんは一回手にとったものを元の場所に戻さない場合もあり、在庫切れによる機会損失と同時に間違った場所においてあることで、値段が違う!というクレームの元にもなり、適切な場所にいつも在庫が置いてあることは小売の基本ではありますが、そのメンテナンスは非常に難しいものです。

この問題を解決するためにウォルマートは自動運転ロボットにより営業時間中に全ての棚をロボットで撮影しまくり、本来あるべき場所にあるか、値段はあっているか、在庫切れしていないか、をリアルタイムでクラウド連携し、在庫補充とメンテナンス指示をくり出すようプログラムされています。

興味がある方は↓で実際に動いている感じを見てください。

電子値札

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棚の値札の貼り替えも多くの手間がかかる仕事です。これもデジタルで一元管理することができれば大幅に工数を削減できます。

将来的にはこの2つが連動して売れ行きや在庫の状況によって価格が最適化されていくような流れが実現できるかもしれませんね。

EC購入の最適化

小売業は最近ネット販売にも力を入れるところが多く、オンラインで買ってお店で受け取ることで、買い周りの時間と配送費の両方を節約する、というトレンドが出てきています。コロナの影響でできるだけオンラインでというのもこの流れをあと押ししています。

そのオンラインへの投資も積極的に行っているウォル−マットの取り組みを見てみます。

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(ウォルマート.com)

1. 配達可能日時のお知らせ
ウォルマートで注文したものを自宅で受け取る場合、受取に要する時間を予測してウェブサイトに表示するというは中々難しいプロセスが必要です。

受け取るユーザの住所を特定し、そこから一番近い物流センターの在庫の状況を確認し、可能な配達手段とその空き状況を割り出しようやくいつ頃届くかという計算ができるのですが、異なったシステムの持つ情報をリアルタイムで計算するのは高度な技術が必要で、ウォルマートはそこの精度向上にかなりの投資をしています。

2. 物流センターのピッキング最適化
これは先週のいくつかの物流センターの事例で出てきましたが、極力自動化を進めるべく各社最新鋭のロボットを導入して効率化を目指しています。

3. トラックの運送ルート
より効率的な運送を行うため、物流センターからどのルートを通ってユーザに届けるのが一番よいのか、データサイエンス・テクノロジーを駆使して決定運用を行っています。これは、ECに限らず店舗への配送についても、複数の店舗を回って納品するルート設計すべてをデータとAIを駆使して効率化しています。

IBMと共同でブロックチェーンによる生産者の見える化

スピードと価格は非常に大事な要素。でも、ちゃんとした生産者がきちんと作ったものであるかどうかきちんとチェックする、これもSDGsの時代にはとても重要な要素です。

前々回のDXの記事でブロックチェーンとマグロの乱獲阻止の関係についての動画をご紹介しましたが、今回も基本的な考え方は一緒です。

どこから来たものかトレースする、改ざんを防ぐ、のが得意なブロックチェーンの技術を使って生産者の見える化を行い、購入者に安全という価値を提供する、ということをウォルマート・IBM共同で取り組んでいます。興味がある方は↓でご確認ください。(英語です)

巨額の投資をしてどんなことを実現したいか、ぼんやりとですが、輪郭が見えてきました。

ということで本日のお話は以上です。

学び・気づき

・アマゾン、グーグルに次いで年間1兆円以上をITとイノベーションに投資するウォルマートのDXは在庫管理から、配送効率を上げるためのビックデータ解析、EC事業の改善(お届け日付・時間精度UPなど)、物流センターの自動化推進からブロックチェーンを活用した生産者の見える化まで全領域にまたがっている

・DX注力のきっかけが2015年の中国のネットスーパー買収なのも、中国が小売店でのDXで先行していることを象徴していると思った

・日本の小売プレイヤーはウォルマート(=西友)が本気で1兆円単位のお金を投入してDXをしているということを理解した上で戦い方を考える必要があるんだろう

日報

昨日の備忘録的に。
・iDeCoへの移管調整
・Pステコミ(3PM)
・上を受けて確認事項調整
・日本向けビデオ&英語の概要資料チェック→B展開

国民年金というものにはじめて入り、401KをiDeCoに。色々会社におまかせだったものを自分でやらんといかんのですね。
昨日UKから届いたドドルサービスを説明した日本語ビデオを貼っときます。興味がある方はご一報くださいませ。

明日は、グローバル・未来の金曜日。異文化理解力という本が面白かったので、そのことについて書こうと思います。

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。

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