ハイテク物流会社としてのアマゾンが磨く3つの強み
おはようございます。ドドル あおけんです。
物流プレイヤーとしてのアマゾンの強み
今日は、一昨日の投稿に続いて、アマゾンと物流大戦争から、ハイテク物流企業アマゾンの戦略を見ていきます。
アマゾンの物流の極め方をざっくり要約すると次の3点へのフォーカスと言えそうです。
1. ウォルマートのドミナント戦略を採用
2. 最も早く、安くを実現するソフトウェア開発
3. 自走式ロボット導入によるピックアップ作業の効率化
それではそれぞれのポイントを見てみます。
1. ウォルマートのドミナント戦略を採用
アマゾンが上場を果たした1997年、まず彼らが発表したのがシアトルにある物流センター(4600平方メートル)を1.7倍にすることと、デラウェア州に物流センターを新しく作ることでした。
そして、その計画を主導したのがベゾスがウォルマートから引き抜いた元物流担当のバイス・プレジデント。この当時、すでにウォルマート流の物流戦略がアマゾンにインストールされていたことになります。
ウォルマートの出店戦略は、まず物流センターありきで、その物流センターを拠点にしてそこから約300キロ圏内に100店を上限に店舗展開していくというもの。
普通はまずお店の立地を考えた後から物流を考えるようですが、ウォルマートがエブリデーロープライスを実現できる力の源は、ロジスティクス戦略(軍事で言うところの兵站)を徹底的にプランニングした上で毎日の商品供給に最も効率的な出店計画を行い、さらに実践の中でそれを磨いていくというプロセスにあります。
このような出店戦略をドミナント戦略と呼ぶようで日本だとセブンイレブンも同様の戦略を採用していましたね。
さらに昨今は通販市場の伸長により、物流センターの建設場所がより住宅地に近くなってきているといいます。これは、地価が高い住宅地に近い立地でも届けるための距離の総和とそれにかかる配送コスト&時間を考えると郊外の安い土地に物流センターを作るより経済合理性が高いという判断によるものです。
物流含めすべてにおいて超合理主義なアマゾンさんです。
2. 最も早く、安くを実現するソフトウェア開発
合理主義者でありITカンパニーであるアマゾンさんは、どうやったら最も早く、最も安くできるかいつも考えていて、そのためにロジスティックのソフトウェアを開発しています。
ある商品がアマゾン物流ネットワークのどこにあり、いつ、いくつ在庫するのがいいのか、顧客が複数注文した場合どう組み合わせて梱包すればいいかなど物流の課題に対して最も効率がいい数学的なアルゴリズムを開発しています。
このアルゴリズムによって、顧客の住所、注文の商品を在庫している物流センターの位置、発送時刻などを解析し、すべての変数を考慮した上で最も早く、最も安い方法を算出するのです。
直接物流には関係ありませんが、アマゾンで売られている商品の値付けについても、「自動値付けボット」と言われるシステムを開発し、ライバルが売っている値段を常時モニターしながら、自動的に最安値で提供できる仕組みを構築している点を見ても、完璧なソフトウェア主導の効率化を志向していることがわかります。
3.自走式ロボット導入によるピックアップ作業の効率化
最後に物流センター内の作業効率アップです。
まずは、アマゾンとアリババの物流センターの中を比較したこちらの動画からどうぞ。(2分50秒)
2012年、アマゾンは物流倉庫のピックアップ作業をロボットで行う事業を展開していたKiva Systems を7億7500億ドル(約850億円)で買収します。
そして、このKivaのロボットを自社物流センターに導入し、これで商品がある特定の場所まで人が取りに行く、という従来の作業をハックして、ロボットが自動的にオーダーが入った商品をもってきてくれる、という仕組みを作り上げました。
この執拗なまでの合理化が、安くて、早く届くを実現しているわけです。
パラノイア的な合理主義です。これがビジネスモデルにおける”他社が真似したくても真似できない”持続的競争優位性を作り出しているわけですね。
すごいを通り越して、恐ろしい。
ということで、今日はAmazonのハイテク物流企業の視点から深堀りしてみました。
昨日のお仕事ダイジェスト
最後に、本格稼働2日目の昨日のお仕事日記を少しだけ。
・お昼、JPSでDoddle関連の窓口になってくださるEさんとやりとりを開始
・Adamと夕方、雇用契約の内容の最終調整MTG。そこでJPSの会社との契約内容についても相談。
・夕方、JPSとロングな打ち合わせ。
それでは、今日もよい一日を。
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