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営業部隊を持たず、パートナーとともに成長するShopifyのエコシステムづくりを学ぶ

おはようございます。ドドルあおけんです。

EC・ロジスティクスの水曜日。今日は自分の仕事メモ的内容で、以前ご紹介した簡単にECサイトが作れるカナダ出身のShopifyがどのように日本でエコシステムを作り上げようとしているのか、そのパートナープログラムを深掘りながら外資が日本国内でどのように仲間を増やしているのか見てみようと思います。

Shopifyとは?(おさらい)

コロナで小売のオンライン化が加速する中で、Shopifyのように日本国内だけでなく、海外向けの展開も見据えられるEC構築プラットフォームは今後かなり伸びていくと思います。まずShopifyの概要(ECのミカタ記事)です。

流通総額が1,550億ドルを突破し、世界175カ国100万を超える店舗が利用するマルチチャネルコマースプラットフォーム「Shopify」(※2020年5月時点)。直感的に使えるシンプルさや、分析機能などをそなえた管理画面の充実度から、Shopifyでネットショップを構築するEC事業者が急増している。

175カ国、100万店舗は相当巨大なネットワークです。流通総額に至っては17兆円アマゾンがグローバルで2018年28兆円という数字が掲載されているサイトもあるので、アマゾンとまではいきませんがその規模はかなりのものです。

日本での展開

日本での展開については、2017年に日本法人が設立され、日本語へのローカライズを進めビジネスを開始しています。

BCNのインタビューによると日本のカントリーマネージャーを務めるマーク・ワング氏は日本市場における可能性を次のように述べています。

日本の現在のEC比率は8%程度ですが、2020年までには20%になるという試算があります。非常に成長率の見込める魅力的な市場です。JETRO(日本貿易振興機構)の調べによると、国内のリテーラー(小売業者)の24%がオンラインにチャネルを持っていますが、そのうち半分がグローバルに展開しています。Shopifyはマルチ言語、グローバル決済に対応するのも強みの一つです。これからますます増加する越境ECの需要にShopifyなら応えることができます。

日本企業もどんどん世界に出ていかないといけない時代、Shopifyはグローバルでの実績を武器に「越境」というキーワードで支持者を集めそうです。

日本での成長戦略

日本でShopifyサービスをどのように成長させるのか?と問われたマークさんはこのように答えています。

Shopifyは直接の営業活動は一切しません。グローバルでもこれまで大きな広告を展開したことはありません。その代わりに大事にしているのが「マーチャント」(出店者)と「パートナー」(導入支援企業)の二つのコミュニティです。
われわれは双方のコミュニティを招いた合同イベントを頻繁に開催しているのですが、そこではマーチャントの困りごとを解消できるパートナーが見つかったり、うまくShopifyの仕組みを利用するためのノウハウが共有されたりします。こうした縦と横のつながりから利用者を拡大しているのです
Shopifyでは利用者に対して売上のノルマや手数料のようなものは設けていません。プランに応じて月額3000円前後から利用できるのですが、発生するコストはそれだけです。(※「Shopifyペイメント」を使用する場合)
収益の成長幅をみていただければ、Shopifyがいかにパートナーを重視しているかがお分かりになると思います。16年から17年にかけてShopifyの収益は約1.7倍に伸びていますが、パートナーは約1.9倍とShopifyを上回っています。

創業者の思い

売上1700億円のECショップ構築サービス_Shopifyはなぜ成功したのか?|あおけん___Doddle_Japan_CEO|note

パートナーとともに成長する。Shopifyを使ってEC事業を始める人もパートナーだし、専門知識やスキルを使ってEC店舗を側面支援するデザイナーやアプリ開発者など、このエコシステムすべてに関わる人がShopifyにとってはパートナーであり、みんなで共に支え合いながら成長する、という視点からいろいろな施策が展開されているように思います。

そういった姿勢は創業者によるところが大きいと思います。創業者を駆り立てるものは、2004年創業時に小さなスノーボードのECサイトを立ち上げた自分と同じように自分の手で未来を切り開こうと挑戦する人たちを応援したい、そんな想いです。100万サイト導入を達成した際に彼らがつくったムービーは、まさにリスクをとって新しいことに挑戦する人たちへのエールです。

Shopifyのパートナープログラム

Shopifyのパートナープログラムは簡単にいうと、Shopifyという商材を使ってパートナーはビジネスをすることができて、それによって収益を得ることができますよ、という制度です。

パートナー登録自体は無料で、現在アプリ開発で4100、販売代理とウェブデザイナーをあわせて2万6000+なので、3万を超える個人・法人がパートナーとしてShopifyビジネスに関わっています。

サイトは構築から運用へ「Shopifyパートナーになることは、これからのECの時代を一緒に作ること」|ECのミカタ

こちらの記事によるとShopifyを利用したパートナービジネスとしては以下のようなものがあるようです。

1. 構築パートナー 
 クライアント様のストアをShopifyで構築
 月額の20%を毎月お支払い
2. 紹介パートナー
 Shopifyを専用の紹介リンクを使用し、クライアント様にご紹介
 月額の計200%を初めの2ヵ月間にわたってお支払い
3. テーマ開発パートナー
 デザインテンプレートの開発。売上げの最大70%をお支払い
4. アプリ開発パートナー
 Shopify アプリストア上での売上げの80%をお支払い

4のアプリについてはちょっとわかりにくいですが、例えば、Shopifyプラットフォーム上で構築したECサイトをRakuten連携アプリを使うことで、そのまま楽天への出店が簡単にできてしまう、といった事例があり、そういった決済やモール連携などビジネスまわりのニーズに対応したものが多そうです。

本社はベーシックな機能の開発に集中し、各国の事情に合わせてデザインや機能、販売の部分はパートナーコミュニティを使ってローカライズの問題を解決するとても合理的なマネジメントに見えますね。だからこそ175カ国でビジネスが展開できるんだ、というところで合点がいきました。

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デザインテンプレのストア

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アプリのストア

みんなで行けばこわくないスタイルでエコシステムを構築するShopify。昨今の急激なEC需要の伸びでZoomとならび、さらに存在感を増しそうです。

ドドルも本社のほうでShopifyとはパートナーとしてつながりがあるようなので、ぜひ日本でも一緒につながってビジネスを展開していければと思います。

それでは本日のお話は以上です。

日報

昨日の備忘録として。

・Pと定例(11PM)
・定例議事メモ(日・英)
・名刺調整

そういえば、このnoteをはじめた頃、挑戦の模様をお伝えしていきます、とか言っていた気がするけど、水面下の話が多くてnoteに書けないというのがなかなか歯がゆいところですが、たまには仕事のことも書きたいと思います。

昨日はずっとお願いしている名刺について、ようやくUKからデザインが出てきたのですが、自分の漢字がものすごい大きいレイアウトで、フォトショップ覚えたてか、という感じだったので、ちょっとこっちでやらせてもらえますか、というプチ交渉をしているところです。

そこからか、ですが、そこからですね。一歩一歩がんばります。

明日はDXの木曜日。巨大企業ウォルマートのDXについて触れてみたいとおもいます。

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。

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