黒牢城

黒牢城

戦国時代も安土桃山時代にも全く詳しくなく、
「ノブナガ…ヒデヨシ…」しか言えないので、
この小説の主人公荒木村重のことなど全く知らなかった。
でも黒田官兵衛は聞いたことがある！
一時期戦国鍋TVにハマっていたからだ！！

この歌しか黒田官兵衛知識がないので、
半兵衛官兵衛のコンビで活躍しているんだと思っていたが、
どうやら違うっぽいな。正解を調べる気もないので話を進めるが、
そんな無知な私がなぜ「黒牢城」を読む気になったかというと、
「時代小説で本格的な推理ものって面白そう！」と思ったからだ。
あと文庫本になったし。

読み始めると村重がかっこいい！！
その村重の腹心の部下の十右衛門が！好き！！
村重と十右衛門がどうなるのかわからないが、
信長に負けるのは無学な私でも分かる。辛い。
村重と十右衛門の幸せを願いながら読み進めるものの、
城内はどんどん不穏な空気に包まれ、
密室殺人事件まで起きてしまう。
この密室事件と解決までの流れもすごく良いのだが、
村重の采配の取りっぷり、安土桃山時代の武士の考えや茶道の魅力、
首実験の作法、キリスト教に改宗した武士の理由
(人には人の乳酸菌、南蛮の武器には南蛮の神様)など、
全然知らなかったことがすごく面白くて、
私のように「ノブナガ…ホンノウジ…」レベルの、
無知無学者に読んで欲しい！ほんとに面白いので！！
時代小説だし、ものすごくきっちりしたミステリーなんだけど、
生きるとは、宗教とは、戦争とは、罪とは、など、
哲学的要素も含まれていて、とてもよかった…。
これはネタバレになるんだけど、村重が死ななかったのもよかった。
まあ寿命で死ぬんだけど思ってた死に様でなくてよかった。
一番好きな十右衛門も武士として立派な最期でよかった。