ヨドバシ・ドットコム、顧客満足度No.1を実現する仕組み
おはようございます。ドドル あおけんです。
6年連続顧客満足度No.1のECサイト
さて、今日はヨドバシ・ドットコムを深堀りしてみます。
現在、ECの圧倒的NO.1はご存知の通りアマゾンで、2019年の売上で1.7兆円とかあります。凄まじいです。
そして日本の国内売上第2位がヨドバシ・ドットコム。規模的には10分の1くらいですが、顧客満足度ではずっとNo.1なのであります。
ヨドバシカメラってどんな会社?
Wiki情報からつまむとこんな会社です。
・設立:1960年 ※藤沢写真商会
・売上:6529億円(2019年)
・営業利益:471億円(2019年)
・従業員数:5000人
・店舗数(ヨドバシカメラ):25店
ヨドバシカメラといえば、モノゴコロついた時にテレビから流れてきたあのCM。頭からこびりついて離れないあの刷り込みは今も強烈な印象として残っています。
当時は気づきませんでしたが、中央線が空中走ってたんですね。昭和の夢があります。
今から20年以上前にすでに始まっていたEC
驚くのがECへの取り組み開始の早さ。1998年にはネットショッピングを開始し、8000アイテムを販売していたということで、開始した時期でいうとアマゾンとあまり変わらないんですね。とても早い。
手元の書籍では、アイテム数は2年前で約430万点で、うち家電は100万弱ということなので、4分の3以上は家電以外ということでイメージとだいぶ違います。飲料品、食品、日用品、ホビー、文房具、化粧品からカー用品まで生活に必要なものはほとんど揃う充実ぶりです。
都心駅前出店を支えた物流戦略
ECと店舗の相乗効果を発揮して成長を続けるヨドバシカメラですが、その成長を支えているのは、偶然なのか、意図的なのかわかりませんが、大都市駅前出店という基本戦略を実現するために構築したロジスティクスがECにもうまくハマったという所があるようです。
もともと実店舗でレールサイド戦略を取っていたことから、持ち帰りの機会が少なく地価の高い駅前店に在庫させる意味の薄かった大型家電について、物流センターから各家庭へと直送する態勢を構築していたが、通販部門でもそのインフラを利用することで大型製品の当日配送を実現し、さらなる規模の拡充を進めている (Wiki)
ということで、大型家電についてあくまでもお店は”ショールーム”であって在庫を置くところでない、という店舗と在庫の分離が自社物流センターの構築、センターからお客さんへの直配送というECの構造にとても近い仕組みをもともと志向していたということですね。ECの時代が来ることを織り込んでの駅前出店戦略だったのであれば天才です。
システム的にも以前マルイのオムニ化の記事で店舗とECの在庫の連動を5年かけてやったというエピソードがありましたが、このなかなか難しいと言われているこの在庫の一元管理を1989年には複数店舗間の在庫で実現していたといいます。
さらに2000年には在庫状況をネットに公開、2003年からネット通販サイトから店舗での取り置き注文も可能にしています。2010年には店舗の店頭価格とネット通販サイト価格の一元管理を行い、リアルとネットの価格統一も実現していて、顧客視点で着実にロジスティクスの足場固めをしているところが、オムニ化を成功させているポイントと言えそうです。
もっと速く!「ヨドバシエクストリームサービス便」
アマゾンの攻勢で、配達のスピードがECプレイヤーの重要な差別化ポイントとなる中、ヨドバシカメラはこれまで構築した物流網とバックエンドシステム、そして自社の配達社員というリソースを活用し、2016年に「ヨドバシエクストリームサービス便」を始めます。
注文から最短2時間30分でお届け、無料です。
開始時のサービス地域は東京都23区全域+東京都一部。このために13か所に専用サービス拠点を開設し、約300台の配達サービス車両と地域専任担当者が配送サービスを実施するほか、配送予定・完了をリアルタイムに電子メールで配信する仕組みを兼ね備えています。
現在600万点ほどのアイテムがECサイトで販売されているようですが、このエクストリーム便に対応しているのは10%程度ということなので、60万点規模がエクストリームな早さで届くわけです。アマゾンプライム・ナウの対応商品数が7万点程度ということなので、ヨドバシさん、ここでは皇帝アマゾンさんに勝っちゃってます。すごい。
様々な改善を重ね、受注後わずか5分で商品をピッキングし、30分以内に出荷することが可能となり、最短2時間30分で商品を届けられる体制を構築できたのはやはり積み重ね、歴史のなせる技ということのようです。
すべてはお客さんのために
ヨドバシカメラのウェブサイトにはこう書いてあります。
私たちは安さ、品揃え、店舗戦略、事業拡大などお客様の声に応えて変化し続ける企業です。
そのすべての原点にあるのは「お客様のために」という想いだけです。
この想いは創業以来ずっと変わらず、この先も持ち続けます。
「お客様のために」というのはありふれた言葉ですが、ヨドバシカメラの場合、その理念を実際の行動で示している会社だと思います。
速く届ける以外に充実した品揃え、ポイントプログラム、朝注文してお昼に店舗で受け取れるようなスピード兼ねたオムニ化、設置サービス、買取・引取サービス、そして商品知識の豊富な店員さん、これらすべてがお客様のために、をカタチにしたものですね。
気づき・学び
最後にまとめというか、で、そこから何を自分に照射するのっていう話です。
小売の基本はお客さんの欲しいものをより安く、よりストレスなく提供すること。ヨドバシが組み上げてきた仕組みを知ることで、そのことを創業以来愚直に貫いてきた企業姿勢の一旦を垣間見ることができました。
EC業界の日本軍4番打者、EC業界の将軍として君臨するヨドバシの強さは、長い時間をかけて組み上げてきたロジスティクス力を背骨にしたお客さんからの要望に応えるサービス企画、構築、オペレーション力です。
この強みは新興企業がぱっと真似できるものではないので、ライバルに対し持続的な競争優位を築いています。
ここから自分ごと化するとすると、正しい方向に向かって、継続的に行う努力が中長期で実を結ぶ、ということが大事なポイントと思います。他社・他人が真似したくてもできないポジション取りをどう作っていくかというゲームですね。
VUCAの時代、”正しい方向”を定めるのが難しいところはありますが、自社の得意・自分の得意を正しく理解し、それを伸ばすために投資する、というのが、変化に振り回されない王道かもしれません。
最後に日報
備忘録として昨日仕事でやったことを書いておきます。
・パートナーの部門長の方とZoom面談(AM)
・パートナー+HQの関係者でプロジェクトZoom進捗会議(PM)
・デバイスメーカーと初Zoom会合・ディスカッション(PM)
・パートナーのプロジェクトメンバーの方へごあいさつメール&NEXT STEP調整
・Introducer契約内容をAdamと調整
・HQ CEOのウェルカムメール対応
ということで、今日のお話は以上です。
今日もよい一日を。
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