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ゼロから学ぶECビジネス 小さな会社がECで勝つ方法編

おはようございます。ドドル・カンマネあおけんです。

キングコングがガチンコ対談「ボクらの転職」

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〇〇銀行、地獄のCX(顧客体験)

本題に入る前に昨日あった些細な出来事から、顧客は業種を超えて比較している、という話をしたいと思います。

昨日僕にはとある事情からまとまったお金を自分の口座から外部に振り込むというタスクがありました。こういった処理系は一秒でも早く片づけたい性格なので、自分の口座がある銀行のウェブサイトからログインしネットバンキングを試みます。

はじめて使う端末からのアクセスだったので、何年も前に設定した”秘密の合言葉”の入力を求められ、それを探し出して入力。好きな飲み物は?新婚旅行で行ったのはどこ?、この時点で落ち着いてはいるもののちょっとした、んー、を感じていました。

その後、振込先の情報を入力し、金額を入力し、振り込み実行しようとしたところ、限度額を超えているというエラーメッセージ。んー、となります。

新婚旅行の行き先まで聞いておいて、限度額しばりかー。

しょうがなく、近くの支店を検索すると家から歩いて20分強のところにあったので、通帳や印鑑を準備して外に出ました。マンションを出て5分くらいしてから、マスクしていない自分に気づき、ん”-っ、と思いながら、家に戻ります。ここは完全自分ミス。

家に帰ってマスクをとって改めて小雨降る肌寒い天候の中、てくてくと歩いていきました。20分程度歩いて着いたいた〇〇銀行には幸いにも人はあまりおらず、カウンターの上の振り込み記入用紙を見つけて、手元のスマホの振込先情報を見ながら、ボールペンを走らせます。そしてほぼ書き終わったところで、薄く小さい字で、濁点は別のマスに書いて、という指示を発見。カブシキガイシャのブはひとマス目に「フ」と書き、次のマスに「”」を書くということらしい。

やり直し。ん””--、となりながら、新しい用紙に記載して、整理券をとる。するとほどなく、120番の自分の整理番号が呼ばれ、窓口に行く。通帳と用紙を渡して、改めてイスに座って待っていると、120番が呼ばれ、窓口へ。そして、告げられたのが、通帳が古い、これだと振り込みができない。ん”””--

キャッシュカードはあるけど、通帳が古いと振り込みができない、というルールなのか。たしかに新たな記帳スペースがない古いのを持ってきたらしい。

なんか振り込む方法ないのか、というと通帳の喪失・再発行の手続きが必要で、それをやると今日中の振り込み処理は難しいがどうするか、と聞かれる。今日振り込みが完了するかより、今日この場で処理を終わらせたいだけです、という話をしていると、他の行員の方がやってきて窓口の方と話をしている。完全に”わかってない困った客”のポジショニング。居づらい。ん”!

そして、その行員さん同士の合議の後、その金額だったらATMでお振込みできますのでこちらへどうぞ、と誘導される。 え? ネットバンキングではいけない金額がATMだといけるんだ、難しい、早く言ってよ、ん””!!

そのあと、あっけなくATMで振り込みを完了した後、通帳の再発行をしましょう、と言われついていくと、別の窓口に誘導され、そこで再発行には1100円かかる、と言われる。ゼロ金利時代、その通帳で何年分の金利とんの?と思った自分は、ごめんなさい、もう一度家で探してみます、と言って銀行を出ました。ん””ーーー!!

一応目的は果たしたのですが、なんかひどく疲れました。♯何この敗北感?

あえて冒頭、地獄のCXと書きましたが、前職ではほぼほぼペーパレスで、今リアルのお店でもほとんどの買い物をキャッシュレスでやっていて、iPhoneを使って、Amazonで買い物を日常的にしていると、自分でも気づかない程、快適なUX・CXを提供してくれる企業たちに囲まれているんですね。

それに慣れていると、今回の〇〇銀行のCXは、銀行の人は誰も何も悪くない、なんなら僕が悪いだけなんですが、地獄のようなCX、もうできれば関わりたくない、と思ってしまっている自分がいるんです。

そうです、ライバルは同業種だけじゃない、ってことですね。あらゆるものがサービス化する中ではそのCXは業種を超え、国を超え、グローバルな競争に必然的に巻き込まれていく、よくわからない敗北感とともに雨の帰路でトボトボ歩きながら、そんなことを思っていました。

すみません、ついつい前置きが長くなりましたが、ここからが今日の本題、ECビジネスについてゼロから学ぶシリーズの3回目。今日は、ECビジネスの初期にそこまで資本を投資できない中小企業がどうECビジネスと向き合うかというのを少し掘ってみたいと思います。なぜなら、世の中の95%以上は中小企業だからです。

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小さな会社はネットでどうやって集客するべきか?

昨日の記事↓でお伝えしたとおり、ECビジネスは集客にお金がかかるビジネスだということがわかってきました。5000円のものを売るのに5000円かけてユーザを”買う”イメージです。粗利では最初は赤字。

最初は赤字覚悟で、2~3年で回収といったケースが標準的ということでしたが、3年待ってくれる中小企業の社長さんってあんまりいない気もします。僕もよっぽどキャッシュにつながりそうなKPI、例えばアクティブユーザ数などが順調に伸びていない限り、3年は待てないと思います。

結局は集客をどうするか(よい商品の調達含め)、と、いかにコストをかけないでサイト運営~リテンション施策をやるか、ということになってくると思いますが、今回は中小企業向けのWeb制作、マーケティング支援をやっているJetBの竹内代表の書籍から自分に響いたエッセンスを抽出してみたいと思います。

小さな会社のWeb集客 実戦書: 広告費合戦に一切巻き込まれず成果を出す極意

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結論から言うと、この本では自社サイトのコンテンツを充実することでSEO対策を行い、リスティング広告(その他Web広告)に頼らない低コスト集客を実現するのがよい、という主張を展開されています。

急がば回れ、のイメージですね。なぜリスティング広告が小さな会社に向かないのか、学んでいきましょう。

リスティング広告は素人が結果を出せないプロの領域

リスティング広告は検索キーワードに連動して広告がでる仕組みです。例えば、乾燥と検索すると第二、第三の検索ワードが候補として表示されますね。最近あちこちかゆい僕は乾燥、かゆみ、クリームを選んでみました。

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すると以下のような検索結果が表示されます。

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この場合、右側の画像が書いてあるエリアが広告枠ですね。資生堂、iHerbといった企業がこの「乾燥、かゆみ、クリーム」というワードをオークションで競り落として自身の広告を上位表示させているということになります。

この言葉の組み合わせだけでなく、地域や時間帯などもチェックする項目と考えるとパラメーター数は膨大。さらにその言葉によって実際にクリックされる率(CTR)と、購入まで至る率(CVR)はすべて可視化可能なので、その中で最も自社にとって効率のよいワード購入のトライ&エラーをひたすら繰り返していくということが必要となります。

Googleのアルゴリズムも頻繁に変更になりますから、そこも随時追いかけながら最適解を探し続けるのはプロでしか対応できません。その委託コスト面について筆者は次のようにコメントしています。

運用手数料は広告予算の20%程度が相場となっていますが、最低でも30万円くらいの月間予算がないと請け負ってくれないところがほとんどです。当然、実力がある業者ほど最低取り扱い予算が高くなるため、ハイパフォーマンスな運用を期待するのであれば月間数百万円以上の予算は確保しなければいけません。

月間数十万円のリスティング広告予算が捻出できない中小企業は、自社運用を検討せざるをえませんが、上でお話したとおり、安く・効率よくユーザを獲得するのは素人には難しい。ここがリスティング広告が小さな会社に向いていない理由です。

比較的検索数が少ないワードでも、競合サイトが数十万件単位で表示される中、ユーザが表示結果を見るのは、最初の10件が表示されている1ページ目か、多くても2、3ページ目まででしょう。30万社競合がいる中でトップ30番に入らないとそもそも勝負できない、優位にたつにはトップ10に入らない、といけない、という過酷な競争原理が働いているのがネット集客の世界、ということになりそうです。

広告費合戦に巻き込まれない集客方法

リスティング広告以外にもアマゾン、楽天、Facebookなどのプラットフォーマの広告による集客がありますが、筆者はそれらもプラットフォーマの都合で手数料などが急に変更になったりするため、小さな会社はそういった不安定な足場の上で戦うよりも自社サイトのコンテンツを充実すべきと説きます。

このプラットフォーマによる経済条件の変更についてこの本では以下の記載があります。

2019年4月に公正取引委員会が実施した実態調査では、「掲載店舗側に不利益な内容に規約を変更されたことがある」と答えた事業者が楽天市場で91%、アマゾンで80%、また、「事前に十分な告知がなされていなかった」と答えた事業者が楽天市場で93%、アマゾンで72%に上っているのが確認されています。

プラットフォーマは慈善事業者ではないので、自らの利益追求のために参加EC企業の利益を削りにくるのは当然といえば当然です。

そのため小さな会社の戦い方として推奨しているのが、自社の事業領域や取扱商品の周辺のお役立ち情報や深堀情報を自社サイト内でどんどん増やしていくことでサイトの価値を上げ、結果、その特定領域&特定ワードで検索された場合、広告でなく通常の検索結果として上位に表示されることを目指すやり方です。(この本ではコンテンツマーケティングと言っているようです)

下は実際に書籍の中にあった実データを単純化したものです。筆者がいいたかったのは、広告による集客(上)よりも、コンテンツの拡充+SEO(下)のほうが低コストで大きな集客が見込めるということです。

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もちろんこの会社のビジネスへつなげるプレゼンテーションでもあるので、必ずしもこのわかりやすい比較に実際なるかどうかはわかりませんが、小さな会社が集客する上で自社サイトをどのようなキーワードに最適化して、リッチ化していくか、という視点をもつことはとても大事だと思いました。

また、今後音声認識の精度が上がるにつけ、以下のようにその検索方法も変わっていくことも示唆してしている記載もあり、この入力インターフェースの変化を先取りして、どう自社サイトのSEOを再チューニングしていくかというのも今後の重要なテーマになりそうです。

音声検索の場合は、もはやビッグキーワードやスモールキーワードという括りではとらえられなくなってきていて、例えば、以前は「渋谷 居酒屋」と検索していた人が、「渋谷駅の近くにあるお刺身のおいしい居酒屋で個室があるところを教えて」などと語りかけるようにして検索するようになったのです。そのような状況の中では、コンテンツを作成する側もより絞り込んだトピックでコンテンツ作成を心掛ける必要があります。

ということで、今日は小さい会社がどう集客するか、というのを学んでみました。最初の余談が長すぎて4800文字を超えているようです。失礼しました。

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、今日もよい一日を。

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