日本は世界一ハイコンテクストな国!? 気鋭の経営思想家にグローバルで戦うためのコミュニケーション術を学ぶ
おはようございます。ドドルあおけんです。
さて、グローバル・未来の金曜日。今日はグローバル・ビジネスコミュニケーションの達人でINSEADのメイヤー・エリン客員教授が書いた「異文化理解力」から異なる国・文化の人たちとどうやってうまくビジネスを進めていったらいいかを学んでみたいと思います。
まだ全部読めてないのですが、前半面白かったところをつまんでみます。
メイヤー・エリン教授とは?
まずは、本の著者紹介のコピペです。
メイヤー・エリン[Meyer Erin]
フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクール、INSEAD客員教授。異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学を専門とする。異文化交渉、多文化リーダーシップについて教鞭をとり、グローバル・バーチャル・チームのマネジメントや、エグゼクティブ向けの異文化マネジメントなどのプログラム・ディレクターを務めている。世界で最も注目すべき経営思想家のひとりとして、「Thinkers50」ほかで紹介されている
たしかにシンカーズ.comというところで32位にランクインしています。ちなみに日本人はTOP50にいませんね。
ハイコンテクストとローコンテクスト
今回は「異文化理解力」という本を取り上げるのですが、イギリス人と仕事をしたことがなかった僕が、いきなりイギリスの会社に転職したので今まさに読んどかないといけない本なわけなのですが、普段外人と仕事する、ってことがない人にとってもへぇーそーなんだ、という雑学としてもかなり面白いと思います。(外人とやり合う予定がない人は買う必要はないです)
さて、この本の序盤で世の中に存在している国をハイコンテクスト、ローコンテクストという2つの軸で斬っていきます。コンテクストとはアルクで調べると下のように文脈、文中の前後関係、背景といった意味が出てきます。
コミュニケーションを行う上でやりとりされる言葉にどれくらいそういった文脈・背景といったものを含んでいるかがポイントのようで、そういったものが多いのがハイコンテクスト、少ないのがローコンテクストと呼ぶようです。
簡単な例でいうと、何か仕事で失敗をしてしまった時に、上司から「君、もう少し考えたほうがいいよ」って言われたら、言われ方やトーンによっては「何やってんだ!いい加減やばいぞ、こんどやったらわかってんだろうな」だったりすることもありますよね?そこを汲み取る、空気を読むというのがハイコンテクストなコミュニケーションということになります。
逆に、例えばバイト先でソソウをしまくるアメリカ人留学生が日本人の店長から「君もう少し考えたほうがいいよ」と言われたら、You should think more と受けとって、「っていうか何を考えるの?」ってキョトンとなるかもしれません。言ったことを額面通り受け取る、これがローコンテクストです。
それぞれの言葉についてこの本に載っていた説明をコピペしてみます。
ハイコンテクスト
良いコミュニケーションとは繊細で、含みがあり、多層的なものである。メッセージは行間で伝え、行間で受け取る。ほのめかして伝えられることが多く、はっきりと口にすることは少ない。
ローコンテクスト
よいコミュニケーションは厳密で、シンプルで、明確なものである。メッセージは額面通りに伝え、コミュニケーションを明確にするためならば繰り返しも歓迎される。
日本はどちらかと言うとハイコンテクストだということはわかりますが、世界の国々の中でどのくらいハイコンテクストなんでしょうか?
世界一ハイコンテクストな日本
本の中の図になっていたので、それを多少いじって作ったのがこちらです。
世界で最もハイコンテクストな国、それは日本。その次は、韓国、インドネシアと続きます。逆に最もローコンテクストなのは、アメリカ、次いでオーストラリア、カナダとなります。
日米同盟でトランプさんとシンゾーさんがどれくらい意思疎通ができているかは、このギャップを見るとちょっと疑わしいかもしれません。本当に真逆なので。
今度の転職先のイギリスはという英語を扱う国の中では一番ハイコンテクストなんですね。これは文化・歴史が長く、単一民族であればある程、暗黙の了解、皆まで言うな、という部分が増えてくるので、島国であるイギリスと日本がそういったコンテクストを育みやすい環境にあるということですね。
逆に移民の国といわれるアメリカは共通する価値観や文化的背景がバラバラなので、そのバラバラの人たちがコミュニケーションするためにはどうしても、シンプル・明確でないとわからない!となってしまうのでそういった環境が生み出す違いであって、どちらが凄いとか、いいという優劣の問題ではないということです。
これは笑いみたいなところにも通じると思うのですが、いわゆるアメリカンジョークというのは、ハイコンテクストな国の人から見たら単純でつまらないものになってしまうと思いますし、日本の笑いはローコンテクストなアメリカ人が聞いたら日本特有のコンテクスト部分が多すぎて何が面白いかわからない、ということになりがちです。
今後日本がグローバルで戦っていくには、英語はがんばるとして、それ以外にこの文化の部分の違いをよく理解した上で相手のコンテクストに合わせていく、ということも必要だと思います。
もともと空気を読むのが得意な民族なので、ロジックさえわかってしまえば、そのロジックに合わせた対応をする、というのはトレーニングすればローコンテクストの国よりもできると思います。
インド人の質問「どうやって欧米企業と仕事したらいい?」
この本に、”自分よりローコンテクストな文化出身の人々と働く際の戦略”、というチャプターがありました。
僕ら日本人にとっては世界中のすべての国が自分よりローコンテクストな国です。ということは、この戦略に従えば、僕らは世界のみんなとうまく仕事ができるということですね。
筆者はインド各地を回って、企業の重役向けのワークショップをこなしていた時の話を紹介しています。そのうちのひとつで、インド人のある重役が筆者にこうたずねました。
「私はインドから出たことがありませんが、毎日電話やメールでアメリカ人、オーストラリア人、イギリス人のクライアントたちと仕事をしています。彼らや顧客に対する信用を築くにはどうするのが一番いいでしょう?」
筆者は次のように答えたそうです。これが、自分よりローコンテクストな文化出身の人々と働く際の処方箋です。
できる限り透明で、明確で、具体的でいてください。電話した理由をきちんと説明してください。意見は透明性を保って主張してください。思っていることは全部表に出してください。電話の終わりには、キーポイントをもう一度繰り返すか、電話の後でポイントを簡潔にまとめたメールを送ってください。言われたことが100%理解できなかったときは、意味を汲み取ろうとするのではなく、理解できなかったとはっきり伝えて不明な点を明確にしてください。それから礼儀正しくすぎないほうが良いときもあります。礼儀正しすぎて曖昧で漫然とした印象を与えてしまうことがあるからです。
上記はインド人へのアドバイスですが、よりハイコンテクストな日本人にもまんま当てはまるはずです。箇条書きにするとこんな感じですね。
・明確に、具体的に説明する
・透明性高く=たぶんロジカルに、ということですね
・ポイント(アクションアイテム)を明確にし、合意する
・曖昧さをなくす、わからなければ聞く
・礼儀正しさよりも意思をきちんと伝えることを優先
ということでまだまだ読み途中なので、また、面白そうな話がでてきたら、この金曜日にご紹介したいと思います。
学び・気づき
・日本は世界で最もハイコンテクストな国である。それはいい、とか、悪いということではなく、そういう性質をもった国ということ。それは地理的、歴史的背景によるところが多く、そこを理解した上で、他の国の人とのコミュニケーションを考える必要がある。
・例えばオランダ人は超ドストレートに悪い所を指摘してもらったほうが嬉しいらしいし、ロシアの人は結構ネガティブな指摘を強くするらしいし、それは何が普通か、というのが違うという当たり前を忘れない。その特性がわかっていれば、こちら側が必要以上に腹立ったり、落ち込んだりする必要もないので、今後は国ごとの”普通”をもう少し勉強したい。
・今回転職したイギリスはアングロサクソン系では最もハイコンテクストな国らしい。ちょっとシニカルなジョークを真顔で言う、みたいなことが書いてあったけど、そういえば、アダム(CEO代行)とZoom面談した時、いきなり↓の写真がズームの背景になってて、本人真顔っていう時、大笑いしたけど、ああいうところはアメリカと違うセンス感じた。
ということで本日のお話は以上です。
日報
備忘録として。
・オーストラリアチームとキャッチアップ(10AM)
・P、UK、オーストラリアチームとサポートスキームディスカッション(4PM)
・CEOとステコミの運営についてテレカン(6:30PM)
・JPS&Co.集い@海辺
旧友も含めなかなか内容の濃い集い。ヘルスケア領域での事業開発のタネをいただいたので、そこをどれだけ広げられるかもこれからチャレンジしてみたいです。
明日はライフハック・教養の土曜日。禅の本買ったのでその話でも書こうと思います。
マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日
それでは今日もよい一日を。
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